(本文とは全然関係ありませんが、最近うちの鍋で、中から断末魔の叫びが……。最後に答え!)
先週末、上海で「北九州フェア」がありました。上海にいる日本人に北九州に興味を持ってもらおうというイベントで、ぼくの北九州取材の仕事も、これを目指してのものでした。フェアは、上海のあるホテルで行われ、2000人ほどが集まる大盛況ぶり。ここ2ヶ月ほど自分もかかわってきた仕事だったので、ぼくとしてもなかなかうれしいものがありました。とはいえ、これからどれだけ実際に北九州まで足を運んでくれる人がいるかどうか、というところがもっとも重要なのですが。
自分としては、久々にこのようにチームを組んで仕事をすることができたのが新鮮でよかったです。いつも一人でやっていると、自由でいい反面、やはり寂しいこともあるので(笑)、他の人と定期的に集まって、あれこれ考えながら仕事を進めるという楽しさを久々に実感したというか。雑誌などの編集部にいくと、いつも、職場があって同僚がいるっていいなあ、って思ったりしてしまいます。ま、所属したらしたで、自由にやれる立場がうらやましくなるとも思うので、結局ないものねだりなのですが。
さて、この北九州関係の仕事をしていたときは、たまたまいくつもの仕事が重なり、しかも、吉林省やオーストラリアに行ったりしていたために、なかなか忙しかったのですが、そのほとんどが一度に終わりました。そして、いまは少し余裕の日々。でも、実際にはこの余裕の日々っていうのが、精神的にはなかなか辛い。次の仕事はどうしよう、次のルポのテーマはどうしようか、ということを考える日々で、思いつかないと焦ってしまうし、数ヵ月後の収入計画にも響いてきます。好きでフリーをやってるわけですが、これがずっと続くと思うと、急に弱気になってしまうこともあります。
で、風邪を引いて寝込んだりしながら、明確になったテーマは、まずは中国に来て(特に上海に来てから)もっとも気になるテーマであり続けた中国の格差社会に具体的に表現できるものと、スポーツもの。
後者は、何度かここで書いた総合格闘家の話。彼の話を書くにあたって、彼の取材をしつつ、いまはテレビでもスポーツを頻繁に見て、スポーツノンフィクションを読んだりもしてます。が、やはり自分にはスポーツを書くだけの下地がなさそうだ、というのも実感してしまったり。。。
前者の格差についての話は、テーマが非常に大きいのですが、具体的な切り口をつけて何か書いてみたいと考えています。やはり中国の特徴として何が挙げられるかといえば、途方もない格差、という気がします。貧困の世界なら、それはもっと他にいくらでもあると思うのですが、同じ場所、同じ街に、これだけ収入や金銭感覚の異なる人びとが一緒にすんでるという意味では、中国(上海?)は世界的にも珍しいところなのではないかと。
中国全土で見れば、農民の平均「年」収は4~5万円。上海の大学新卒の平均「月」収が3~4万円。またその一方で中国の億万長者の数は、アメリカともそう変わらないのだとか。昆明では、一杯150円のコーヒーをカフェで頼むと、それを持ってくる女の子の一日の収入がそのコーヒーと同じだったりして、彼らはどんな気持ちでそのコーヒーとケーキをテーブルまで運んでくるのだろう、と思ったりもしました。
また、これは中国の格差という話ではありませんが、弁護士をやっている友人に日本であって、彼の年収がウン千万円と聞いたとき、ふと思ったのは、「彼の1年の収入は、中国の農民の1000年分に当たることになるのか、、、」ということ。単純に考えると、ま、大体そういうことになります。すると、彼が一年働いて得る収入を得るために、中国の平均的な農民の一家は、平安時代から今までずっと働き続けなければならないことになる……。もちろん、物価やら職種など、細かいことはすべて抜きの話ですが、諸条件が違うにしても、そこまで人の労働の経済的な価値が異なるということに改めて驚かされたわけです。自分も上海で仕事をしていると、こんなふらふら系であったとしても、やはりリッチな側に入ってきます。ほとんど日本人というだけで。そのことにもやはりいろいろと考えさせられてしまいます。
そんなことを考えているうちに、やはりこの格差の問題についてそこそこ長さのあるものを何か書きたいと思うようになり、上海にいる間になんとかしたいと思っているわけです。
ちなみに、宣伝ですが、いま、おそらく全国の証券会社などにおいてあるはずの「ji(ジャパニーズ・インベスター)」という投資雑誌(No.51号)に、中国人の教育投資についての短い記事を書いています。この取材をしながらも、中国国内の格差の凄まじさに驚かされました。機会があれば見てみてください。
と、ながながと真面目な話になってしまいました。
(最近、家庭教師をさせてもらっているご家族に上海蟹を4匹もらって、家で調理してみました。生きたまま袋から出して、生姜やお酒とともに鍋に入れ、火をつける……。すると、鍋の中から激しいノックがしばらく聞こえ、それに複雑な気持ちで居留守を使うと、ノックは止んで真っ赤な姿に。。。なかなか残酷ですが、なかなかの美味。ちなみに、それからさらに一週間後、残りの二匹を食べようとすると、おやおや、共食い寸前の状態。それを必死にやめさせて、メスを助けたつもりになりながら、15分後に自分たちが食べている、というのも、またなかなか複雑な気分でした)
上海の野生動物園でそんなものが行われていたとは……。今日、ニュースサイトで知り、その意外な写真を見てびっくり(でも、正直その写真に笑ってしまいました)。なんと、カンガルーと人がボクシングをしてるんです。中国全土から300頭の動物が集められ、開催されているとのこと。種目はたとえば、
・カンガルーvs人のボクシング
・クマのボクシング、自転車競走、徒競走……
・サルの自転車競走……
・馬の戦い
と、写真を見る限りあらゆる種目がやってるようです。2年おきに開催され、今年が第4回目となのですが、これが世界中から大顰蹙を買っていて、非難の嵐だったとのこと。今日のShanghai Dailyに載っていたニュースは、あまりに顰蹙だったため、今月末までやってるはずだったものを、予定を切り上げて中止したとのことでした。
で、すごいのは、イギリスのあるメディアの報道。Daily Mailっていう一般紙(かな?)には、「残酷!」というような見出しが連発で、大非難をしているものの、特集のような大きな記事になってました。
ここ(Daily Mail 4th Oct)
そして、「カンガルーボクシングの写真ギャラリー」があったり、「動物オリンピック・最新写真」といったリンクがあったりして(上のページからすべて見ることができます。ボクシング写真の一つはこれ)、それを見ていると、非難しているのか、ハイライトしているのか分からなくなってしまいました。
確かに人間がカンガルーに「強烈ストレート!」というのは、ひどい気がしましたが(でも本気だしたらカンガルー、かなり強いだろうに…)、動物が自転車に乗っているのとかは、サーカスっていう感じで、西洋でも同じようなことがやられているのでは、、、と思ったり。
こっちの動物市場などにいくと、中国の動物の扱いというのは確かにひどいというのが分かります。特に動物好きではないぼくが見ても、うーーん、かわいそう、思わされます。でも一方で欧米社会の動物愛護観っていうのも、なんか偏ったような、不自然なものを感じます。結局生き物は他の生き物を殺して食べないと生きていけないっていう根本的なところにフタをして、キレイ事だけを並べているっていうような。。。(ってそれは、動物オリンピックとはまた別の話ですが)
でも、なんか中国と欧米社会の象徴的な出来事って感じで、興味深いです。どうでしょう。。。
http://blog.at-globe.com/index.php?itemid=86234
動物オリンピックについて書かれた日本語のブログ。参考まで。
(泊まっていたマンリービーチの朝)
昨日の夜、無事に上海に戻りました。
10時間ほどの飛行機が前以上にきつく感じるのは、歳をとったせいなのか、飛行機に乗ることにエキサイティングさを感じなくなってしまったからなのか、、、と考えてしまう帰りのフライトでした。で、着いたら、あまりの疲労に、空港からタクシーで帰ったのですが、遠回りをされ、降りるときには、いくら払うかで言い争いになり、おおもめ。いきなり、中国に戻ってきたな~って実感させられました(笑)。
オーストラリアの人のフレンドリーさに今回今まで以上に感激してしまったのは、中国とのギャップのせいだろうなって思います。やはり、人とすれ違うたびにお互い笑顔をかわし、店員がみな笑って応対してくれる世界はホントに気持ちがいいなって感じました。国の違いによって感覚や習慣がここまで違うのか、ということを改めて驚かされました。しかしその一方で、整然としたシドニーの町を歩きながら、混沌とした中国社会が懐かしく思えることもあって、自分は中国に対して、言葉では表せない感覚的な親近感を覚えていることも実感しました。
(街全体がこんなイメージでした)
以前オーストラリアに長く住む知り合いが
「外国で暮らしはじめると、まずその国がとてもすばらしく思え、日本の悪いところばかりが目に付くようになるけど、しばらくすると、今度はその国の悪いところが気になりだし、日本がとてもいいところのように思えてくる」
といっていましたが、それにはまさに同感です。その二つの段階を越えて初めて、日本と他国を対等に比べられるようになるのかな、とも思いますが、そこはまだ未知の領域です。。。。オーストラリアは今回行ってみて、本気で移住してもいいかな、と思うぐらいの快適さを感じましたが、たった一週間ほどの滞在で、オーストラリアのいいところばかりを思い出したためというのも否めないだろうなと思ってます。
ま、そんなことは別として、いずれにしても、今回はとにかく楽しい休暇という日々でした。
(海も空も極上の青)
(シドニーの中心部。ここに初めて来たのは97年3月(すでに9年半前、まだ20歳のとき)!それがちょうどキャンベラで素子と知り合ったとき。それから遠距離恋愛が始まったものの途中振られかけ、説得しに9月にキャンベラまでいって、しかし×で、追い返されるように日本に戻り、でもくじけず、なんとその10日後にまた全バイト代をはたいてキャンベラへ。。。という、半ばストーカー気味な東京--キャンベラ往復の日々の間、常に通ったのがこのシドニー。外国でもっとも思い出深い街の一つです)
(夕日に染まるオペラハウス。97年に初めて見たときに比べて随分と黄ばんだような印象をうけました。実際はどうなのだろう。。。)
ちえちゃん、なおきくん、どうもありがとう!お疲れ様!
オーストラリアも早いもので残りあと2日になってしまいました。
chieちゃん夫妻の結婚式も無事に終わり、久しぶりに会ったボランティア仲間とも楽しい時間を過ごしています。
(披露宴の会場のビーチハウスで。新婦のchieちゃんは元イルカトレーナーでバンバリーでのイルカボランティア仲間。新郎はジャパニーズオーストラリアン)
そして結婚式の次の日、日本から結婚式に参加していた人たちのために、新郎新婦が動物園とシドニー近郊へのツアーを準備していてくれました!動物園がこれが何気に楽しくて、みんなではしゃいでしまいました。
(へびを首に巻いて喜ぶ雄生)
(カンガルーをさわって喜ぶ素子)
(そしてお約束のコアラ)
このあと、シドニー近郊のブルーマウンテンを観光して、その近くにあるchieちゃん夫妻の新居にお邪魔しました。
今日は海でビーチバレーをして、まだ寒いにもかかわらずちょっと泳いでのんびりな一日。明日もビーチ周辺でのんびりする予定です。
オーストラリアに来てここの綺麗な環境とのんびりした雰囲気とフレンドリーな人びとに接して、やっぱりオーストラリアはいいなぁと実感しました。お店の店員がほんとーーーーーにみんなフレンドリーでびっくり&気持ちいい。習慣の全く異なる中国から来たせいかな?
(真ん中二人が今回の主役のChieちゃん夫婦。海の青が本当にきれいなグラデーションをなしていて感激!こんな海を見るのはいつぶりだろう。。。それを背景に新鮮なFish&Chipsを。オーストラリア的幸せな構図)
昨日無事にシドニーに着きました!
シドニーの空港に降り立ってみて、実はここが3年半前、2003年6月23日(24日だったかな?)のこの旅のスタート地点であることに気づき、ちょっと感激しました。いやあ、ほんとにあれから3年半も経ってしまったんだな、と。。。
空港まで今回の主役の夫婦とその友人が迎えにきてくれてて、彼らの車で今回の結婚式をやるManly Beachまで連れて行ってもらいました。で、その付近の宿にボランティアの友人たちと一緒に泊まっています。
Manly Beachはシドニーの中でもきれいなビーチとして有名なところですが、久々にみる極上の青い海にはマジで感動!!そして、その海辺でFish&Chipsを食べたら、オーストラリアムード満点!いやあ、やっぱりオーストラリアは気持ちいいです。すべてが広いし。。。混雑極める上海から来たから、なおさらそう思うのかもしれません。
今日午後から結婚式です。
(Fish&Chips。オーストラリアでの一番の楽しみの一つでした。。。)
前に書いたとおり、明日から友達(よくこのブログへコメントをくれるChieちゃん)の結婚式に出るため、一週間ほどオーストラリアに行ってきます。2004年5月にオーストラリア北端のダーウィンから東ティモールへと飛んでからすでに2年半!!それ以来のオーストラリア訪問。オーストラリアはああだこうだでやはりぼくらにとってもっとも縁深い国で一つなので、とても楽しみです。Chieちゃんは03年~04年バンバリー・イルカボランティア時代のボランティア仲間。そのため、ボランティアで一緒だった人たちが結構集まるし、とても懐かしい世界がまた身近に戻ってくるのでうれしい~!久々の英語圏っていうのも、またちょっと緊張だったり、懐かしかったり。
ところで、おとといからは、素子の両親が上海に来てくれています。上海蟹を食べ、今日は上海雑技団を見て、充実した日々。明日一緒に空港へ行って、関空へ飛ぶ二人を見送ってから、ぼくらはシドニーへ。
最近は、旅行が多くて楽しいですが、このオーストラリアが終わればしばらくなしの予定。これからは腰をすえてお金を貯めないと!と思っています。
またシドニーからアップできそうであれば、アップします。
(上海蟹♂。上海蟹のメインはミソで、確かにとても濃厚で珍味の貫禄抜群。ただ、基本的に小ぶりで身の部分はあまり食べるところがないため、労力の割りに得るものが少ない、という意見に賛成せざるを得ません。下の写真から想像できるかも。。。)
(北九州市・門司港の夜景)
9月末からずっと取り組んでいた北九州関係の仕事の終わりがいよいよ見えてきました。途中に吉林・北朝鮮をはさんでいたので、随分前のことのようですが、10月中はずっと、頭の中は北九州のことでいっぱいでした。。。九州はこないだがほとんど初めてだったのに、にわかに北九州だけには詳しくなってしまいました。とても住み心地の良さそうなところで、原稿書いているうちにさらに親しみが湧いてきてます。
(これは上海在住の方へのお知らせですが、とりあえずこの仕事は、北九州に関する見開きの巨大な広告としてジャピオンの先週号(10月27日発行)から四週連続で掲載されます。その中のエッセイその他、文章全てと写真の一部を担当してます。機会があったら見てください。そして是非、北九州へ行ってみてください!9月末に一週間滞在しましたが、宣伝抜きでいいところでした~。東京に帰るのにも、北九州経由だと安いんです)
そんなこんなで最近は、北九州のことを書いて、ネットして、NHK見て、日本人と一緒に仕事して、日本人の家庭教師に行って……、もはや海外にいるとは思えない生活になってます。北朝鮮の話もだんだん遠くに薄らいでいってしまってたり。。。でも来週からは素子の両親が上海に来て、その直後には友人の結婚式のためにシドニーへ行きます。短い滞在ですが、久々のオーストラリアにとても盛り上がってます。
(前にブログで紹介した日本人の総合格闘家。これは彼がブラジリアン柔術を教えるジムでの練習風景。彼が12月に北京で、こちらのテレビでも放映予定の比較的大きな試合(打撃ありの総合格闘技)に出るとのことで、それまでの日々を追っていこうと思っています。久々にアツい取材でワクワクします。で、最近よくYouTubeで魔沙斗やキッドの試合を見たりしていて、ちょっと格闘技にはまりそう)