April 21, 2010

初めての著書が発売になりました<Kyoto, Japan>

すでにお知らせしている通り、昨日、ぼくの初めての著書が発売になりました。

『旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれてる』
(岩波ジュニア新書)

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です。
文筆業を志してからかれこれ10年になろうとしていて、やっとという感じで、実物を見たときはやはりなかなかうれしいものがありました。いつも応援いただいている方々には、本当に感謝してます!

このシリーズの名の通り、基本的には10代を中心としたジュニア向けに書いてあります。ぼくらが5年間の旅生活で得たさまざまな出会い、そして自分たちが経験したことを描くことで、生き方っていろいろあるんだ、ということ、そして旅することの魅力を感じてもらえれば、という願いを込めた一冊です。

でも、年代を問わず楽しんでいただけるものを目指したつもりなので、いろんな方に読んでいただけるとうれしいです!

とりあえず完成はしたものの、これからどのように読まれていくのかが、本としてもっとも大切なことのような気がしています。

表紙の絵は、高校時代の友人の弟さんに描いてもらいました。素敵なイラストを描いてくれてうれしく思っています。

では、どうぞよろしくお願い致します!

Posted by ykon at April 21, 2010 1:36 AM | パーマリンク | コメント (25) | トラックバック (0)

April 14, 2010

そよ、人生初の試練 & 『遊牧夫婦』連載再開<Kyoto, Japan>

まずはそよの話から。若干自分の記録のため、という感じでもありますが。

前回書いた予防接種のあと、数日に渡って、ちょっとおかしな動きが・・・。最初は、「あれ、そよまた新しい動き覚えたのかな?変化早いな」ぐらいに思っていたものの、どうも、若干痙攣してるんじゃないか?という懸念へ。

で、モトコがネットで調べてみると、この情報過多な時代、不安な情報が出てくる出てくる......。ケースが似ている例から、ある病名にたどり着くと、それはかなり深刻そうで、「痙攣のたびに脳が損傷する」などという情報が見つかり、もしこれだったらやばいなと、夜11時に近くの第二赤十字病院に電話。すると、心配だったらいまいらしてください、と言われ、そよが起きるのを待ち、日曜日の未明3時ごろ、3人で日赤へと向かいました。こういう大病院が家からすぐ、というのはとても助かります。

で、見てもらって、状況を説明すると、
「それなら、脳波とか、MRIとか一通りやってみるといいね。心配な病気であれば、それで大体わかるから」とのこと。信頼できそうなとてもよさげな先生。

そして、一日待って月曜から、検査入院ということになってしまいました。検査とはいえ、4ヶ月でもう脳波、MRI、心電図、などをフルコースでやることになり、しかも入院、というのはなかなかかわいそうなものがありました。

入院前には、採血とともに点滴の管も入れておく必要があるとのこと。モトコは入院の準備のために家に帰っていて、ぼくがそよについていたものの、針を刺すときには、なぜか

「お父さんは、外でお待ちください」

と外に出されてしまいました。ベッドに寝かされたそよを置いて、外に出て、耳を済ませていると、早速そよの号泣が廊下に響きわたりました・・・。

終わって中に入ると、針を刺され、その手をテープで固定され、まだ号泣が収まらず涙と汗とよだれ、鼻水やらでべちゃべちゃになっているそよが、「ひっ、ひっ、、」としゃくりあげていて、なんだかそれを見ているだけで、悲しくなってきてしまいました。

そしてその後すぐ、心電図、心エコーの検査。モトコももどってきて、小さなそよが検査を受ける様子を二人でずっと眺めていました。なんだか、このときにほんとに、親になった気分を強く感じたというか、もし何か変な結果が出てきたらどうしよう、何か異常が見つかったらどうしよう、と自分の身体以上に心配になっていました。

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(点滴の管が左手に)

病室で休んだあと、午後五時ごろだったかに、脳波の検査。寝てないといけないので、まずそよを寝かしつけて、静かになったところ、検査室に連れていくも、移動したら少し起きてしまったので、真っ暗で静かな検査室でまた寝かしつけて・・・。

検査室前のソファーで二人で終わるのを待っていると、2、30分ほどで終了。

それからしばらくすると、病室に先生がやってきて、
「特に心配な点はありませんでしたよ」
と。そのひと言にとても胸をなでおろしました。先生がやってきたときは、なんだか合格発表みたいでした。でも、若干気になる点がないこともない、ともいわれ、そのために「やはりMRIもやった方がいいね」とのことで、翌日、MRIをやることに。

翌日。

夕方にMRI。検査中に眠っててもらうために、日中は寝せてはいけないとのことで、眠くてふらふらなそよを眠らせないように、点滴をつけながら病院内を歩き回り・・・最後はかなり辛そうで、もうふらふらに。。ちょっと油断すると寝てしまうので、それを起こす、すると泣き出す、というかわいそうなループに・・・。

でもなんとか寝ずに乗り越え、MRIの検査室へ。頭に固定用の機械をはめられ、小さな身体のまま、大きなMRIの機械の中に吸い込まれていく姿はなんともいえないものがありました。その部屋の中でモトコはつきそい、ぼくはまた検査室の前のソファで待つ。

無事に終わって出てくると、ほっと息をついて病室へ。そしてしばらくしてから、検査結果を聞くために、先生の部屋へ。まず、MRIの画像の見方を丁寧に説明されました。ここが黒いとよくないとか、この白いのはなんだとか。でも、何か問題があったのかはなかなか言われず不安が募る。

で、

「そういう感じで画像を見ていくと・・・・・・何もおかしなところは見当たりません」

ほーーーーっ!前置きが長かったので、これはもしかして何かあったのか?とも感じてしまいましたが、ただ丁寧に説明をしてくれた、というだけのようでした。脳波の気になるところも、MRIを見た結果、問題ないでしょうということだったので、本当にほっとして、そのまま退院となったのでした。

そして、モトコの両親たちが病院へ迎えに来てくれて、みなで、「ああ、よかった、よかった」と、あたかも大病から奇跡の生還を果たしたような感激ぶりとなったのでした・・・。

本当に心配な2日間でした。
でも思い切ってすべて検査をしてもらってよかったです。やったのは、脳波、MRI、心電図、心エコー、血液検査。しかもかかった費用は、このすべての検査代と入院費込み、さらに一週間後の診察と薬代を含めて、200円ぽっきり!京都市は、3歳までかな、医療費は1ヶ月で200円とのこと。これはほんとに助かります。

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(退院した2日後に、鴨川でお花見をしたあと近くのカフェで)

もういまはすっかり元気です。

さて、話は変わりますが、今日から久々に『遊牧夫婦』の連載が再開しました!まずは隔週からですが、これからまたがんばって書いていきますので、よろしくお願い致します。書籍版の第一巻もいよいよ最終段階に来ています!

Posted by ykon at April 14, 2010 1:22 AM | パーマリンク | コメント (9) | トラックバック (0)

April 2, 2010

本の話、いろいろ。エンブリオロジストって?<Kyoto, Japan>

今週の初めにやっとジュニア新書が校了(全作業終了)しました。

いやあ、疲れました。最後の最後で、細かいところが気になって気になって。。しかも、いくら考えても解決しない問題があったり、また、あまりに何度も読みすぎてるために余計なことまでいろいろと考えはじめてしまったりして、全く本を完成させる大変さを今回の作業で実感しました。と、ともに、やっと完成にこぎつけた充実感はなかなかのものがあります。4月21日ごろ書店に並ぶ予定です!

そして、それが終わっていまは、『遊牧夫婦』の最後の仕上げ作業中。こちらは5月末ごろの発売を目指して最後の詰めに取り組んでいて、まだまだ作業は続きそうです。

さて、今回は本の話が続きますが、ひとつ紹介を。

ちょっと時間が経ってしまいましたが、上海時代の知人であるライターの須藤みかさんが、1月に『エンブリオロジスト 受精卵を育む人たち』(小学館)という本を出されました。「小学館ノンフィクション大賞」の大賞受賞作です。

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ちょうど、そよが生まれた後だったので、自分たちも出産にかかわるテーマというのはとても身近で、二人でとても興味深く読みました。

「エンブリオロジスト」

って聞いて何のことか分かるひとって、とても少ないのではないかと思います。ぼくもこの本のタイトルによって初めて知りました。それは、不妊治療において精子と卵子が受精したあとの「胚」を扱う医療専門職のこと。正確な書き方ではないかもしれないけど、1個の精子を卵子に注入する顕微受精などをまさに行なう専門の技術者です。

その世界は全く知らなかったものの、イメージ的には、これって医者がやるのでは?と気がしていたけれど、そうではないのです。じつは専門の技術者がいるんです。
しかも、エンブリオロジストは、「医療者としての国家資格を必要としない職業」であるというのはなかなか意外なことではないでしょうか。

体外受精成功のカギを握る重要な存在でありながら、関係者以外にはほとんど知られていないこの職業について、「彼らはいったいどういう人たちなのだろう」という思いをもって書かれたのが本書。須藤さんがそのような強い思いをもってこの取材を始めたのは、まさに須藤さんご自身が不妊治療を受け、直接エンブリオロジストたちと向き合っていたからです。

そんな著者の、他人事ではない真剣な思いが伝わってくる内容です。エンブリオロジストとは、どういう人が、どうやってなっていくのか?その仕事はどういうものなのか?彼らがどんなことを考えながら、日々「いのちの素」を育むという作業を行なっているのか? とても興味深くも知られざる世界が、ぱっと目の前に広がります。

興味ある人は是非読んでみてください!

ちなみに、この須藤さん編著で、『上海路地裏散歩(仮) 』(双葉社)という上海に関するエッセイ集のようなものが4月20日ごろに刊行されますが、ぼくもこの中で7ページほどの小文を寄稿しています。詩人金子光晴の上海ライフと、自分たちの上海生活を重ねたエッセイです。よかったらこちらもご覧下さい。

<親ばか最新そよ情報!>

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(寝返りの練習(?)のあとに突然大泣き。※これは予防接種後ではありません)

昨日また、そよの予防接種に。こんな小さな身体に針を刺され、「うえーん」と泣き出すのを見ているのはなんともしのびないですが、でも、どうも乳児は、なんと10秒ぐらいしか直近の記憶を保存できないとか聞きました。その通り、確かに辛そうに泣いていた数十秒後には、何事もなかったかのように、うはうは笑っていました。記憶の保存期間が短いって、ある意味すごい幸せなことだなあ、とそよを見ながら感じました。






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(上の10秒ほど後)

Posted by ykon at April 2, 2010 11:34 PM | パーマリンク | コメント (5) | トラックバック (0)