May 17, 2012
娘のぎょう虫検査から思ったこと<Kyoto, Japan>
昨日の朝、娘のぎょう虫検査をやりました。あのキューピーちゃんのぺたっと張るやつは、30年前から全く変わってないのがなんかうれしい。30年以上変わらないものって、あとはよっちゃんいかと、ガリガリくん、ぐらいだったり。。ってことはないでしょうけど。j
で、思い出したのが、自分の小学校時代のこと。先生がある日、「ぎょう虫検査の結果が出たから、この紙を順に取ってって」と「異常なし」の紙を前から配っていきました。みんな、よかったとひと安心。しかしそのときに、先生が思わぬひと言。
「あ、近藤は取らないで。別のがあるから」
なんと自分だけぎょう虫がいたわけです。
そしてそれを自分も含めてクラスみなが同時に知るという、発表の仕方には正直傷つきました。
なんとか笑いをとってけむに巻こうとしたものの、さすがに恥ずかしく、いまでも記憶に残っています。「ぎょう虫くん」とかあだ名がつかなかっただけでもまだよしとしなければなりません。
ただ、当時は若干傷ついたものの、いま思えば、最近のなんでもかんでも個人情報うんぬんっていう風潮より、このくらいで全然よかったのかなとも思っています。先生もそうして子どもが傷つく様子を見て、どうやったら子どもが傷つかないように伝えられるかとか、次はどうするべきかって考えるだろうと思うからです。
もちろん、子どもを取り返しのつかないほど傷つけてしまうということもあるかもしれないし、それは避けなければいけないけれど、でも、いまのように、ちょっとでも問題がありそうなことは事前にやめてしまい、とにかくミスがないように、ということばかりが重視されてシステム化されたものにただ従って教師が動いていたら、子どもの微妙な気持ちの機微などわかるようにならないのではないかな、と思うのです。
先生自身が失敗し、試行錯誤することが教育にとっては非常に大事なんじゃないかと思ってます。そうするには、先生自身の力が問われますし、リスクもあります。でもそういうリスクを意識しながらやらないと、自分の思いのこもった熱のある言葉はかけられないのではないかな、と思うのです。
それは現在、教育以外のあらゆることにも言えることだと感じます。自ら考え、失敗のリスクを背負って判断し行動する。そういう、ルールが明確ではない、グレーゾーンのようなものがなければ、人は成長しないし、社会は成熟しないんじゃないかなと。。。
いろんなことがルール、ルールでぎちぎちになる日本の現状を見ながら、そんなことをよく思います。
ぎょう虫に関していえば、自分はその後、中国で回虫も出てきたし、そういうキャラなのだろうと。
あと、サナダムシもどっかで取り入れれば、三冠達成ということに。
May 8, 2012
辺見母娘との夜<Kyoto, Japan>

(祇園のバー「いそむら」にて。辺見マリさんのお父さんを知るマスター・磯村さんから話を聞いたあと)
先日、辺見マリさん、えみりさんの母娘での京都旅に、ディナーからご一緒させてもらうというとても貴重かつ贅沢な経験をさせてもらいました。
えみりさんとは中学の同級生ということがあり、15年ぐらい連絡を取っていなかったものの、去年ツイッターを通じて連絡を取り合い、久々に飲んだりしたこともあって(湘南乃風の、ミュージシャン・若旦那さんも同級生というのは『遊牧夫婦』にも書いてますが、そのときも一緒に)、それをきっかけにいまは、一緒に仕事をしています(えみりさんの本を一緒に作ってます)。
で、いろいろあって、こんな展開になったわけです。
3人でのディナーはなんだか現実とは思えないような不思議な感じでちょっと緊張しましたが、初対面だったマリさんも本当に気さくで優しく丁寧な方で、とても楽しい時間が過ごせました。一気にマリさんのファンになってしまいました。
ちょうど、マリさんのお母さんが2か月半前に亡くなられ、久々の二人での旅行とのこと。マリさんとご両親(えみりさんの祖父母)は京都の人です。で、今回の旅行の目的の一つには、何十年も前、京都で流しのギタリストとして活躍していたマリさんのお父さんに縁のある方に会いに行くということがあり、木屋町と祇園のバーへとぼくもご一緒させてもらいました。
お父さんを知るバーのマスターとの出会いに、マリさんは本当に感激され、お話しされながら何度も涙を浮かべられるのを見て、ぼくもぐっときたり、親と子について、いろいろと考えさせられました。
そういう場を、娘であるえみりさんが、母の日のプレゼントとしてマリさんに贈るという、その母娘の温かな関係がまた素敵でした。
心に残る夜になりました。なんだかいまも余韻が残ってます。。
April 30, 2012
尾道市・向島へと取材旅行<Onomichi, Japan>

(向島の友だちの家の玄関を出たところから見た景色)
28日から30日まで、耕作放棄地について取材するため、広島県・尾道市に行っていました。
主な取材の舞台は、尾道市とはいえ向島(むかいしま)という瀬戸内海に浮かぶ島。向島には昔からの友だちとその旦那さん、娘さんが暮らしていて、ちょうど耕作放棄地が身近な中で暮らししているということで、話を聞きにいきました。
取材の内容はこれから書いてまとめるとして、2泊3日だけだったものの、とにかく素晴らしく気持ちのいい旅になりました。とても天気がよい中で、島を自転車でめぐりながらの取材兼友人訪問は、久々に旅気分を大いに思い出させてくれました。海沿いに自転車を走らせながら、2004年に東ティモールの海岸沿いをバイクで飛ばしたときのことをふと思い出しました。
本州側の尾道市と、向島(こちらも尾道市の一部)は、目と鼻の先の近さなものの、その間には渡船が走り、人々は、船で行き来をします。その船が本当にいい感じ。。。
片道1,2分で、船はずっと行ったり来たりしているので、待っても5分ぐらいなものだし、自転車も車もそのまま乗れて、110円を払って、着いたらそのまま走りだせます。本当に手軽。
でも、ほっと一息つけるゆるさや風情がありました。タイ・バンコクのチャオプラヤ川を渡る船を思い出します。

(向島から尾道の町に向かおうとする渡船。客を乗せて間もなく出発)

(渡船から見た、尾道の町の夜景)
そして島も、とっても穏やかな空気の中で、農作業する人、釣りをする子どもたちが、暖かな太陽の下で、のんびりと過ごしています。友だちとも久々に会って、旦那さんと娘さんとともに、自然に囲まれて暮らす姿を見て、自分の生活を振り返るとても貴重な機会になりました。
いま、この同じ瞬間に、あの場所の、ああいう風景の中で、自分とは全く異なる毎日を送っている人たちがいるんだってことを実感できるようになるのは、旅の醍醐味の一つだと思っています。そういう記憶の蓄積を持つことは、生きていくうえでとっても大事なことだなって感じてます。

夜、尾道の町に戻ってからは、友だちを通じて仲良くなったアメリカ人のトーマスと、二日とも、カフェやバーで話し込んでいました。トーマスは日本に農業をやることを目的にやってきて、英語教師の仕事の合間を縫って、耕作放棄地を農地へと変えるために、コツコツと農作業を繰り返しています。意気投合してしまい、夜な夜ないろいろ話し、そうしていると、彼の友だちやらとも知り合えて、夜遅くまでとても楽しく過ごしていました。
改めて、いろんな人が、いろんなことをやって生きているんだなって実感して3日でした。
やっぱり旅はいいな。。。最近ほんとにまた旅に出たくなってます。。

(戦時中、向島には、捕虜収容所があった。23人の英国兵がここで亡くなっている。その赤レンガの建物は、いままでずっと残っていて、日本でも数少ない現存する捕虜収容所跡地ということで貴重な存在だったのに、なんと今度、格安スーパーに替わるらしく、取り壊されている。。愕然とする世界です。。)
April 18, 2012
『旅に出よう』4刷になりました。ありがとうございます!<Kyoto, Japan>
今週3回目となる大谷大学の講義に加え、今週からは京都造形芸術大学の講義も始まるため、その準備に追われてます。明日は、朝が造形大で、午後が大谷大。慣れるまでしばらくは、大学で教えるのが本業みたいな気になってしまいますが、実際には週1回だけだし、非常勤講師はペイも少ないので、執筆の方をますますがんばらないといけません。なかなかハードです。
今回は、仕事についてのお知らせをいくつか。
★まずは、『旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれてる』(岩波ジュニア新書)が、おかげさまで4刷となりました。読んでいただいたみなさま、本当にありがとうございます。収入が少ない中、増刷印税はささやかなボーナスのような感じなので、現実的な意味でも、ありがたいです。。
『遊牧夫婦』、『中国でお尻を手術。』(ともにミシマ社)も、ますます広く読んでもらえればうれしいです。
こちらも合わせて、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
★ちなみに『遊牧夫婦』は、「BRUTUS」の旅特集号(2012年3月15日)の「スローな旅をしたくなる32冊の本」というページの、「放浪」部門において、ニコラ・ブーヴィエの名著『世界の使い方』とともに、選んでいただきました。うれしいです。
★それからもう一つお知らせですが、4月12日に発売となった『おとなのぶら旅【関西版】』(エルマガジン社)というムックにて、写真家の津田直さんとのコラボで、琵琶湖・竹生島についてのルポを書いています。津田さんの美しい写真と並べて、津田さんが見た竹生島について、ぼくなりに解釈して書きました。竹生島の神秘的な魅力と、津田さんの視点の鋭さによって、読み応え、見応えある記事になったかと思います。こちらもぜひ、興味のある方は書店で手に取っていただければうれしいです(おもに関西のみでしか手に入らなそうですが...)

(画像はAmazonより)
宣伝ばかりで恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします!
April 14, 2012
大谷大学で旅に関する講義をスタート
先週より、京都の大谷大学にて、非常勤講師として新たな講義を始めました。
「人間学」という一般教養の授業で、旅について話すことになりました。テーマがテーマだけに、興味を持ってくれた人は多かったみたいで、初回からかなりの人数が集まってくれました(2回目に感想を書いてもらったら、その提出者が249人も!)。90分×15回の長丁場の講義で、毎回準備に必死ですが、なんとか乗り切りたいです。以下は、1回目、2回目の感想を、それぞれFacebookに載せたものです。
-------------------(以下、自分のfacebookより)
4月5日
今日は無事に、大谷大学での初講義が終了しました。初日で、登録もまだなので、みな様子を見に来ている感じだとは思いますが、かなり大きな教室がほぼ満席で、おそらく150人~200人くらいはいたような。旅がテーマという授業はあまりなさそうだし、楽しげに見えたのかなと。
前半で、"Into the wild"の最初の部分を20分ほど見てもらってから、その後クリスがどうなったか、アラスカがどういう場所なのか(ぼくは行ったことはないのですが)、旅がこのときどういう意味を持ったのか、人の生き方と旅がどうつながっているかなどについて、写真や言葉を引用しながら、自分の体験などを交えつつ話しました。
寝ていた人ももちろんいたけれど、思っていた以上にみなちゃんと聞いてくれました。この授業を機に、旅をしようと思ってくれる学生がいたらうれしい限り。
次回は、"Into the wild"から強引に話をつなげ、「いまの時代の冒険」ということをテーマに、角幡唯介さんの「空白の五マイル」と石川直樹さんの「最後の冒険家」について話そうかなと思ってます。この二作、どちらもすごいおすすめです。
4月13日
昨日は、大谷大学の2回目の講義をしてきました。今回は『空白の五マイル』(角幡唯介)を題材に、「冒険」をテーマに話しました。なぜ、冒険をするのか、生と死の際に立つとはどういうことなのか。自分はもちろん、それほどの体験をしたことはないものの、角幡さんの体験や、他の登山家や冒険家の例を出しながら、そして自分の旅でのことを絡ませながら、自分なりに話してみました。
グーグルアースを使って実際に場所をたどりながら、各時代の生死をかけた冒険について、付随するチベット問題についてなど、いくつか例を紹介しました。
思っていた以上に多くの学生さんには興味持って聞いててもらえたことが、授業後に書いてもらった感想からも感じられました。大教室が満員になり、感想の提出者だけでもなんと249人を数えました。
旅・旅行を実際にしている人は、その中で決して多くなさそうなものの、旅に興味がある人はきっと多いはず。でもたぶん、きっかけがないんだろうと思うので、自分の講義をきっかけに旅に興味を持ってもらって、実際に動いてもらえたらと思ってます。
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