ただ、グランドゼロの敷地近く、セント・ポール教会は違っていた。
教会の敷地の周囲を囲っている柵には、一年立った時点でもなお、
メッセージを残していく人、花を置いてゆく人がいた。
それらが柵を覆って、幾重にもなっていた。
その雰囲気は心に伝わった。
実際に事件があったのだという事実と、その凄惨さを感じた。
あーニューヨークよ。
おー人類よ。
これでアメリカの旅は終わりです。
ありがとうございました。
11 Sep,2001。
映画のようだったといわれれば、そう。
テロそのものだったといわれれば、そう。
夜遅く、くだらない用で友達に連絡を取ったとき、初めて知った。
テレビをつけてみろといわれ、画面にはビル炎上のシーンが流れていた。
ショッキングなニュースにおどろいた。
本当にこんなことが起こっているのかと。
人がばらばらと落ちてゆくのがみえた。
それでも臨場感を感じることはなかったというのが正直なところ。
ビルが解体爆破のように崩れていった。きれいに。
あれから一年後
現場に訪れても、その感じはかわらわなかった。
跡地はフェンスで区切られ、深く掘られていた。
凄惨な現場の光景は目にはもう入ってこなかった。
周りのビルの損傷ももはやあまり目に付かない。
おどろくほど、ぽっかりWTCの敷地だけに何もなかった。
漂流教室の学校跡ようにぽっかりだった。
多くの人がそこを訪れ、フェンスを覗き込んでいた。
みんな何を感じていたのだろうか。
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notes
building name : World Trade Center, NYC
completed year : 1966-76
architect : Minoru Yamasaki
height : 411m (110 floors)
なんだかおかしな名前である。
店先・・・。
要は空間である。
設計はスティーブン・ホール。
以前に紹介したサイモンズ・ホールの設計者でもある。
あまり奥行きはない、細長い小さな空間である。
そこにコンクリートの壁が回転し、内側にはガラスが張られており、
そこにゆがんだ人や町並みがうつる。
入りやすいのかはいりにくいのかよくわからない不思議な感じだった。
このスペースは不定期の開場なので、閉まってはいないかと心配したが、運良く、開いていた。
しかしこの壁を回転させて、歩道に出る部分に文句はないのだろうか?
法律的にはどうなのだろう?
この回転壁がこのスペースのすべてだが、どうもはっきりと面白さを感じない。
建築の動きと街のフレキシブルさや流動感というやつとの接点はこんなんじゃないという気がする。
なんとなくおもしろい、その方向性はとても理解できるが、やはり情報からリアルな物への落としというのは異常に難しいのだ。
現在の自分自身もそこにハマッテ、先へ進んでいない気がする。まずいな。
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notes
building name : Storefront for Art and Architecture, NYC
completed year : 1993
architect : Steven Holl
SOHOのあたり。
ブルータスカーサのニューヨーク特集ででていた建築なので行ってみた。
レムコールハース設計とのことだが、その記載の通り行ってみてもコールハースの設計とは分からない。
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notes
building name : Lehmann Maupin Gallery , NYC
completed year : 1996
architect : Rem Koolhaas