November 24, 2004

ラオスでの日々

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(ラオスの朝)

ラオスに入って1週間がたちました。

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(タイ側国境の町のゲストハウスから。目の前のメコン河の向こうがラオス)

タイ側からメコン河を横切って、あっという間にラオスについてしまいました。ラオスの国境の町、フエサイは特になにもないところでしたが、ゲストハウスがあまりにも居心地よかったため、2泊もしてしまいました。

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(タイ側から。タイとラオスを行き来する船がたくさん泊まっている)

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(ゲストハウスからの眺め。遠くにメコンが見えます。河の向こうはもちろんタイ)

フエサイからどこに行こうか迷っていたのですが(というのもどこへ行くにも船に長時間乗らないといけないことと、唯一あるバスの道はラオスでもっとも悪路と言われていることで、楽に移動できそうな場所がなかったので…)、結局もっとも多くの人が利用すると思われる船を使って、ルアンプラバンという町までやってきました。
船は、想像以上のすし詰めの一泊二日の旅でした。1日目は6時間メコン河をくだり、途中のパクベンという村に宿泊し、二日目もさらに6時間の旅でした。

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(フエサイからパクベンまでの船。椅子に座りきれずに荷物の上に座る人も)

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(観光客の足として発達したというこの船にはほとんど西洋人しか乗っていません。日本人は私たちのほかにもう一人だけいました。あとは地元の人が数人)

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(ルアンプラバンに到着する1時間ほど前、無数の仏陀像が置かれている洞窟に停まりました)

ルアンプラバンは世界遺産に登録されている(?未確認)だけにかなりの観光地です。地元の人よりも西洋人の方が多いんじゃないかと思ってしまうくらい。メインストリートには快適なレストランやカフェが乱立し、元フランス領だっただけに、どこに行ってもおいしいバゲットのサンドイッチが食べられます。

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(道端のローカルな露店でもバゲットが買える)

タイではインスタントのコーヒーが主流でしたが(ちゃんとしたレストランは別として)、ラオスでは道端の露店でも安くて新鮮なラオコーヒーが飲めるのも、フランスの影響なのかもしれません。
ただ、食べ物はタイに比べて劣るような気がします。タイではチャーハンや焼きそばはどこで食べてもそこそこおいしかったのですが、ラオスはなかなかおいしいものに出会えません。それが少し残念といえば残念です。

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(食事中のおばさんに誘われて私たちも少し味見させてもらいました。左はゴマやにんにく、唐辛子を混ぜた海苔。右は野菜を辛く煮たもの。これをカオニャウ?というもち米と一緒に食べる。これは絶品!)

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(のりを売るおばあちゃん)

ラオスは特に何もすることなく安穏と過ごしてしまっていますが、ある人によれば、何もない、何もすることがないのがラオスの良いところだそうです。というわけで、私たちも実は最もラオ的な過ごし方をしているのかも……。

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(私たちの泊まっている宿の通り。この辺りはレンガを敷いた綺麗な道に、灯篭が立っている。いかにも観光地ぽい)

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(毎朝6時ごろから、町に22あるお寺から僧が出てきて托鉢を始める。通りには僧を待ち構えた一般市民が並ぶ)

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(施し物はほとんど白米のようでした)

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(ルアンプラバンでもっとも古いお寺、Wat Xieng Thong)

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(そこで修行するリー君。彼の村には高校がないため、ここで修行しながら学校に通い、夜には英語学校にも行っている。高校卒業後はビエンチャンに行って仏教大学に通いたいそう)

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(昼食前のお祈り)

それでは!
雄生&素子

Posted by ykon at November 24, 2004 7:38 PM | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)

November 17, 2004

ビルマ報告(写真いっぱい)

こんにちは。
数日前にビルマから戻ってきました。
タイ側の国境の町メーサイからビルマに入り、タイ、ラオス、中国の三国にかこまれたビルマ東端部のみを訪れました。まずはタイ・ビルマのビルマ側の国境の町タチレクから、車で4時間ほど北上しチャイントンへ。そこに4日間宿泊しながら、さらに北部、中国との国境の町、モンラーにも足を伸ばしました。

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(宿の屋上から見たチャイントンの町。結構都会でしたが、ちょっといくとすぐ山)

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(宿の前に毎朝出る朝市。山岳民族も民族衣装を着て買い物をしたりしていました。カメラをむけると嫌がられたので写真はありませんが…)

本当はもっと長くいようと思っていたのですが、自由に移動することができない(町の外へと移動する場合は、常に現地人のドライバーとともにイミグレーションに行って許可書をもらうなどの手続きが必要、またバイクが借りられない)、見られる場所が限られているなどのため、早めに切り上げてしまいました。

しかし、たった5日間でしたが、ビルマはタイとはまた全然違った場所で興味が尽きませんでした。

この東端部は、以前はビルマ国内でももっとも隔離され開発の進んでいない場所といわれていたようですが、今では、タイ国境からきれいな道が出来上がっているため、随分と町は変わったようです。特にタイ人観光客が多いようで、町には、宿、ホテルも多数ありました。ぼくらが泊まったもっとも安いと思われる宿(一人US5ドル:タイの安宿の2倍ぐらい)も、まだ新しいのか、部屋はかなりきれいで驚きました。とはいっても、チャイントンの町自体は、タイに比べて観光客などはとても少なく、東ティモールを思い出させる雰囲気ではありました。

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(チャイントン郊外で毎週2回行なわれるバッファローマーケット。この日は100頭くらいいました)

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(町のマーケットで。豚のいろいろな部分が売られていました。顔、足、臓器がそのまま、ドン!)

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(お赤飯のようなものも。甘かったです)

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(卵豆腐にヌードルを混ぜたもの。これで25円くらい)

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(修行僧とトゥクトゥク。ビルマ国内にもタイと同じオレンジのローブを着た僧がいる。その違いは不明)

この付近は、ビルマとはいえいくつもの少数民族が交じり合って暮らしているため、主に話されている言葉はビルマ語ではありません。この辺に多い、シャン族の言葉・シャン語や中国語、タイ語などが入り混じっているため、もう何語を使っていいか分からず、ぼくらは、英語か、ちょっと話せる中国語などを使っていました。でもタイ語が全く分からないぼくらにとっては、タイよりも意思疎通はできたように思いました。

中国との国境の町はモンラーというのですが、そこは、通貨も中国元、言語は雲南語で、すでに中国のような場所でした。国境からいくつもの観光バスが多くの中国人観光客を乗せてやってきて、土産物屋での中国人同士の激しいやり取りには、まさに中国を肌で感じた気がしました。そして初めて、中国の地に足を踏み入れたのです。オーストラリアから徐々に北上してついに中国まで来たことを実感し、なかなか感激でした。

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(モンラから中国への国境向こう側が中国のノーマンズランド)

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(中国側で記念撮影する中国人観光客)

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(中国側で久しぶりのツーショット。私たちのほか3人と車をシェアしたので、そのうちの一人に撮ってもらいました。ちなみに3人のうち2人は偶然にもジャーナリスト。でもジャーナリストやライターだとかいうことはビルマ国内で知られるとまずい)

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(これはビルマ側にある仏教寺院。中国人観光客でいっぱい)

ビルマは、おそらく全般的にいって旅行者にとっては全く問題なく安全に旅行のできるところのようです。今回の滞在でぼくらが感じたのも、そんな平穏な雰囲気でした。

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(ビルマの修行僧はエンジ色のローブを着ています)

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(イギリス統治時代からある教会<でもこれはイタリア人によるもの>。この横には多くの孤児が暮らしています。後すぐ後ろには、大きな仏像が)

しかし、「快適で平穏な国」という多くの観光客にとってのイメージは、決してビルマという国の本当の姿ではないことは確かなようです。軍事独裁政権が力を握るこの国では、観光客の目に触れない場所で多くの人権侵害が行なわれ、まだまだ少数民族とビルマ国軍との戦いが続くところもあります。そのためにビルマ国軍から逃げ回って暮らす「国内避難民」は100万人ともいわれるし、タイから続くきれいな道も、強制労働などによって作られたのかもしれないと思うと、それの上を快適に走ることに複雑な思いがします。

また、中国との国境の町モンラーは、ワ族という民族が、ビルマ国軍に対しての抵抗闘争の結果、自治権を得ている特別な場所で、そこはビルマ国内でありながら、他の地域との間に「国境」があります。そしてその地区の中には、ビルマ国軍も武器を持って入ることはできず、その代わりにワ族の兵隊たちがいます。

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(ワ族自治区への「国境」)

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(このバーの向こうがワ自治区)

しかし、先月のビルマ政府の政変(穏健派<=民主化に理解を示す派>の首相らが更迭され、強硬派<=より独裁色が濃い>が牛耳るようになった)によって、今後この自治区がどうなるかも分からないようです。

とにかくビルマは、とてもいろいろな問題を抱えていて、今後の行方が気になります。最近、ビルマについてはいろいろと知る機会が多く、ますます興味が出てきたので、来年もっと長く滞在するのを楽しみにしてます。

今は、タイ・ラオスの国境の町チェンコンにいて、明日ラオスへ渡り、その後中国へ抜け、香港を目指します。そして年末年始の一時帰国のために、日本へ一度飛ぶつもりです。
それでは、そんなところで。

雄生・素子

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(中国側のトイレ。噂には聞いていたけれど……!)

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(ビルマにもこんなトイレがありました。これはもちろん男性用)

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(同じ場所にあった女性用……。さすがにこれにはびっくり。でもこの隣には普通のトイレがありました)

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(バッファローマーケットに行く途中で)

Posted by ykon at November 17, 2004 8:18 PM | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)

November 8, 2004

明日からビルマ

こんにちは。やっと今日、国境の町メーサイに着き、明日からビルマに入ります。

ビルマ難民についてのことで書いた記事(このHPでも紹介したPECのこと)が、11月19日発売の週刊金曜日に掲載されることになったので、機会があればご覧いただけるとうれしいです。

それでは、短いですが、報告まで。

雄生&素子

Posted by ykon at November 8, 2004 9:19 PM | パーマリンク | コメント (1) | トラックバック (0)

November 2, 2004

写真なしですが

こんにちは。二度目のチェンマイの日々は、あっという間に時間がたってしまっています。ここ数日は何をするわけでもなくだらだらと過ごしてしまい、これはそろそろ移動しなければと、6日辺りから再びビルマ国境付近まで行き、今度はビルマにちゃんと入国する予定です(ビザ更新のためではなく)。

前回書いたように、ビルマでは最近政変があって、ちょっと現在の状況が読めないということもあり、今回は国の東側に一週間ほど滞在するだけの予定です(国の中心部には、数ヵ月後にもっとゆっくりと行ってみる予定)。

ところで、イラクでの香田さん人質事件はぼくらにもショッキングでした。事件発生後から、NHKが見られる食堂に通い、またネットで調べたりしてその経過を追っていましたが、最悪の結果となったことを知り、大きな衝撃を受けました。

ニュージーランドワーホリの後の中東の旅ということで、ちょっと似たようなものを感じるところもあり、またバックパッカーということもあり、他人事とは思えないようにも思いました。

今回、彼の行動は「全く理解に苦しむ」ということばを実によく目にしました。確かに、今、旅行者としてイラクに行くことは無茶だと言われても仕方ないとは思いますが、でもその一方で、彼の気持ちは、自分も含め多くの個人旅行者たちにとって全く理解できないものではないようにも思いました。

一般に危険だ、危険だと言われているところも、実際に行ってみたらもちろん普通に人が日々の営みを持っているはずであり、どこもかしこも危険だらけの場所なんてないんだ、という印象というのは、実際に旅をしてみると感じることが多々あります。ぼくらも、オーストラリアで旅行代理店の人などに「何しに行くんだ?」と何度も言われた東ティモールに実際に着いてみたときもそんなことを特に感じました(もちろん東ティモールとイラクとは今全く事情が異なりますが)。

香田さんは、イラクの前にイスラエルにいたということでしたが、おそらくイスラエルでそんなことを感じていたのではないかと、ふと思ったりします。イスラエルに行った旅人、またイスラエル人が、「イスラエルではテロのことばかりがニュースになってどこにいっても爆発ばかり起きているように思ってるかもしれないけど、そんなことはない。ガザ地区とかそういう、危ないといわれているところにいかなければ平和なところだ」といっていたのを思い出します。勝手な想像ですが、彼もそんなことを実際に感じて、「イラクが危ないっていっても、バグダッドは大丈夫なんじゃないか」と思っていたのではないか、という気もします。

でも今回の事件の結果を知って、やはりイラクは事情が違ったのだな、ということを改めて感じさせられました。

ところで、ビルマに滞在中はインターネットの状況が全く読めなく、Eメールなども全て政府側に読まれていると聞くので、ビルマから戻るまではHPの更新、Eメールでの連絡もあまりできなくなるかもしれませんが、ご了承ください。

それではまた!

雄生&素子

Posted by ykon at November 2, 2004 11:09 PM | パーマリンク | コメント (1) | トラックバック (0)