お知らせをいくつか。
●4月25日に発売となった壮麗な赤い表紙の「芸術新潮」5月号、
<貴婦人と一角獣>特集の脇で
「妙心寺退蔵院の襖絵プロジェクトを支える職人たち」
というルポを書かせていただきました。
400年後を意識した職人さんたちの静かだけれど熱い世界を描きました。
自分は美術雑誌にはこれまで全く縁がなく、
日本画にも襖絵にも全くの門外漢だったため、
知らないことばかりでかなり苦労をしましたが、
知れば知るほど、墨、襖、紙、といった世界の奥深さとそこに秘められた
いろんな人や時間の厚みに惹かれていきました。
なぜこういった仕事を残していかなければならないのか。
そのことが極めてはっきりとわかったように思っています。
伝統的な技術の持つ迫力と、そこにかかわる人たちの情熱。
自分が感じたそうした感動を、是非味わっていただきたく書きました。
さすが「芸術新潮」という感じの、細部にわたる編集者のチェックや提案により、
技術的な面の記述も、かなり詰めることができた気がしています。
写真はいつもながら、信頼する写真家の吉田亮人さん。
彼の労を惜しまない撮影が、
職人さんたちの世界を見事に浮き彫りにしています。
読んでいただければうれしいです。
冒頭は、ウェブで立ち読みできます。
●4月26日に大阪にオープンした「グランフロント大阪」に、積水ハウスの「住むフムラボ」が解説されました。
同時に、「住むフムラボ」のウェブサイトが開かれて、
そこで以下の各人が、生きることや住むことといったテーマで、
コラムの連載を開始しました。ぼくは、
「劇的進行中~"夫婦の家"から"家族の家"へ」
というタイトルで、自分が父親になっていく過程を
書いていこうと思っています。
第1回は、3年半前に長女のそよが生まれる場面から。
先日の次女誕生にちょうど重なるシーンとなりました。
是非読んでいただければうれしいです。
http://www.sumufumulab.jp/column/
書き手によってテーマは違いますが、
それぞれ生活に密着した楽しい内容になっています。
書き手:三島邦弘、近藤雄生、小林明子、仲野徹、平川克美、平尾剛、橘真、橋爪節也、平野愛、江弘毅
●ミシマガジンでの『遊牧夫婦』の連載も、だいぶ進んできています。ミシマガジンが、4月から「みんなのミシマガジン」としてリニューアルされたことに伴い、毎週日曜の更新となっています。ようやくトルコまで来ました。最終巻完成に向けて、近々最後のクライマックスに突入します!
4月22日に、第2子となる女の子が誕生しました。
37週での帝王切開だったものの、3286gと比較的大きく生まれてきました。
そよと二人の思い出深い一週間となった3月初めから妻・素子の絶対安静状態が続いて、無事に37週まで持ちこたえられるか、ドキドキする日々でしたが、おかげさまでなんとかここまで来れて、無事に生まれ出てきてくれました。
妻は、術後の痛みを抑えるための麻酔などのために、
しばらくはあまり動けない状態でしたが、どんどん回復しています。
手術はそよと一緒に立ち会い、そよも誕生の瞬間の一部始終を見ていました。
それにしても、あまりにもオープンにすべてが見えているので、さすがにそよには、妻のお腹がすごいことになっているところは見せない方がいいと思って視界を遮りましたが、お母さんのお腹が真っ赤ですごいことになっているのが気になって仕方ないらしく、なんどもそっちを覗こうとしていました。それでも静かに誕生の瞬間をじっと見て、翌日は、保育園で友だちに「お母さん、お腹チョキチョキしはってん~」と言っていたようで、いろいろと感じるところはあったんじゃないかと思います。
2人目は気持ち的にはぐっと楽で、おむつ替えも、ああこんなだったなあーと
懐かしく思い出しながらやっています。
そよはいまのところ、赤ちゃん!赤ちゃん!一緒に寝る!と楽しそうにしてますが、
敏感にいろいろと感じてそうなので、気にしていかないとなって
思ってます。
とりあえず、ご報告まで。
今後とも、よろしくお願いいたします!
ちなみに名前はまだ決まってません。難航中です。。
本日発売の「ソトコト」5月号に、
退蔵院絵師・村林由貴さんのインタビューが載っています。
ちょうど一か月前、東京での襖絵展の余韻がまだ残る中でのインタビューでした。
今回も、写真は吉田亮人さん。
http://www.sotokoto.net/jp/interview/?id=81
村林さんの取材を始めて、もう1年ほどになるけれど、
彼女はインタビューするたびに言葉に深みが出てくる感じで、
ほんとに驚かされます。それは何よりも、彼女の日々が濃密であることの
証だと思います。
今回はほとんど、テープを起こしたものを軽く編集したという程度。
どんな問いに対しても、体験に基づいた村林さんならではの言葉が、自然に流れ出る。
それはほとんどそのまま文章になり、
そしていつも、なるほどと思わせるメッセージが込められています。
彼女は体験を言語化する力にすごい長けていると思う。
特異でとても貴重な体験をしている村林さんのような人が、
そうして言語化できる力を持っているというのは、
社会全体にとっても幸せなことだと思います。
プロジェクトはあと2年(1年延びました)。
現状は、これから壽聖院本堂に取り掛かってから、
そのあといよいよ退蔵院の64面へという段階です。
彼女の絵は、モチーフも線も、どんどん重みというか、力が増してくる感じで、
これからどうなっていくのか、何を描くのか、とても楽しみです。
そして同時に、彼女の変わりゆく言葉もまた楽しみ。
よかったら是非読んでください。
吉田さんの写真もまた、いいです。
冒頭は上のリンクから、ウェブで読めます。
ちなみに、今月25日発売の『芸術新潮』には、同じく襖絵プロジェクトのルポだけれど、
職人さんたちに焦点を当てたルポが載ります。
写真家・吉田さんとともに、職人さんたちを取材して回って書きました。
全く未知な分野だっただけに、いろいろと苦労しましたが、
それだけに熱のこもったものになった気がします。
今日入稿で、あとはゲラチェックのみ。やっと。。