少しずつしか進んでませんが、いま、吃音(=どもり)に関するノンフィクションを書くべく取材してます。どもってうまく話せないという吃音は、周りの人が見ている以上に本人にとっては深刻な問題で、ぼくにとって長年の大きなテーマであり続けています(『中国でお尻を手術。』のテーマの一つでもあります)。自分の人生も、吃音によって大きく動いてきたという側面が強いです。
先日、NHKのある番組で吃音を取り上げるということを知り、その番組の打ち合わせと収録の現場を見学させてもらいました。吃音で悩む人2人と、自分が苦しんだ吃音の原因を解明すべく(吃音の原因はいまなおわかっていません)自ら医者になって吃音の人たちと接している医師
の3人と、ディレクターとぼく。
話すのが不得意で、とりわけ、慣れないテレビ番組の収録なんて大変だろうなと思われる中、吃音という問題をしっかり認知してもらうためにも2人は出演を決意したようでした。
彼らを見ていて、自分が吃音で苦しんでいた時期を鮮明に思い出しました。言葉が詰まってどうしようもない感覚が、自分の中に蘇ってきました。
相手が話しをちゃんと聞いていてくれたとしても、どもってしまうと、ついつい、早く話さないと、と焦ったり、またはどもってることを隠すために、話を単純化させてしまうことが多々ありました。そして、話しながら単純化してしまった自分自身の論に納得がいかず(笑)、言いたいことと違うことを言ってしまったりして、ついついそのまま話を収束させて、話をやめてしまい、ぐったりと疲れて自己嫌悪に陥るというような。。
そんなこともよくありました。
別にいま取材させてもらっている人は、吃音によって会社を辞めなければならないかもしれない、という瀬戸際に立たされていました。
本当に吃音は、その人の人生に大きくかかわる問題なのです。
(マリリン・モンローのあの話し方も、吃音がきっかけでできたと言われています)
出演者の一人は、35歳で3歳の娘さんがいる人でした。
とっても優しそうな、笑顔が素敵な方でした。
吃音はかなり大変そうで、ぼくたちと話すときは、かなり苦労されている感じでした。
でも、娘さんと話すときだけは、別人のようにスムーズに話されているのが印象的でした。
(とはいえ、単純に緊張してるしてない、という問題ではないのが吃音の極めて難しいところです)
その感覚がとてもよくわかり、昔を思い出し、胸にぐっとくるものがありました。
番組は、7月26日(金) 21:00~ NHK Eテレ「バリバラ」です。
よかったら、是非ご覧ください。
全然まとまってませんが、ちょっと記録のためもあって書いておきました。