May 23, 2007

物乞いが免許制に?

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(今日は、戦時中のユダヤ難民居住地区を歩きました。写真はユダヤ難民収容所があった場所にいまある住居。これが収容所の一部だったのかは不明。ちなみにこのブログ本文とは無関係)

新聞によれば、最近広州で、物乞いを免許制にしようか、という議論がおきているとのこと。

「最近の調査によれば、広州では、本当に困っている物乞いは5%ぐらい。あとはみな職業物乞いで、お金を稼ぐためにやっているだけだ。体に障害などがあって本当に物乞いするしか生きる方法がない人のみに政府が免許をあげて物乞いすることを認め、他はみな排除するべきだ。職業物乞いのせいで、本当に困っている物乞いにも、通行人が見向きしなくなる」

という声が上がっているとのことなのです。そして、大学教員などがそれについて賛否両論を述べていました。「そうした方が街のイメージ作りによい」「いや、結局ニセ免許が出回ってしまうから、そんなのは意味がない」などといった、意見のやりとり。

さすがにこれには唖然。。。

物乞いがお金を稼ぐためにやっているのは当然のこと。体に障害があったりするわけではなくとも、みな本当に貧しくて、物乞いでなんとか一日10元程度を得て暮らしているというのが、自分が上海で取材などを通じて見てきたことです。実際に物乞いをしてすごい儲けている人がいるというのはおそらく都市伝説でしょう(子どもを貸し出したりすることを仕事にしている裏の組織は中国にもあるかもしれません。石井光太さんが書いた「物乞う仏陀」(文藝春秋)にインドでのその例が載ってます。石井さんは、手足がスパッと切れている物乞いは、誰かに切られて、その姿で物乞いをさせられている可能性が高い、と確か書いていましたが、上海にも一人、以前よく見た物乞いでそういう人がいました。昆明では複数いました。その場合、彼らはもちろん被害者)。

それに、ある物乞いに対して「彼は物乞いするしか生きていけない」と政府が認めるのであれば、やるべきことは、物乞い免許をあげることではなくて、彼らが最低限の生活ができるだけの支援をすることなのは明らかでしょう。そこが最もおかしいと思ったのですが、紙面の意見の中に、そういうことが全く出てこないことに唖然としました。

基本的に中国のほとんどの報道は、政府の発表をそのまま伝えるのみ(一部雑誌などでちゃんと批判を書いているものもありますが、やりすぎると発行停止などになってしまう)。だから、結構こういうはちゃめちゃな提案がそのまままかり通ってしまうんだろうなと思います。

ところで、上海では来月からか、クラクションが禁止になるとか(市内の一部?)。確かにクラクションはうるさいのですが、だからといって、禁止にしてしまっていいものか。。。それもただ、「『禁止になるよ』」と政府が発表した」という記事が載っていた程度。

ちなみに毎日読んでいるのは、CHINA DAILYという英字新聞のみなので、中国語の新聞の中にはもうちょっと違うのがあるのかもしれませんが。。。うーーん、これでいいのだろうか中国、と日々感じてます。

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(ユダヤ人地区から2時間ほど歩いて、親しみのある界隈へ戻る。奥に見えるのがテレビ塔。左右が歴史あるホテル・和平飯店)

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(その和平飯店の下では、暑さに疲れたのか、ぐったりとした中国人観光客が大勢座り込んでいた。ずらりと並んでいてなかなか壮観)

Posted by ykon at May 23, 2007 9:25 PM | パーマリンク | コメント (4) | トラックバック (0)

May 20, 2007

旅の計画&黙秘権

最近なかなか更新せずのまま、時間が経過中。日本に帰ってる間、2週間アップしなかったら、そのままペースダウンしちゃったような。

上海も残り2,3ヶ月になり、いまは少しずつ今後の旅のルートを、ぼんやりとながら検討中。

とりあえず、中国からロシア(もしくはその前にモンゴルを経てから)、で、ロシアを西に移動したあと、新疆ウイグルのあたりで再び中国に戻りたいなと。……で、いまGoogle Earthを見ていると、カザフスタンやウズベキスタンあたりを経て、再びロシアに戻り、ウクライナやバルト三国を抜けて東ヨーロッパへ……、ということになるのかな、と想像したり。ただ、ビザや国境のことなどはほとんど何も調べてなく、勝手に頭でルートを作成しているだけですが。しかし、ポルトガルは遠いな。。。

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(Google Earth見てると、ほんと世界観というか地球観が変わりそう。このブログの右上の地図も、見にくい、という声をちらほらいただいているので、google earthの画像を拝借しようかなと思っていたり。著作権的にはいいのかな。。。ちなみに、いまの地図は旺文社2000年の「世界全図」をもとに作成)

中国住んでみて、ぼくは個人的に旧共産圏の国に興味が強くなり、だから、旧ソ連の各国はなかなか楽しみ。しかし、この辺になるとなぜかアジア以上に、途中で取材・執筆しながら進んでいくなんていう日々がちょっと想像つかないです。寒そうだし、物価も安くなさそうだし。。。

それから、スタート地点をどうするかも、いろいろと検討中。というのは、保険などの関係でおそらく出発前にもう一度日本に帰ることになるので、そこからどうするか。富山から船でウラジオストクというのもあるような話なので、それも面白そうかな、と思いつつ、、、やはり北京あたりでウォームアップしてからかな~、とか思ったり。。。

さて、話は変わりますが、最近のこっちの新聞の一面、

「中国でも黙秘権が」

というようなタイトルの記事が。え、中国って黙秘権ないの?と思いつつ読むと、現行法では、「容疑者は取調べ官(?)に真実を述べなければならない」となっているとのこと。さらに弁護士は2度目の取調べからしか立ち会えない(→あ、でも、日本も立ち会えなかったような……?)。黙秘権がないって、とても驚きだったのですが、これって結構それぞれの国によることなのでしょうか?法律家の方々、どうでしょうか。

ま、中国は場所によってはまだ引き回しや公開処刑もあるようなので、黙秘権がなくても驚くことはないのかもしれませんが。ちなみに、市中引き回しは一度四川省の田舎で目撃。外で食事をしていたら、荷台に、囚人(頭から札を提げている)と警官が数人ずつ立って乗っているトラックが。。。江戸時代のような光景に、びっくりしました。

・「LinkClub Newsletter」6月号 「ふたりで生き、ふたりで撮る 写真家夫婦 榮榮&映里」はpdfがネットにアップされています。ここです。よかったら見てみてください。とても素敵な日本人・中国人のご夫婦でした。

Posted by ykon at May 20, 2007 11:15 PM | パーマリンク | コメント (7) | トラックバック (0)

May 12, 2007

日本感覚、少々持続中

9日に、素子とともに上海に戻ってきました!

日本に丸々二週間もいたので、すっかり感覚が日本モードになってしまいました。成田イン、関空アウトで、後半の4、5日は環境のいい(と思われる)京都にいたためか、上海に帰ったらなんだかやたらと空気が汚いような気がして、あれ、こんなだったっけ?と思う始末。

日本ではいつも通り、友達に会ったり、仕事関係の人に会ったりという日々の連続で、なかなかハードながらとても楽しい日々を送りました。が、今回ぼくにとってのちょっとしたイベントは、人間ドックを受けたこと。ここ何ヶ月か原因不明の胸の痛みがあったり、非常に疲れやすい、風邪を引きやすい、という状態が続いていたため、何か見つかるんじゃないかとドキドキだったものの、とりあえず今分かってる範囲では何も問題なしで、ほっとしました。懸念していた成人病系の数値や血圧がとりあえず悪くなく、胃カメラも問題なかったので、むしろ健康キャラに復帰できたような気に勝手になってます。が、一番やらなければいけない大腸ポリープの検診がなかったため、これは次回。

中学時代の友達とあって明け方近くまで飲みながら、大腸内視鏡はあそこの○○先生が上手い、胃カメラはどうだった、などと話をしてると、なんか随分とオヤジ化したような気がして笑えてしまいました。まだ少し早いような気もするのですが。。。

で、もう一つ個人的にうれしかったのは、超広角レンズをついに購入できたこと!修士時代の研究室の尊敬すべき先輩の勧めで、デジタル用のシグマ10-20mmを買い、上海に戻って装着したら、「いよいよおれもデジカメ新時代!」という感じでした。(カケ○ワさん、ナイスですよ、あれ!)

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(それで撮ったうちのリビング)

ところで、上海は8月に出ようかともくろんでます。
次は北方ルートでヨーロッパを目指し、住めそうな国を見つけてちょっと住んでみようかなんて、適当なことを考えています。素子とぼくとで、希望国が少々異なるので、どこに行くかはまだ不明ですが、とりあえずもう上海生活も店じまいという気持ちになってきてます。ま、実際には、ヨーロッパでは、物価、言葉、仕事の問題で住まずにお終い、という展開もありうるので、全く先は未定なのですが。

<以下、久々に最近の記事のお知らせ。すぐに手に入りそうなものは多くはありませんが、機会があれば、是非……>

・「日経キャリアマガジン」6月号<上海で働く日本人(akubichan!)の紹介記事>
・「Link Club Newsletter」6月号<3月北京でインタビューした日中写真家夫婦についてのルポ>
・「Link Club Newsletter」5月号<東ティモール-インドネシアの国境の話>
・「上海ジャピオン」<特集 ふらり、魯迅公園を歩く
・「SUPER CITY SHANGHAI」、「自然と人間」、「SQUARE」の連載も。

Posted by ykon at May 12, 2007 8:28 PM | パーマリンク | コメント (7) | トラックバック (0)