ただ、グランドゼロの敷地近く、セント・ポール教会は違っていた。
教会の敷地の周囲を囲っている柵には、一年立った時点でもなお、
メッセージを残していく人、花を置いてゆく人がいた。
それらが柵を覆って、幾重にもなっていた。
その雰囲気は心に伝わった。
実際に事件があったのだという事実と、その凄惨さを感じた。
あーニューヨークよ。
おー人類よ。
せかされたご飯の後、この日は上海の最後の夜ってことで、
まったりカフェでダベリ計画を立てた。
何処のカフェか。
バンドで唯一一般人が建物の中に入れるカフェがある。
その名は bonomi cafe 。
上海には6店舗くらいあるカフェらしい。(2003年10月現在)
それはバンドにある1923年創建の旧香港上海銀行(現、浦東発展銀行)の2階226号室。
バンドの建物はセキュリティーの人が必ずいるので、
カフェに行く際にも、そいつの了承を得なくてはならない。
きっと混んでいない。
そうねがい、最後の夜を過ごす場所を決めた。
上海には夜景がある。
きっと夜景は計画されたものと自然のものがあると思うけれど、
今の上海のそれは前者だ。
18世紀の漂流者たちの小さな地図がバンドにはいまだに残っている。
もちろん、当時からこんなに輝かしいとは思わないが。
この輝かしさに驚かされ、夜景に感動をした。
夜景と高いところには感動しやすいかもしれない。