唐沢寿明×山崎豊子の『不毛地帯』を見ています。
『白い巨塔』ファンとして、このコンビには激しい期待をして見出したのですが、いまのところは・・・うーーん、『白い巨塔』には遠く及ばずという印象です。
『不毛地帯』、作品自体は渋くて悪くないのだけれど、あまりにも渋いというか、もうちょっとポップさがほしいところ。テーマも、いまとあまりにもリンクするところが少ないような・・・。ぼくは、唐沢×山崎、阿部サダヲ、竹野内、岸部一徳、といったメンバーがなかなか好きなので楽しんで見ているものの、決して広く受ける作品じゃないのかな、という気がしてます。
が、しかし、これを見ることで、思わぬ副産物が!
それは『不毛地帯』の後のこと。
『不毛地帯』を見終わり、今日は不毛じゃなかったかどうかを確かめつつ、エンディングのトム・ウェイツの激シブ(もしかして死語?)の声を聞いてのらりくらりとしていると、上沼恵美子をバックに天気予報が始まり(関西だけ?)、そのまま油断していると、知らぬ間に次の番組に絡め取られるわけです。
その番組が、TOKIOの『5LDK』。
毎回ゲストが出てきて、TOKIOとぶっちゃけトークというやつです。
おいおい、TOKIOかよ~、なんて思ってみていたら、これがなんだか毎週やたらと面白い!
あの「ダサおもしろい」路線でTOKIOはじつはかなり成功していることを実感してます。って、いまさらかよって、感じですが、何気にトークも面白いし。リーダー以外は。
しかも、リーダーのノリ切れてない顔がまた笑えるし、もう、何をやっててもなぜか笑えるという、じつに稀有なグループな気がしてきました。アイドルグループで「ダサ面白い」って路線、誰がスタートなんだろう? すごいニッチな見せ方なようでナイスです。
というわけで、最近は『不毛地帯』を無難にこなして、『5LDK』のTOKIOを見て失笑するっていう流れが、木曜の夜にできてしまいました。
でも毎週、『5LDK』ではなく、『不毛地帯』の方にがんばってもらいたい、と期待をしているところです。
こないだたまたま書店で見かけて買った
を昨日読み終えて、まだ興奮冷めやらぬ気持ちです。
「(xのn乗)+(yのn乗)=(zのn乗)
を満たす自然数の組(x、y、z)は、nが2より大きい場合には存在しない。」
という、とてもシンプルな「フェルマーの最終定理」については、確か中学時代からその存在を聞いていました。しかも、天才フェルマーは、この定理とともに、
「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」
と書き残したまま死んでしまい、そのまま300年以上も誰もこれを証明できずにいたことも。フェルマーとは17世紀の人なのです。その話を聞いたときから、フェルマーの最終定理というのは、ぼくの中で、ずっと特別な響きを持っていました。
でも、たぶん15年くらいは完全に頭の中から消え去っていました。
それがこないだ中学生にこのことについて質問されたことをきっかけに記憶が復活。で、そのすぐあとに偶然そのままのタイトルの本を見かけたので買ってみたら、これはもうほんとに大当たりでした。
――300年以上も誰も解けなかったこの問題を、1993年ついにある男が解いたという。その噂は数学界を沸きかえらせ、その解法を発表する講演では、誰もが歴史的瞬間に興奮し、世界中のメディアが、それを報じた。ついにフェルマーの謎に終止符が打たれたのだ、と。
そう誰もが思った。しかし――
ってなところから始まります。
この「数学界最大の超難問」を巡って、これだけ興味深い人間ドラマが繰り広げられたことを知り、ほんとに身震いしながら読みました。
この1問の中にそんなにもの人間の智恵と歴史と思いが込められてきたのか、数学ってこんなに歴史とロマンとドラマを含んでいたのか、と、なんだか分からないけれど、数字とか数学の奥深さの前にひれ伏したくなりました。
また、作者の文章力や構成力もすごく、ノンフィクションの作品としても超極上で、相当面白く読めます。訳もとても完成度が高い気がします。2500年前に「ピタゴラスの定理」が出来たとき、神に感謝のしるしとして100頭の牛がいけにえに供されたとか、19世紀フランスの20歳の天才が決闘で死ぬ前日に書き残した理論とか、23人集まれば同じ誕生日の人がいる確率は50%以上になるなど、いろんな挿話が面白く、しかもそれがすべて、このフェルマーの最終定理へと巧みに集約されていくのがすごいです。
数学が好きな人なら、立ち止まって考えつつ、やめられなくなります。
数学を全然知らない人でもきっと数学の持つ壮大な世界に感激すると思います。
この本で、数学の魅力を再確認しました。
興味ある人は、是非。とってもお勧めです。
といっても、そんなに新しい本ではないので、知ってる人も多いかとは思いますが。。。
モトコの実家で飼っていた犬、はるが一昨日死にました。
ぼくらが去年帰ってきたころも、今年の春も全く元気だったのに、夏ごろからアトピーに苦しみ始めて、それから急激に弱っていきました。息を引き取る3日ほど前から突然歩く事すらできなくなり、食べることも、自ら動くこともほとんどできなくなり、最後はとてもかわいそうな姿になってしまいました。
ぼくはこれまで動物とはほとんど縁がなく、またもともとどちらかといえば犬が好きなキャラではないので、家で犬を飼っていたこともありませんが、動物好きのモトコの影響が強く、旅生活の間でもイルカやらクジラやら、そしてアフリカの動物やら野生動物は随分と身近に感じられるようになりました。先の5年間をいま振り返ってみると、外国で強く印象に残ったことの多くが、動物や自然との遭遇であったことに気付かされ、なにげに自分もちょっとは自然派・動物派に近づいたのかな、と思ったりもしています。
だから、11年ほど前に始めてモトコの実家に行ったときには、元気いっぱいで吠えられまくってビビらされたはるとも、最近はだんだんと、自分なりに距離は近づいた気がしていました。といっても、頻繁に会うようになったのはもちろんこの1年ですし、そんなにぼくは積極的に「はる、はる!」っていう感じではありませんでしたが、それでもモトコの実家にいけば、はるがいる風景っていうのが当たり前になって、はるもぼくを自然と受け入れてくれるようになっていたと感じていました。
それが最近、週に1度ほど会うたびにどんどん痩せ弱っていき、つい最近までたまに散歩に連れて行ったりしていたはずだったのに、あっという間に死に至ってしまったことが、とても切なく、かわいそうに思えました。犬は人間の7倍とかそのくらいの速度で生きているわけだから、そんなもんなのかなと思うものの、やはり人間的感覚で見ているとあまりにも急激で、哀れでした。
犬が家族の一員みたいな感覚は、これまでは全然分かっていなかったけれど、今回、はるの死を比較的近くで見ることによって、初めて実感として感じました。はるがいなくなったいま、ふと思い出して、「ああ、はるはもういないのか」と、寂しく思う気持ちが予想以上に強いことに、いま気付かされています。
そしてまた、時間がどんどん経っていっていることを、こういう機会に強く実感させられてしまいます。日本に帰ってきてからもすでに1年が経ってしまったし......。
全く話はかわりますが、先週金曜13日に大阪コモンカフェで行なった「旅を生活にしよう!」講座は、とても楽しく終えることができました。はじめは参加者が少なそうで、あれれ、と少々心配していたのですが、当日に飛び入りで参加してくださった方もいらして、結果的にはとても盛況なイベントになった気がします。今回は、これまでの中でも特に、強く興味を持ってくださった方が多かった印象で、終わったあともいろんな方と個別にお話ができて、とても楽しい時間を過ごすことができました。ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました!
でも、いつまでもこの旅の話をしていると、いずれは、「何年も前の同じ旅の話ばかりしているオッさん」というイメージをほしいままにしてしまいそうなので、どこかで区切りをつけないといけませんね。
ちなみにちょうど今日は水曜日、「遊牧夫婦」第19回目がアップです。今回からやっと東ティモール編に入っていきます。旅の話は、この中でもっとも密度濃く、していくつもりです。
完全に今回は宣伝・告知ですが、表題の通り、今週の金曜、13日の金曜日に、大阪「コモン・カフェ」にて、
「旅を生活にしよう!」
というタイトルで講座を開きます。
「扇町クリエイティブカレッジ!」(OCC!)の講座です。
基本的に前回7月にここでやらせていただいたのと同じテーマで行ないます。前回参加していただいたみなさんからは比較的うれしいコメントを多数いただきました。が、今回、どうも人の集まり具合がまだまだのようで^^;、ブログでも告知してみたわけです。
近隣の方でご興味がある方がいらしたら是非お越しいただけるとうれしいです!
前回とは概ね似た内容になると思いますが、これまでのセミナーなどの経験・反省をふまえて、さらに磨きをかけた上質のものにできればと考えています。
どうぞよろしくお願い致します!
『旅を生活にしよう!』
11月13日 大阪・コモンカフェ
19:30~21:00
詳しくはこちらをご覧下さい。
昨日から、突然ストンッと冬になってしまったような寒さに見舞われて、震えています。
日本に帰ってきてもう1年が過ぎ、旅中に使っていたシャビーな服しかなかった寂しいワードローブを季節ごとに少しずつ増やしてきましたが、寒くなってきたからやれ秋用のコート、さらに寒くなってきたからもっとあったかいコート、などと言っていると切りがありませんね。しかも、見るとほしいものは増えるばかりだし。。ただ、最近久々に服を買う喜びを思い出して、街に出かける楽しみが一つ増えたような。古着屋めぐりに熱を入れていた高校時代以来な気がします。
ところで、そんな服屋さん話とは一切関係ありませんが、夏ごろにちゃかちゃかと書き進めていた宇宙に関する本が昨日発売になりました。『宇宙の秘密』というタイトルでPHP文庫から出ています。数人で手分けして書いたもので、ぼくが全体の3分の1強、第3章を書きました。
地球の歴史、宇宙論の基礎的な話、量子論、相対論、、超ひも理論、宇宙開発、ワープなど、書くテーマは多岐にわたりました。深い眠りどころか永遠の眠りについてしまったかのようなぼくの理系時代の知識を激しくたたき起こし、学びなおして、書き上げ、その原稿を宇宙開発の専門家にきっちりと見てもらうという作業は、自分にとってなかなかいい刺激になりました。やっぱり宇宙は面白いな、と改めて感じました。すべてがフィクションなんじゃないかと思ってしまうぐらい、日常の世界とは乖離していて、その一つひとつを理解していくと、いまいる地球が全く違う場所のように見えてくるのです。
今回は、前の深海魚本に比べると全然マジメな本ですが、軽く読めるように書いたつもりですので、宇宙に興味のある方もない方も、もし見かけたら手にとっていただけるとうれしいです。この前の深海魚の続編たる巨大生物の本も、来月発売になる予定です。
完全に宣伝となり恐縮ですが。