前回からもう2週間。あっというまの2010です。
病院にいってから、鼻づまりも結膜炎もあっという間に解決しました。
結膜炎は、もらった目薬の効果が抜群。赤ちゃんはやはり回復力が早いのでしょう。
しかし、かわいいというか面白いのは、目薬を入れるとき。
無理やり眼をあけて入れるとうまくいかないので、たいていは、おとなしく上向いているときに、上からぽたりと一滴たらしています。機嫌がいいときは、ちょっと、「うお!」って顔するぐらいで終わるのですが、そうでないときは、大パニックに。
空中から突然液体が降ってきて眼に入る、というのは理由がよくわからないとやはりびっくりなものなのかもしれませんが、そよは、たまに、目薬で一滴で、溺れそうになります。
一滴、ぽたり――。
すると
ハッ!と息が止まりそうになり、手足を激しくバタバタさせて、
「うぱぱぱ、うぷぷぷ、うげうげうげ、うぎゃぎゃ~!!」
と激しく号泣・・・。
この世の終わりかというぐらいの泣き声になるときもあり、
そんなときは、本当に溺れてしまいそうでかわいそうになります。
が、その様子がなんともかわいかったりして・・・。
なんて見事に親ばか丸出しですが。
さて、そんなそよも、だんだんと活発に動くようになり、また、人の区別もだいぶついてきたような。
しかし、ぼくにとって寂しいのは、お母さん好き度が急激にアップするとともに、父親の地位が急激にダウンしているような点。
最近、夜モトコが風呂に入っているときに、ぼくがあやしていると、もう何をやっても号泣が止まらないケースが頻繁になってきました。そして、あがってきたモトコの腕の中にいくと、ぴたりと泣き止み、まるで悪魔の手から逃れたような安心しきった顔になっていたりします。
「ふー、あぶなかったぜ」とでも言いたげな。
これまでは、そよにとって全人類は、
「お母さんが1番、お父さんが2番&その他いっぱい」
かと思っていたのに、どうもここ2週間ぐらいの様子をみると、じつは、
「お母さんとその他いっぱい」、もしくは「お母さんと愉快な仲間たち」
という構図なのではないかという疑いが濃厚に・・・。
そして、それはなくなく認めても、さすがに自分は「その他キャラ No.1」、もしくは「愉快な仲間 No.1」という座に君臨しているかと思っていたものの、案外、「愉快な仲間」はあくまでも「愉快な仲間」、全部一緒だよ~ん、みたいな構図である可能性も否めないのでは、、などという気がしてます。
一応少しぼくのことが分かっていたとしても、「なんだかよく近づいてくる怪しげなヒゲのおじさん」みたいな感じなのかもな、なんて。
まあ、そんなもんだよな、と思いつつも、いろいろ感じる父親心です。
(やっと首も据わりつつあり、前進する日も近いかな。まだきっと、かたつむりよりも遅いけど。)
ところで、話は変わって、京都の高校受験シーズンはもう終盤戦。ぼくも塾では中3を30人弱ぐらい受け持っていたので、最近、ちょっとそわそわするような日々を過ごしていました。
多くの子が第一志望である京都の公立高校には、ぼくも受験日の朝、教え子たちの顔を見に学校の校門前まで行きました。そこは京都ではおそらく一番人気のある高校で、行くと塾の先生方がいっぱいで、その受験っぽい風景に懐かしくなったり、驚いたり。小雨が降る中、その中に紛れて、教え子たちを見つけては「がんばれよ!」なんて言ってる自分がなかなか新鮮だったりしましたが、さすがに1年教えると「がんばってくれ!受かってほしい!」って気持ちがぼくも強くなっていました。
発表もすでにあり、結果を見たら予想以上の高い合格率で、喜ぶ生徒の顔を見てぼくもうれしくなりました。
が、その一方、一生懸命がんばっていたのに落ちてしまった子もやはりいて、それはすごくかわいそうでした。ま、受験ってそういうもん、っていうところはあるのだけれど。
よく質問に来てくれる子が落ちてしまって、落ち込む彼女の横であまり力にもなれずにいたら、ぼくも現役時代に自分が大学に落ちて浪人が決まったときのことを思い出しました。
国立の前期の発表を見に行ったときのこと。
緊張していたのでしょう、とっても大きな合格者発表の掲示板のどこを見ればいいのかよく分からず、あまりひと気のないところでとりあえず数字を追うと、自分の番号がありました。「おお!あった!」と気持ちが一瞬で軽くなりました。
しかし、掲示板の逆の端の方では歓声が上がり、胴上げなどが行なわれているのに、なんかこっちは盛り上がりにかけていることにすぐに気付き、あれ、なんか変だな・・・と思っていると、ぼくは自分が大きな間違いをおかしていることにハッと気付いたのでした。
ここは後期受験者の発表場所だったのです。つまり、ここに番号があるということは、「あなたは前期は不合格、でも後期の受験資格はありますよ、さあ、切り替えて後期がんばれよ」ということ。そのことに気が付き、一気に天国から地獄に落ちたような気分になりました。
そして、もう明らかに前期は落ちていることを知ってしまったのに、とにかく走って前期合格者の名前のところへ、人をかき分けながら確認にいったときの、苦しく無念な気持ちはいまでもはっきりと思い出せます。
あのときは、本当に目の前が真っ暗になったし、しばらくはかなり精神的にもきつかったけれど、、でも、あとから思えば浪人時代は楽しかったし、落ちたこと自体もいい経験だったなって思います。
ああやってガツンと落とされ、負けを経験したことは、本当に自分を成長させてくれた、っていうことはいまでは強く感じてます。
・・・・・・なんてことを、その子にもちょっと伝えられればと思ったけれど、でも、落ちてからしばらくは、そんなことはおそらくなぐさめにもならないし、たわごとにしか聞こえない、ということも自分の経験として感じています。なので、しばらくは存分に悲しむしかないし、時間がたつのを待つしかないんですよね。
で、しばらくしてから、自分でふと振り返って、「ああ、あのときの経験、あんがいよかったかもな」って思えるときが来れば、そのときに初めて、その人は心からそう思えるはずなんだろうなって思ったりしてます。
いま、悔しく悲しい思いをしてる子たちが、そう思えるときがくればいいな、って思ってます。
でも、受験はまだ続いています。
残念ながら第一志望に落ちてしまった子も、まだ次の試験が待ってます。
一番しんどいときだけど、なんとか気力を持ち直して、がんばってほしいです。
・・・もしこれを見ていたら。
あと少し! がんばれ!!
いま、そよが寝息を立てている隣で、仕事をしたり、ブログを書いたりしています。
ここ一週間ほど、そよの右目の目やにがひどくて、しかも2日ほど前から、鼻づまりもひどくなりました。そして昨日の夜は、夜中にフガフガいって苦しそうで、何時間も寝れないようだったため、心配になり、今日は祝日だったので休日診療所とかいうところへそよを連れて行きました。
いちおう、鼻づまりは風邪の一種だろうとかで、目は結膜炎とのこと。両方とも薬をもらって、まあ、よくある症状的な感じで終わったのでほっとしたのですが、やっぱり今日も夜は若干フガフガいったりして...。
で、いつも夜中に授乳があるモトコは、昨日はそよの鼻づまりで全然眠れてないので、いまはぼくがそよの隣で番をしながら仕事をして、モトコが隣の部屋で寝ているという状態。赤ちゃんは、鼻が詰まっただけでうげーっとすごく苦しそうになり、しかも自分では何にもできないので、見ていると哀れになったりします。全く人間の、はじめの時期の何も出来なさというのは、おどろくべきものがあります。
でもいまは、いい感じに寝ていますzzz たまに急に眼を開けて、突然大きく万歳をして、「フガフガッ!」とかいってますが、またすぐに眠ってます。。
(スイス在住の友だちにもらった抱っこひも。これにいれると、すぐにスヤスヤ・・・)
さて、久々に子育てネタから離れますが、やっと春に出る本のメドが立ち、ここで報告できる状態になりました。
もともと1冊の予定だったのですが、2冊出ることになりました。
最初から予定していたのは、「岩波ジュニア新書」(岩波書店)から、若者向けの旅・生き方の本で、これは最近になってやっとタイトルが決定しました。
『旅に出よう ―世界にはいろんな生き方があふれてる―』
という、このシリーズらしい非常にストレートなものになりました。ぼくらが旅の中でいろんな人に出会っていく過程と、出会ったいろんな人生を描きました。特に中高生などが、これを読んで、ああ、生き方ってほんといろいろあるんだなあ、自分も自由に考えてみよう、とか思ってもらえるきっかけになればと思っています。
4月20日に発売の予定で、原稿はすでに出来上がり、いまは入稿作業中です。まだ何度か修正作業が残っているものの、自分的にはもう完成間近な気分で、とても楽しみです。これが事実上、自分の初めての著作になるので、やはりうれしいものです。是非、読んでいただければうれしいです!
そしてもうひとつは、昨年7月よりミシマ社のサイトで連載中の『遊牧夫婦』の第一巻です。もともとの予定では、単行本化はもっと先かなと思っていたのですが、おかげさまでたくさんの人に読んでいただけているようで、はやばやと単行本化を決断していただくことができました。
同じく今春出版に向けていま最後の作業に取り組んでいるところです。ぼくらの5年半の旅の最初の1年分だけで一冊になる予定で、このままだと完結まではかなりの長編になりそうなのですが、これは、それだけ思いいれの深い作品になることは確かで、なんとか多くの人に読んでいただけるものになるようにと、気合を入れて取り組んでいます。こちらも是非是非、よろしくお願いいたします!
ともに、去年の春に企画したものなので、出版まで丸1年かかったことになります。本を完成させるのはほんとに時間がかかるし、雑誌の記事を書くのとはまた違う大変さがあることを実感しています。でも、両方やってみて、自分は本の方があっているのかな、という気もして、今後の自分のやりたいことがぐっとクリアに見えてきたように感じています。今回はじめて、ひとつの作品が形になる大きな喜びを感じながら、最後の作業に取り組むことができています。
近くなったらまた報告させていただきますが、
どうぞよろしくお願い致します!
(以下は12日に書いたものです)
ちなみに、そよは今日再度別の病院に連れて行きました。
大したことではなさそうで、安心しました~。「鼻づまりと目やにだけで、なに夫婦そろってきてるんですか」、とはいわれなかったけれど、でも、医者としてはそういう気分だったりな、なんて思いました。