October 31, 2007

こんなところにも無線ランが!間もなくアリへ出発<Linggongli(零公里, リンゴンリー), China>

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(いま泊まっている零公里から6キロほどの町・叶城(イエチョン)の裏道のパン屋の青年)

一昨日ホータンを出て、チベットの聖地カイラスへ向っています。とはいえ、まだハードな部分は始まってなく、その手前で2泊しています。いまいるのは、チベット方面への道が本格的に始まる曲がり角の零公里(リンゴンリー)というところ。町というより、ちょうどここがその道(新蔵公路、新疆と西蔵(チベット)を結ぶという意味)の基点となるため「0km」地点、つまり「零公里」という名がついています。なので、ただ単に通り沿いに食堂、宿、商店がちょろちょろと並んでいるのみ。

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(ウイグル料理の定番の一つ抓飯(zhuafan,ジュアファン)。ピーマンやニンジンの入ったピラフっぽい混ぜご飯。この上に肉を載せて150円ほど)

一昨日の午後ホータンを出て、250キロほどの道のりを4時間ほどかけて零公里へ。着いて次の目的地・アリへのバスはあるかを聞くと、間もなく、8時に出発するよ!といわれたので乗ろうかなと思ったのですが、二人ともちょっと風邪気味で、このまま行くのはためらわれたため、ここで体調を整えてから行くことにしました。バスは2日に一度しかないと言われたのですが、体調が万全でないまま30時間のハードなバス旅を経て標高4200mまで上るのはちょっと厳しいかなと思って。ちなみに零公里は標高1400mほどなので、ここにいるだけでもちょっとは高地適応になるかな、、、と勝手に気休めしたりして。

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(叶城の墓場。砂漠のような細かい砂の上に様々な形の棺があった。ただ土を固めたようなものから揺りかごのようなものまで)

さてではと、目の前にあった一見招待所に毛が生えた程度の宿に入ってみると、ここが何気に部屋も価格もそこそこ悪くなく(モトコジャッジも難なくクリア!)、しかも部屋には無線ランが!ホータンを出たらしばらくネットは無理かなと思って、ホータンを出る前に締め切りを繰り上げて必死に原稿を書き終えたりしていたのですが、それがいきなり次の夜は道端の宿で快適無線ランとは。。。(しかも、結構速い)

中国のネット事情、恐るべきです。そのおかげで、ほとんどすることのないこの場所でも、暇をもてあませずに過ごせています。ノートパソコンは1台あると、メールやネット、書き物だけでなく、映画もドラマも見れるし、音楽も聴けるし、本も読めるし(最近の電子書籍はなかなかの充実ぶり)、電話代わりにもなるし、写真の保存にも便利だしと、最近はほんとに使い道が広くなったなあと感じます。荷物にはなるけれど、期間が長くなる場合はその価値もあるなと最近思いなおしてます。本をたくさん持っていくのもそれだけで重いし。

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(叶城の裏道でお邪魔したおじいさんの家。おじいさんはかなり中国語が話せたので久々にいろいろと話を聞けた。すでに働いてないけれど、政府がよくしてくれると、しきりにいっていた。でも月にもらえる政府からの給付金は148元(2300円ほど)。予想以上に少なくてびっくりだったけれど、足りない分は子どもがくれるから大丈夫、とのこと。彼はここで一人で住んでいるけれど、不自由はなく幸せそうな印象を受けた。彼は写真には映りたがらず。)

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(アリまで1100キロ。途中高度5200mを越えるとか。このあたりは国境未確定地域があり、途中その辺も通ります。インドも中国もともに領有権を主張しているところに、中国は知らぬ間に道を作ってしまい事実上中国領土になってしまっているとか。この地図ではその辺がインド領になっています)

さて、アリへの二晩、1100キロの旅に向けて、二人とも寒さ対策は一応万全、のつもり。ダウンの上にもう一枚コートを着て、ズボンの下は股引を2枚、靴下も分厚いのを2枚は重ねられる態勢。手袋も2枚。

今日の夜バスで、と思っていたのですが、さきほど宿の主人が現れて、「1時間後に出発するトヨタ(のランクル、多分)があるけど、乗るか?」と。値段も大幅に安く(バスだと一人600~700元のところを400元)、しかも時間的にもかなり節約になるので(快適さも増すかな?)、それで行こうと考えています。ラッキーでした、多分。

では、またアリについてブログアップできそうであればアップします。

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(これも叶城の裏道で。写真を拒否されることも多いけど、とても喜んでくれる人も多い)

Posted by ykon at October 31, 2007 12:45 PM | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)

October 28, 2007

明日ホータン出発<Hotan(和田・ホータン) No.2, China>

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(ホータン郊外の遺跡へ行く途中の村の通りで。新疆はこのピンと直立した木の並木がとてもきれい)

ホータンも今日で5日目。
いよいよカイラスまでのハードな行程が始まるために、その前にいろいろと用事を済ませておくためもあってホータンには長くとどまっています。その間に、古代の町の遺跡を見て、博物館でミイラ見て。それと今日、日曜日の大バザールを見ようということもあって。

ホータンは、新疆ウイグル自治区の大きな町の中では特にウイグル色が強いと聞いていましたが、確かにバザールの周りの混沌とした雰囲気はもう全く中国ではない感じ(漢族の地域ももちろんそれはそれで混沌としているのですが……)。

埃が激しく舞い上がる路上で、ロバが渋滞を起こし、その隣では子どものワクチンか何かの注射が次々に行われていていました。精神的に病んでいるらしい女性が腰紐をつけられ、叫んだり、笑ったり、暴れたりする彼女を見世物みたいにして引いて回っている男も。。。物乞いの数もぐっと増えたようで、彼らが唱える呪文のような声が、いつまでも耳に残っています。7年前にインドでみた風景を思い出しました。

というなかなかディープなムードに包まれています。ウイグル人はみな穏やかそうな印象で、彼らがわずかに話す独特の発音の中国語も優しい響きで耳に心地よいです。

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(日曜の大バザールはこんな感じ。漢族らしき人の姿はほとんどない)

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(バザールの横の混沌とした通りでのワクチン注射大会。周囲には埃が舞いまくりだけど、注射だけならOKなのかな。。注射の針が刺さったあとに手を震わせながら泣き叫ぶ子どもを見てたら、見ているだけで痛そう。小学校時代を思い出してしまいました(笑))

さて、明日移動する先は、ホータンから西に250キロほどの叶城(イエチョン、Yecheng)。叶城からはいよいよカイラスへ向けてハードな移動が始まります。叶城は標高1400m、そこから次の阿里までバスで30時間、阿里は標高4000m以上。そして阿里の次が目的地のカイラス。高地適応なども含めて10日ぐらいはこのチベット方面に費やしそうです。
とにかく寒さと高山病への対策を抜かりなくして、先に進みます。(大沢さん、阿里からのメールどうも!昨日、今日で手袋や服をさらに買い足しました~。いやー、寒そう!)

地図はまた次回アップします。

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(最近はまってるナッツとキャラメルを絡めたお菓子。路上でどこでも売っていて、500gで300円ほどと結構高めなのだけれど、おいしいのでついつい買ってしまう。でもいろんなゴミまでキャラメルの中に絡まってそう!)

Posted by ykon at October 28, 2007 5:34 PM | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)

October 25, 2007

シルクロード南路・ニヤからホータンへ<Hotan,(和田) China>

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(ニヤでお邪魔したウイグル人の家での集合写真。赤い布を通して光が差し込み、全体の赤い色味がきれいだった)

昨日、予定通り、ニヤ(尼雅または中国名・民豊)からホータンへ移動。このタクラマカン砂漠の南のへりに沿っての道はシルクロード南路で、砂漠に沿って4時間半ほどのバス移動でした(約300キロ)。目当ての宿がいっぱいで(運悪く、大きな会議に時期が重なってしまったため)、荷物を背負っての宿探しをする羽目になったものの、なんとか見つかり、今日はさらによさげで安い宿に移動でき、一息、というところ。最近は、いつも宿の部屋に入るとまずはシーツのにおいを素子がチェック。ぼく的にはOKだろうと思うところも、"モトコジャッジ"ではほとんどが不合格(つまりシーツ換えてない、らしい)で、そのうちにぼくもだんだん気になるようになってきました。今日の宿も、不合格だったものの、新しくフレッシュなのをもらえたので、ハッピーです。

さて、前回のニヤからは完全にウイグル人の世界になりました。ニヤは小さな町で、車はほとんどいないのに道はきれいに舗装されて片道3車線もあり、しかしその横に並ぶ家は土でできた遺跡のような古めかしいものだったりして、そのアンバランスさが不思議なところでした。

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(土の家はこんな感じ)

その家の一軒に入っていくと、外で火をおこして料理をしている世界。中国語を話す人は誰もいないのですが、大勢の女性が、中へ入れ入れと、歓待してくれました。白アンコのジャムとナン、そしてお茶を振舞ってくれ、あとはみなニコニコと笑っています。デジカメの写真をうれしそうに眺めていたので集合写真を撮ろうということになると、みな身なりを正して、パチリ。それが最初の一枚。これとあと、子どもの写真2枚を近くの店でプリントして持っていくとみな大喜びしてくれて、ぼくらもうれしくなりました。ウイグル人、とても好印象です。でも話ができないのが残念。

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(ナンと、細長いパリパリのパンと、白アンコジャムとお茶。ジャムがなかなか絶品)

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(プリントアウトした写真を見て喜んでいる)

チベタン、ムスリム、ウイグル、そして雪山から砂漠まで、ここ二週間ぐらいはほんとに変化に富んでいて飽きません。ただ、移動が続いたので、ホータンではしばしの休憩。初めて古代の国の遺跡にも行ってみようと思ってます。あと、締め切りの近い原稿もすべてここで終わらせようと。。。ホータンの次は、いよいよチベットの横綱、カイラスへ向けての移動開始。標高5600mまで登って、そこでチベタンとともに数日の巡礼コースを回ることになるので、かなりハードそうですでにビビってます。防寒着もここで完全にそろえないと……。地図はまた次回アップします。

Posted by ykon at October 25, 2007 6:16 PM | パーマリンク | コメント (2) | トラックバック (0)

October 23, 2007

まさに図鑑で見た砂漠へ!<Niya(Minfeng, 民豊・ミンフォン), China>


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(タクラマカン砂漠の真ん中にある塔中で)

タクラマカン砂漠を縦断し終え、今は砂漠の南側に隣接するニヤ(中国名:民豊(ミンフォン))にいます。

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(塔河のウイグル人たち)

前回ブログアップした塔河(タリム河=塔里木河のそばだからこの名前のよう)からは、250キロほど南下して、砂漠ど真ん中の塔中(タージョン、「塔」は「タクラマカン」の漢字の頭文字なので「タクラマカンの真ん中」という意味でしょう)へ行きました。塔河からは徐々に砂漠は本格化し、30分もすると教科書で見たような砂漠の世界が始まりました。

通り沿いには防砂のための木々が植えてあるものの、その向こうは全く砂のみの死の世界。途中に「○○○○○、只有荒涼的沙漠、没有荒涼的人生」と大きな文字看板が出ていました。最初の一行はちゃんと見えなかったのですが、後ろ二行「荒涼なのは砂漠だけだ、人生は決して荒涼ではない」から推し量ると最初は「ドラッグには手を出すな」みたいな言葉が入りそうです……って、そんなわけないですが、何が入るにしても、あの砂漠を前にすると、普通以上に説得力があるような。

塔中でぼくらだけバスを降りると、ガソリンスタンドと建物が200メートルほど並ぶのみ。唯一の宿らしい招待所へ行くと、かなりハード系な雰囲気でひと気もなかったので、人に聞いた3キロ先の別の宿へ。こんな砂漠の中にそこそこ快適な宿がありました。

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(塔中の宿から15分ぐらい歩いた砂漠の中。奥にかすかにほそーく見えるのが宿がある道路)

宿の周りはすべて砂漠。何だかよくわからない工事現場を越えて砂漠の中に入っていくと、そこにはまさにイメージ通りの砂漠世界が広がっていました!波打つような大きな砂の山がどこまでも続き、表面には等間隔のしわしわが。そして風が吹くと、サーッとかすかな音を立てて表面の砂の膜が前進する……。これまでこういう図鑑に出てくるような砂漠は見たことがなかったので、なかなか感激でした。

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(表面はこんな感じ。尾根になっている部分は砂が固まっていて歩きやすいものの、斜面を歩くと足がすっぽり埋まってしまう)

ぼくらが走った砂漠縦断道路が南北500キロ以上はあるとすれば、その距離、東京-京都間ぐらい。そして地図で見るとタクラマカン砂漠の横幅は縦の2倍ほどはあるので、実にこの砂の山は地平線のはるか向こう、1000キロは続いているということに。東京-広島間ぐらいでしょうか……。そんな気の遠くなるような領域が砂のみで埋め尽くされているという事実には圧倒されます。

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(こんな世界が1000キロ以上も続いているとは……)

今日、塔中からニヤまではバスが複数あると聞いていたものの、朝10時ごろからガソリンスタンド前で待っても全然現れず。普通の車にも交渉などしながら4時間ほど待った挙句、リッチそうなウイグル人の兄弟が乗せてくれることに。革張りシートの豪華なホンダ車で快適な砂漠ドライブを楽しみました。2時間半ほどで無事にニヤに。

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(今日は半日をこのガソリンスタンドで過ごしてしまいました)

ところで話は変わりますが、塔河の宿でのこと。部屋はきれいに掃除をすればそれなりのクオリティが出せそうなのに、掃除が全然なされていなく、シーツもかなりウェット&体臭あり。そこで、シーツを変えてくれと頼むと、シブシブ交換。掃除もしてくれと頼むと、「好的」と了解してくれました。が、掃除係の女性がトイレでモップを洗う様子と見た素子は絶句。なんと、便器の中に直接モップを入れて流しながらジャボジャボ。そしてそれで床掃除……。ありえない光景。「その水は汚いからやめて」というと、「この水はきれいよ」とホラー映画のようなセリフが……。そして、翌日トイレが詰り、大便やらなんやらが浮き上がってくる様子を見て、ますますその汚さが頭角を現し、素子はその掃除係りを "the FUKETSUest man of 2007"に認定。そして、それを許しているこの宿が"most FUKETSU yado"に。部屋が比較的新しくて掃除次第でかなり快適宿になりそうだっただけに残念。前回書き忘れたので。。

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(ウイグル料理の定番ラグメン。具をかけて食べる。肉、トマト、玉ねぎ、ピーマンなど。洋風っぽい味)

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(前回の写真の釜で焼いたこのナン(パン?)が焼きたてだととてもおいしい。)

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(ハミ瓜もウルムチで食べて以来はまってます。しゃきしゃきしてて、甘みもある。1キロで1~2元)

さて、おそらく明日、ホータン(中国語名:和田(ホーティエン))へ移動の予定。シルクロード的歴史の長い町で、玉で知られます。そこにしばらくいてから、いよいよチベットへ向います。

chinamap7.jpg(肌色の部分がタクラマカン砂漠。文字がこみいって見にくくなってしまってますが……)

Posted by ykon at October 23, 2007 11:04 PM | パーマリンク | コメント (14) | トラックバック (0)

October 21, 2007

タクラマカン砂漠の入り口から<Tahe(塔河), China>

コルラを今日の朝出て、今日はタクラマカン砂漠の入り口の町・塔河(ターハー)に泊まっています。「タクラマカン」というのは、ウイグル語で、「入ったら生きては出てこられない」という意味。日本の国土より広いらしい無限に続くようなそんな荒涼とした砂漠なのですが、砂漠を縦断する道路があります。コルラから3,4時間ほど行ったここ塔河は、町というか、その道路沿いにただガソリンスタンドや食堂や商店や宿が数百メートルほど並んでいるだけの場所(ここでも、ネット屋さんでPC繋げてネットできてしまうのがすごいですが)。

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(コルラの夜の屋台街。コルラはかなり田舎と思ったものの、大きなデパートもある結構な都会。タクラマカン砂漠の油田で儲かって、イケイケだとか)

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(そのコルラを出て10分もすると、もうこんな風景に。これはバスの中から)

塔河の町はもう砂漠の中にあるので、当然のことながら砂だらけ。砂がとても細かいパウダー状で、踏んだ感触はふわっとしていて、足が吸い込まれる感じ。砂漠の砂丘は大きなところでは高さが300メートルほどにもなるというのだから、それがこの付近に起こす砂嵐がいかに恐ろしいものになるかは、少し想像できるような気がします。

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(塔河。この写真よりはもうちょっとひと気があって、店らしい店がたくさん並んでいますが)

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(人はほとんどがウイグル人。中国語はかなり通じなくなってきて、たぶんウイグル人の人たちはぼくらを見て、あ、漢族の旅行者だなと思ってそう)

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(タクラマカン砂漠の中を流れるタリム川。粘土のようになった砂に囲まれて、ほとんど流れも見えないようなしずかーな川。この川の上に95年に橋がかかったとのことで(その上からこの写真を撮っている)、それ以降にこの縦断道路ができたのではと思われます。ちなみに、横に生えてる紅葉している木は、「胡楊」というタクラマカン砂漠特有の木だとか。これがかなり広域にわたって砂漠を黄色く色づけています)

明日は、ここからさらに250キロほど南下して、塔中(tazhong, タージョン)というまさにタクラマカン砂漠のど真ん中に行きます。塔中には油田があり、おそらくそこはただそれだけのために少し人がいるといった場所と想像されます。イメージする砂漠の風景が見られるか、楽しみです。明日は塔中に一泊の予定。塔中が真ん中とすれば、縦断道路は全部で600キロぐらいはあるのかな?

Posted by ykon at October 21, 2007 8:48 PM | パーマリンク | コメント (0) | トラックバック (0)

October 19, 2007

アラビックなウイグル人の世界<Urumqi No.2, China>

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(ムスリムのウイグル人で賑わう裏通り)

ウルムチも今日で5日目。今夜また移動です。

ウルムチは確か170万人ほどの都市。なので結構な大都市。で、このウルムチがある新疆ウイグル自治区の北部は、漢族の方が多いらしく、全般的にはいわゆる中国の大都市的なのですが、ウイグル人の多い地域にいくと空気がガラッと変わり、ぼくらにとってはどこか神秘的な雰囲気に包まれていました。ウイグル人というのは、トルコ系の民族で、このあたりから中央アジアに広く分布している人たち。西の方から来た人たちのはずで、まさにこの新疆ウイグル自治区あたりが、彼らとアジア系の人たちとの合流地帯になっている、ということのようです。

一昨日、ウイグル人のバザールへ。

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(露店周辺には大勢のウイグル人。大通りから裏道まで小さな商店がいっぱい)

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(ザクロをよく見かけるようになった。ウイグル人社会を赤く彩ってる)

バザール界隈では、蛇使いがいたり、ピーヒョロヒョロ~(?)みたいなアラブ風音楽が流れていたりとなかなかいいムード。この辺ではみな中国語も怪しげ。ぼくらも、「漢族か?」と言われることしばしば。

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(絨毯屋さん)

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(釜で焼いたナン?厚いピザ生地のようなパン)

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(ハミ瓜とメロン。どちらも大きな一切れ1元(15円)で、立ち食いそばのような感覚でみなちょっと寄って食べていく。これがとてもおいしかった!)

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(子どもはどこでも同様にかわいい)

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(宿の近くの山の上からみたウルムチの町。こう見るとほんと普通の大都会)

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(その山のてっぺんに張り巡らされた鎖には、このようにいくつもの南京錠が……。よくみると、それぞれにカップルたちの愛の誓いが彫ってある。いつまでも離れられない仲に、ってことかな?カギはここから投げ捨てた?)

今日夜9時発のバスでウルムチを出ます。向う先は、タクラマカン砂漠のすぐ北の町コルラ(Korla)。この辺の町の名前は漢字名もあるのですが、ほとんどがウイグル語に漢字を当てはめたもの。タクラマカン砂漠を突っ切る道が2本あるので、そのどちらかを通って、これからさらに南下し、カイラスを目指します。カイラスまで無事に行けたとすると往復で2,3週間……、キルギスタンに入るのはそのあとになります。ちなみに昨日無事取得できたカザフスタンビザは昨日から一ヵ月しか有効ではないので、多分その期限内にはカザフスタンに入れなそうな……。となると、また取り直すか、もういかないか、のどちらかになりそうです。

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(コルラのすぐ南にタクラマカン砂漠が広がる。いよいよこれからは砂漠の気候に……)

Posted by ykon at October 19, 2007 3:11 PM | パーマリンク | コメント (5) | トラックバック (0)

October 16, 2007

雪山を越えてウルムチへ<Urumqi, China>

昨日の朝、予定通りにウルムチに着きました。バスで7時間かけて張掖(ジャンイエ)へ、そこから列車に乗り換えてさらに15時間ほどでウルムチへ。乗り換えもスムーズで、14時40分に張掖に着いたあと、17:01発の列車のチケットが買え、2時間ほど待っただけですんなりと列車へ。

西寧から張掖までの移動は雪山の中で、景色はなかなかワイルド、もちろん運転もワイルド。途中、「3685m」という標高の表示があり、それより随分高く登っていたので、4000mはいっていたと思われます。かなり道の悪い部分雪山の中で一度、車がたくさん詰っていて、そこで停車。2年前チベットの方にいったときに、山中で5,6時間動けなくなり、運転手が木の実を食べだして、これはまずい!と思った経験があったので、もしやそのパターンか?!とヒヤッとしたものの、軽いトイレタイムといったぐらいで車が動き出し、ホッ。とりあえず順調でした。

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(雪山での停車時。前方で大きなトラックがスリップして動けなくなかったのか、道をふさいでしまった模様。上の黄色のバスがぼくらのバス。このまま数時間--かと思いきや10分ほどで問題解決。片側は大きな谷、みなチェーンはなし……。)

さてウルムチ。一見ただの大きな街というだけで、特に面白みはなさそうなものの、人の雰囲気が大きく変わりました。全く西洋人風の顔つきの人がかなり多く、今日は昼飯時の小さな店で話しかけた店員が、全くの白人のロシア人みたいで、話しかけて振り向かれたときびっくりして、一瞬言葉を失いました。彼らは、ウイグル語を話すウイグル人と思われます。あとは、各看板に、漢字とともにアラビア文字(ウイグル文字?)の表記があるのが新鮮。また、西寧よりぐっと温かくて、とても楽に過ごせています。

今日、ここでカザフスタンのビザを申請。結構すんなり行って、しかも日本人はタダ!(ウッシー、ほんとにタダでしたよー)聞いてはいたものの、なんか得した気分。でも、カザフスタン大使館の担当者が、気難しそうな人物で、一緒に行った日本人に「なぜウズベキスタンのは日本で取ったのにカザフスタンは日本で取らなかったんだ?!きみにはビザはやれない」とか、ガタガタおかしなことをいってきました。で、最後には「今回はあげよう」みたいな。カザフスタン、どんな国だか気になります。明後日にはビザができてきます。

Posted by ykon at October 16, 2007 4:19 PM | パーマリンク | コメント (3) | トラックバック (0)

October 13, 2007

ラマダン明け!&チベタン世界。明日西寧出発<Xining(西寧)No.2, China>

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(ラマダン明けの礼拝に集まった人々。これはモスク前の大通りに座っている人々。モスクの中はもちろん、この通りの前後500メートルぐらいずつ、さらには歩道やホテルのロビーまで、こんな感じでぎっしり!)

西寧滞在も、もう一週間になりました。ここにいる間、旅とは別にいろいろとあり、また風邪もなかなか治らなかったために居心地のいい宿でのんびりとしてしまいました。あとは金曜の礼拝を見るという目的もあって。その礼拝が昨日ありました。

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(目の届く範囲どこまでもこの通り)
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(脇道も)

前回書いたように、それはラマダン明けの年に一度の一番大きな集まりで、とてもすごかった!西寧を東西を貫く大通りがモスクを中心に1キロぐらいは通行止めになっていて、そこすべてに白い帽子の人たちが絨毯を引いて座っている姿は圧巻でした。確かに優に10万人は超えてそうでした。朝8時すぎに行ってみるともう人がいっぱいで、9時ごろに始まって10時には終わってみな解散。イスラム系のお店もみな休み。

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(サウジアラビアのメッカに向かってお祈り(のはず)。)

中国では、キリスト教も大っぴらには活動できないように聞いていたのに、ムスリムのこの大集会がちゃんと認められているはなんか不思議な気がしました。印象的だったのは、ムスリムの人々も結構写真を撮ったりして、すげー人!って思ってそうだったこと。みなこれから自由に食べられるのがうれしいのか、明るさに満ちてました。

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(修了後、モスクの側門から出てきた人々。中はどんななっていたのか見たかったものの、見ることはできず)
その前日の木曜日は、友達の友達が先生をする日本語学校(小島基地)の授業を見学に。チベタン、漢族、ムスリムが集まる四十数人のクラスの授業に行って、彼らが日本語を学ぶ姿を見るのは新鮮でした。チベット語は、日本語と文法の構造が似ているらしく、そのせいか日本語を学ぶチベタンは多いとか。比較的日本語が上手な何人かのチベタンと話すと、みな、日本に行きたがってる様子。この学校を過程を終えて試験に受かると、名古屋の南山大学への留学への道が開けるというのだからモチベーションも上がりそうです。

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(駅そばのチベタン街にはチベタンがたくさん。ムスリムや漢族に比べて服装が華麗だが、貧しげな感は否めない)

そして昨日の夜は、その日本語の先生と三人でチベット料理を食べに。現地在住者ならではのディープな面白情報炸裂。にわかにこの辺に知識だけ詳しくなった気分。特に人間模様に(笑)。じゃしらもさん、ありがとう!medoさんも、紹介ありがとう~。

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(本文とは関係ありませんが、西寧あたりに来てから「文明化しましょう」的スローガンが目立つような。写真はともにバスの中。上は「10文字の文明用語:どうぞ、こんにちは、ありがとう、ごめんなさい、さようなら」。下は西寧市民守則十条。例えば「2.その辺で痰を吐いたり、大小便をしてはいけません。7.公共施設を破壊してはいけません。8.禁煙場所で喫煙してはいけません。9.公共の場所で大きな声で話してはいけません。」う~~ん、すこぶる基本的だ。確実に守っておきたいところ)

さて、ここからは少しずつ移動と思っていたものの、ちょっと予定が変わりました。というのは、ここであった旅行者に触発されて、ぼくらもチベットの聖地カイラスを目指そうという気になっています。カイラスは下の地図の通り、大きくぼくらの予定コースからは外れるものの、敬虔なチベタンたちが五体投地をしながら命を懸けてやってくるという場所で、前から機会があれば行きたいとおもっていて、こないだ話を聞いてにわかかに急浮上。標高6000mあたりまで(さすがにそこまではいかないかな??)上ることになるので寒さも半端なさそう。そのあとの中央アジアも相当寒くなりそうだし、それが心配です。もう今後どこまで行ってもおそらく寒くなるばかりというのがブルーですね。また、中央アジアのビザ取得もいろいろ面倒で、ウルムチ以降はそのためにかなり時間も取られそうです。

明日は一気にウルムチまで行ってしまうつもりです。朝7時半発のバスで張掖(Zhangye,ジャンイエ)まで行き(7,8時間?)、そこからウルムチ行きの列車に乗り換える予定。全部で30時間ぐらい(たぶん)の移動行程になります。

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(いよいよ、文字が小さくて見づらくなってきたので、クリックすると拡大されるようになっています。ウルムチまでの移動距離はかなりのもの。カイラスはこの通り、相当南です。本当はここまで下がらずに、キルギスタンあたりに入る予定だったのですが……。まだ、ほんとに行くかは不明です)

Posted by ykon at October 13, 2007 7:44 PM | パーマリンク | コメント (7) | トラックバック (0)

October 11, 2007

寒すぎ!<Xining(西寧), China>

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(夏河から同仁に向う途中。3000mは越えてそうな山中を抜け、外はずっと極寒の雪景色。延々と続く平原にはポツポツとテントが見え、そのそばでは羊の群れが悠々とランチタイム!モンゴルでも、凍ってるテントの中でぼくらが震えているときに、外では馬が10時間ほども全裸でボーッと突っ立っていましたが、動物のタフさには圧倒されます)

前回の夏河から青海省の省都・西寧についてすでに5日目。特に何をしたというわけでもなくどんどんと時間ばかりが経っている感じです。その原因の一つは間違いなくこの寒さ!夏河を越えてから、寒さは急激に本格化し、もはや冬です。すでに持っている服すべてを投入してしまい、早々とフル装備で日々過ごしています。

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(これも夏河からのバスの中。休憩時にバスの窓から買ったヨーグルト(1.5元=23円)が激ウマ!ちょー濃厚なクリームのようで、まるでニューヨークチーズケーキのような味わい)

いまいる西寧のユースホステルは新しくとてもきれいで快適で、しかもネットも使い放題というナイス環境なのですが、政府の決めている全館暖房開始日が15日ということで、いまはまだ、快適空間も寒さが充満!だから室内でもほとんど外にいるのと変わらない格好をしてます。それがきついです。中国の大型連休である国慶節も終わり、いよいよこの辺は寒さのせいもありシーズンオフとなったようで、今日からはこの大きな宿に客はぼくら二人のみの模様。職員が結構たくさんいるので、まるで職員一家の家に居候しているような気分です。

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(西寧が誇るモスク、東関清真大寺(「清真寺」=モスク)。明日ここが10万を超えるイスラム教徒でいっぱいになる。西洋、イスラム、中国の建築が混ざった独特な建築様式)

さて、ここに長居している理由の一つは、明日金曜日のモスクも様子を見るためです。蘭州あたりから、いわゆルシルクロード真っ只中になっているため、ムスリムなどが増えていますが、西寧もまたイスラム教徒が大勢暮らす町。そして、ここには中国西部を代表する大きなモスクがあり、金曜日の礼拝にはいつも数万人が集まるとのこと。しかも明日はラマダン明けということで、一年に一度の最大の礼拝になるようで、モスクでもらった資料によれば、去年か一昨年は16,7万人も集まったとか!モスク前の大通りも交通止めになり、周囲すべてがイスラム教徒で埋め尽くされるというすごい風景が明日展開するようです。写真で見るメッカの様子、とまではいかなくてもそれに近い光景が見られるのではないかと期待して、明日まで待っています。それについてはまた後日。

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(東関清真大寺の裏道は完全にイスラム世界。でも言葉は中国語)
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(ブタの足が売っていて、それをイスラム教徒が買っているのは不思議でした。どうしてだろう??)

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(東関清真大寺の中。たくさんの絨毯とイスラム教徒)

Posted by ykon at October 11, 2007 12:30 PM | パーマリンク | コメント (4) | トラックバック (0)

October 6, 2007

夏河、実はとてもよかった!<Xiahe(夏河) No.2, China>

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(ラブラン寺の周りを五体投地しながらお参りする尼さん)

夏河も今日で3泊目。到着したときはただの観光地に見えたのですが、昨日この一帯を散策してみると、その印象は一気に変わりました。確かに観光客は多いものの、それ以上に夏河が誇るラブラン寺に巡礼へ来るチベタンの姿にとても惹きつけられました。

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(夏河とラブラン寺の全景。たくさんある迷路のような建物が僧侶たちの住居。寺は右奥のごちゃごちゃしたところ)

町のかなりの敷地を巨大なラブラン寺(チベット仏教ゲルグ派六大寺の一つ、だったかな)と僧侶たちが住む住居が占め、その周囲をぐるっと取り囲むマニ車(回すとお経を唱えたことになるというチベット仏教の代表アイテム)の列。そのマニ車に沿って、多くのチベタンが歩きまわる姿は、これまで何度もみてきたのですが、なぜか夏河で昨日見たものがぼくは強く印象に残りました。五体投地(額、両手、両膝の5箇所を地面につけるチベット仏教特有のお参りスタイル)している人も多く、実にチベットらしい厳粛かつ敬虔な空気が流れているように感じました。

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(町自体はこんな雰囲気。そして僧侶と観光客の姿が目立つ)

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(ラブラン寺を大きく取り囲むマニ車の列。全部丁寧に歩くと数時間はかかりそう)

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(ぼくらもチベタン家族と一緒にマニ車の周りを歩いた。その家族と一緒に。この子たちとそのお母さん曰く、毎日ここを歩いてて、一回3時間かかるとのこと!)

チベットは仏教が生活にとても色濃く影響を与えているイメージで、街なかにも赤いローブを巻いた僧侶がウジャウジャ。ネット屋さんに行っても、ローブを巻いた少年が大勢ネットゲームに興じてワイワイ。結構気軽なノリっぽいムードも見逃せません。

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(寺の周囲に住んでいる少年僧侶の部屋。つつましい生活をしているかと思いきや、冷蔵庫とソファにオーディオ機器まである一人部屋で、結構快適にやってそうな感じ。)
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(写真はだめだ、と初め言っていたものの、「やっぱり部屋の中はOK」と言われ、その後撮ってるうちにノリノリになり、「どれどれ、見せて見せて」という感じで最後はこんなショットに。でも彼、どことなく「おれ、こんなことしてていいのかな」的な雰囲気も醸し出していた)

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(今日行ったもう一つの小さなお寺。寺の周りを時計回りにぐるぐる回って、たまに柱に頭をつけたりしながらお参りする。子どもを背負っている人も多い)

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(そのお寺の中で。若い僧侶たちが首につけるお守りのようなものをそれぞれ作っていた。その後、活仏が登場し、ドンドコドンドコと太鼓を鳴らしながらお経を唱える)

やっぱり中国西部は多様でいいなと改めて実感。この辺をじっくり見たい心境に駆られています。痰の音も気持ちやわらいだ気もするし......。

もうちょっといてもいいかなと思ったのですが、今日は急に寒くて天気も悪く、意気消沈。実はここは標高3000m近いため、天気も変わりやすいんです。雨降るととくにできることもなくなるしと、明日移動することに。

明日は隣の青海省の省都、西寧(Xining, シーニン)まで行こうと思って、バス停に行くとチケットが売り切れてたため、とりあえず途中の同仁までチケット購入。でも、同仁までの風景がいいらしいので期待。そこから乗り換えて西寧まで行く予定。

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(移動が小刻みになってだんだん地図が分かりにくくなっているような......)

Posted by ykon at October 6, 2007 11:45 PM | パーマリンク | コメント (8) | トラックバック (0)

October 5, 2007

イスラム&チベット世界が近づいてきた!<Xiahe(夏河), China>

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(臨夏のモスクにいたムスリムの少年)

一昨日午後15時に列車で蘭州へ着いてから、すぐにバス停へ行ってちょっと郊外(といっても150キロほど)の臨夏(Linxia, リンシャー)という小さな町まで移動しました。15時間の列車の直後に2時間半のバスでちょっと疲れましたが、ここまで来てよかった、という風景が続きました。

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(臨夏の町中はムスリムの人の姿が目立つ)

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(臨夏のモスク。お祈りが始まる1時半に集まってきた人々)

蘭州は普通に大きな都市で、それほど変わり映えはしなかったものの、そこから臨夏へ向かう通りは、別の世界になったかのように、みな白い帽子をかぶるイスラム教徒の世界。このあたりは、シルクロードの重要な中継点だったらしく、そのために随分とイスラムの影響を強く受けています。途中の村には、モスクとお寺がミックスされたような建物がいくつも続き、とても新鮮。バスの中も半分ぐらいムスリムの人で、顔も西洋的な人が増えてきました。それに、このあたりはチベットの文化も混じっているので、赤い袈裟をつけたチベタンの僧侶なんかもちらほらいて、なかなか不思議な雰囲気でした。ちなみに、中国語ではムスリムの人を回族(フイ族=回教徒)といいます。

昨日は臨夏で半日散歩。町中いたるところにモスクがあり、ムスリムの姿が目立ちます。
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(一見中国人には見えない人も多いものの、みな基本的に中国語を話す。中国の広さ、多様さを実感)

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(臨夏の裏道で。動画を見せているところ)

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(牛の足の骨だけを集めて売る人。街なかにはやたらと動物の死体が干されている。ウサギの姿焼きなども)

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(いまは、ラマダンだとのこと(朝5時半から夜7時までは何も食べてはいけない。一ヵ月続く)。そのせいかは分かりませんが、夜になると街なかに一斉に屋台が開く。砂鍋、羊肉の串焼き、焼き芋、餃子など。下の写真のが砂鍋。これにスープを入れて、煮て食べる。)

そして夕方(4日)に、再びバスに乗って、夏河(Xiahe)というさらに奥地のチベタンの村へ移動。夏河は、チベタンにとっての重要な寺院があり、そのために、多くのチベタンが訪れるという村。臨夏から100キロほど。途中、かなりの田舎を通り抜けるので、もっとディープになるかなと期待していたのに、着いてみるとかなり観光地化した町でした。もっとも、ユースホステルがある時点で予想はできたのですが、思っていた以上に観光客も多く(ほとんどが中国人っぽい感じ)、とりあえず町中は全然新鮮な雰囲気がなくて、結構がっかり。中国人観光客が目立つせいか、漢族の世界に逆戻りした気分です。夏河の散策はこれからです。

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(ロシアとの国境から、随分西へ移動した感じがします。でも、まだまだ西部は広く、中国の広大さに圧倒されます)

○それから、今日(5日)発売の「週刊金曜日」に、上海のニセモノ市場で働く人たちについてのフォト・ルポルタージュ「存在するものすべてにニセモノがある」が掲載されています。結構前に書いたものですが、カラー5ページの記事にしてもらえました。機会があればご覧いただけるとうれしいです。"Link Club Newsletter"「国境を往く 中国・モンゴル編」も間もなく出ます。

Posted by ykon at October 5, 2007 2:59 PM | パーマリンク | コメント (3) | トラックバック (0)

October 2, 2007

さらに西への中継地点から。3時間後にまた列車<Shijiazhuang(石家庄), China>

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(バスの途中の休憩所のトイレ。「貼近距離 靠近文明」"Keep near, Setting up the civilization"ととても怪しげな英訳が下についてますが、「便器にもう一歩近づこう、そして文明社会へ近づこう」といった意味。文明なんちゃら、というのはよく見かける表示で、日本語的に考えるとなんか面白い。他に地下鉄で見たのが「請文明乗車」。文明的に乗車しましょう)

昨日の朝、バスで承徳を出て夕方に石家庄着。河北省の省都でかなりの大都市であるにもかかわらず、名前はほとんど聞いたことがなく、マイナーな感否めず。北京に近いからでしょうか。できればここには泊まらず、さっさと西へ向けて大きく移動しようと思っていたので、バスを降りてすぐに列車の駅へ。三輪車の荷台に乗って3元で到着。

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(この乗り物はあまり見たことがなかったような。一見エンジンついてそうな思ってたものの、乗ってみるとおじさんがキコキコ。電気自転車。おじさんにこやか)

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(石家庄駅前)

いかにも中国の巨大都市の駅という風貌の建物の中へチケットを買いに。10月1日から中国は国慶節で、一週間の大きな休み。そのため列車もちょー混んでます。駅で並んでいる段階ではまだ次の行き先も決まってなく、とりあえずチケットがありそうで、興味もあって、しかも結構西、という基準で考えて、チケット窓口で順番が回ってくる2分前ぐらいに、甘粛省の蘭州(Lanzhou、ランジョウ)へ行くことに決定。でも、その日のチケットはなく、翌日(つまり今日)の夜11時すぎ発のに乗ることに。

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(チケット窓口の列に並ぶ。電光掲示板のチケット売り切れ情報などをもとに行き先を決める。石家庄から蘭州まで、硬臥(hard sleeper)の上段で324元(5000円ほど)。結構な出費......)

さて、宿探し。駅前にすぐ安くてほどほどのところが見つかり、ほっとして晩飯へ。

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(夕食に食べたロバ肉バーガー。といってもファーストフード店ではなく、ローカルな店。なぜか最近ロバ肉を食べる機会がちらほら。味はコンビーフみたい)

今日の夜中12時前に列車が出発。あと3時間ぐらいあるので、その前にネット屋に来てます。今日はカフェをはしごし、その間に映画を見ました。南京大虐殺から今年でちょうど70年なので、多分それにあわせて公開された「南京NANKING」という(確か)アメリカ・ドイツの合作映画がなんと映画館で5元(75円)だったので、それを(ほかの映画は25元か30元。この映画だけ政府の奨励で激安価格になってるのかなと想像しましたが、それでも客は10人にも満たず)。ドキュメンタリー風なのに、一部本人じゃない人が本人風に出てくるのがなんともいただけなかったのですが、強姦について笑顔で語る元日本兵の映像には、考えさせられるものがありました。

さて、蘭州まで行くと、いよいよ中国西部という雰囲気になってきそうですが、地図で新疆ウイグルの省都ウルムチを見ると、まだまだかなり遠い!蘭州からはできるだけバスなどを使って小さな町を転々としながら移動したいなと思っているものの、その先の移動経路はまだ全く未定です。

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Posted by ykon at October 2, 2007 10:11 PM | パーマリンク | コメント (3) | トラックバック (0)