August 6, 2012

学生のレポートを読んで<Kyoto, Japan>

大谷大学の前期の講義15回を無事に終え、ここ数日、レポートのチェックにずっと追われていました。一人1500字程度で、提出してくれたのが260人ほどいたので、全部で本2,3冊分の分量になり、圧倒されましたが、とにかく全部読み、今日成績付けが無事終わりました。

いろいろなレポートがあったものの、自分のメッセージをまっすぐに受け止めてくれて、何か行動しようとしてくれているようなものも少なからずあり、そういうレポートにはぼくの方が、かえって感動してしまいました。そして、そういうのを読むと、ああ、この講義をやってよかったな、とうれしくなりました。

こんなレポートもありました。

講義をいつも熱心に聞いてくれていたカップルがいました。ぼくのちょっとしたつまらないギャグにも反応してくれて大変ありがたい存在で、毎回少し話をするうちに、親しい存在になっていきました。その彼氏の方が、ぼくの講義を受けて、休学を決め、1年間旅に出ることにした、と授業の最後の方で教えてくれました。

その決断に、彼女の方はやはりびっくりしていたようでした。

彼がいない大学生活はつまらなくなるだろうし、卒業も一緒にできなくなる。旅を経て彼がどう変わるのかもわからない。でも、彼の決断は勇気のいることだし、すごいことだと思うから、応援したい。彼にどんな変化があっても受け入れて、今後もともに歩んでいきたいと思ってる。自分もいつか絶対に旅に出たいと思うようになったし、いまは彼を応援して、私は私で日本でがんばって、彼に負けないぐらい経験を積みたい。そしていつか、二人で世界を旅しながら暮らしてみたい。

・・・と、レポートにそんな熱いことを書いてくれてました。

また、彼女はこんなようなことも書いていました。

「自分はいままで世界を旅するなんて一切考えたことはなかったけれど、講義を聞くうちに旅をしたいと思うようになった自分の変化を振り返ると、じつは、心のどこかではずっと旅をしたいと思っていたのではないか、ということに気が付いた。というよりも、人は本来、旅をせずにはいられないのではないだろうか。きっかけがあれば、誰もが旅に出ようとするのではないか」

と。その言葉を読んで、ほんとにうれしくなりました。
うん、きっとそうなんですよね。旅ってほんとに、そういうものだよなあ、と改めて気づかされました。

いまの若い人は旅をしないと言われるけれど、レポートを読みながら、上の学生も書いてくれてるように、きっときっかけがないだけなんだろうなって感じました。異なる世界への興味って、時代などによらず、多かれ少なかれ本能的なものだろうと思います。ちょっと誰かに背中を押されれば、きっと旅に出る若い人は多いのではないかと。だからこそ、多くの学生が、この講義にいろんなことを感じてくれたんだろうなと思います。

行動したい、って書いてくれた学生の言葉を見ると、いろんな意味で責任も感じる一方、行動しようと決めてくれた学生たちを、心より応援したいです。

Posted by ykon at August 6, 2012 9:49 PM | パーマリンク | コメント (2) | トラックバック (0)