11 Sep,2001。
映画のようだったといわれれば、そう。
テロそのものだったといわれれば、そう。
夜遅く、くだらない用で友達に連絡を取ったとき、初めて知った。
テレビをつけてみろといわれ、画面にはビル炎上のシーンが流れていた。
ショッキングなニュースにおどろいた。
本当にこんなことが起こっているのかと。
人がばらばらと落ちてゆくのがみえた。
それでも臨場感を感じることはなかったというのが正直なところ。
ビルが解体爆破のように崩れていった。きれいに。
あれから一年後
現場に訪れても、その感じはかわらわなかった。
跡地はフェンスで区切られ、深く掘られていた。
凄惨な現場の光景は目にはもう入ってこなかった。
周りのビルの損傷ももはやあまり目に付かない。
おどろくほど、ぽっかりWTCの敷地だけに何もなかった。
漂流教室の学校跡ようにぽっかりだった。
多くの人がそこを訪れ、フェンスを覗き込んでいた。
みんな何を感じていたのだろうか。
なんだかおかしな名前である。
店先・・・。
要は空間である。
設計はスティーブン・ホール。
以前に紹介したサイモンズ・ホールの設計者でもある。
あまり奥行きはない、細長い小さな空間である。
そこにコンクリートの壁が回転し、内側にはガラスが張られており、
そこにゆがんだ人や町並みがうつる。
入りやすいのかはいりにくいのかよくわからない不思議な感じだった。
このスペースは不定期の開場なので、閉まってはいないかと心配したが、運良く、開いていた。
しかしこの壁を回転させて、歩道に出る部分に文句はないのだろうか?
法律的にはどうなのだろう?
この回転壁がこのスペースのすべてだが、どうもはっきりと面白さを感じない。
建築の動きと街のフレキシブルさや流動感というやつとの接点はこんなんじゃないという気がする。
なんとなくおもしろい、その方向性はとても理解できるが、やはり情報からリアルな物への落としというのは異常に難しいのだ。
現在の自分自身もそこにハマッテ、先へ進んでいない気がする。まずいな。
SOHOのあたり。
ブルータスカーサのニューヨーク特集ででていた建築なので行ってみた。
レムコールハース設計とのことだが、その記載の通り行ってみてもコールハースの設計とは分からない。
今では、ワールドトレイドセンターが崩壊し、皮肉にもニューヨーク一の高さを持つビルの座を奪回することになった。
エンパイアステイトビル。
雨フル夜、塔部は光をまとって、いまだその権威を示している。
いわずと知れたクライスラービル。
1930年竣工。
クライスラー社はもうこのビルには入っていない。
建築のことはアールデコの超有名建築であり、
それは鉱物的ファサードを擁し、けばけばしさ、ゴージャスさが感じられる。
そして世界一の高さをめざして建設され、一度は頭頂部の細工などにより、世界一の座に着いたが、
翌年のエンパイヤステイとビルの竣工により、その座を奪われることとなった。
なんともかるーい意地の張り合いのような、人間の本性を垣間見るような、
ただただ力に物言わせているという、争いしかメディアには見えてこない。
設計者の立場はどうだったのだろうと思う。
その悲しさゆえに、皮肉なそのときの流行であるアールデコをあえて、思い切り表現してしまったのではないか。
現代の感性ならば、そのように受け取れる。
もしくは、設計者ともども、本気で世界一の高さで、世界一かっこいいビルだと思いながら、設計したのだろうか。
しかし、設計者のアシスタントの気持ちを考えるなら、やはり世界一を目指してがんばったのであろう。
いろいろを含めて、そのときの話が受け継がれているわけだし、
いまだに、現代の使われ方、会社との関係などは聞かないことを思うと、建築冥利に尽きるともいえる。
建築家冥利ではないが・・・。
(NYで2位、世界で17位の高さ)
このビルのもともとのオーナーであった、クライスラー自動車にあまり関心がなかったが、
最近の統廃合など気になっていたので、その歴史を少し見てみた。
今は1998年の合併でダイムラー・クライスラー社のwebをどうぞ。
でもやはり気になるのはもはや、中国への参加である。
中国三大自動車メーカーは第一汽車、東風汽車、上海汽車である。
パンナムビルのすぐ南。
グランドセントラルターミナルがある。
1913年に竣工の駅である。
1999年にはリノヴェーションがおこなわれ、内部の修復が完了した。
マンハッタン島の確かに真中にあるのだが、個人的にはセントラルを感じることのないものだった。
確かに、人も沢山いて、ここからamtrakが全国各地に広がって行けるわけだが、
それよりも、遠いところは飛行機、近いところは地下鉄、金持ちは車という都市という印象が強い。
私自身も、地下鉄でこまごま移動していたので、中心という感じがしなかった。
ニューヨーク市民はどうなのかは知らないが・・・。
旅行者や訪問者が都市の玄関口として迎え入れられるターミナルが、
いまやその役目を空港にとって変わられ、
さらに、そこから実際に都市に入っていくのは地下鉄や車という、
なんとも正面性のない空間になってきた。
メキシコにいったときも、鉄道のほとんどが廃線となっていて、
その役目がバスにとって代わられている。
また地下鉄も何処の国も盛んに使われている。
唯一ニューヨークにあるミース設計の建築。
この中にある、the four seasons hotelとbrasserie(レストラン)の内装をフィリップ・ジョンソンが設計。
この建築もパークアヴェニュー沿いにある。
1995年にはbrasserieのほうを Diller + Scofidioが改装している。
友人にもこのレストランによるべしといわれていたが、時間がなく、寄らなかった。
残念・・・。
未だ雨やまず。
摩天楼、スカイスクレイパー超高層ビルツアーの始まり。
まずは、ミッドタウン(midtown)のパークアヴェニュー(park.ave)から。
ここパークアヴェニューが二股に分かれるところに現メットライフ・ビル(MetLife bld.)がある。
以前は、パンナム・ビル(Pan am bld.)。
1981年に400万ドルで売却された。
マンハッタン島(Manhattan island)が南北に長いとして、このビルは東西に長く、
パークアヴェニューと直行する配置になっている。
形は八角形平面。
それとともにトップのビル名のロゴがとても印象的なビルだ。
まず、グッゲンハイム美術館に行くことにした。
どうやら、グッゲンハイム美術館というのは世界に5館あるらしい。
もっとあるイメージだったが、その少なさに驚きだ。
ニューヨーク、ビルバオ、ベネチア、ベルリン、ラスヴェガス。
そして、ここニューヨークのそれは世界3大巨匠の一人フランクロイドライトの設計によるもの。
フランクロイドライトの建築っていうのは、初めての体験だから、楽しみだった。
こんなに大きな螺旋階段もはじめて。
この美術館螺旋階段が、順路をになっている。
とともに、縦方向に一気に空間を継ぐ、美術館のイメージとなる。
息苦しさとの調和的スペースにもなる。
一度はみんな覗き込む。
一度はみんな見上げる。
この建築は彼の晩年の作品である。
そして、コルビジェのラトゥーレット修道院の竣工年とも一致する。
人生の最後のほうで、自分だったら、どんな感じに生きているのだろう。
夕日を見ながら、ハーバード橋を渡り、マサチューセッツアヴェニューを進むともうそこはmitだ。
近くにはそこの学部生の寄宿舎であるベイカーハウスがある。
これはフィンランドの建築家アルヴァ・アアルトによって設計された集合集宅だ。
細長い建築が蛇行する平面を持っていることがこと特徴で、チャールズ川側に個室があり、それが展望可能であり、窓の外には美しい景色が広がる。
個人的にすみたいというイメージの中に、「川ぎわ」がある。
川ぎわの軽い感じのコーポの2階。
そんなとこで川を見ながら生活したい。
もちろん川はよどみがないものであって欲しい。
ハーバード大学の建築学科HDSが入っている建物がこのGund Hall。
屋根と内部の段段のあいだが個人の作業スペースになっていた。
一階のホールは展示もできるスペースになっていて、建築学科っていうイメージがなかった。
このホールには食堂もついている。
次の日。
メディアラボへ。
たいした知識はなかったのでそれが有名とも知らなかった。
ウィリアム.J.ミッチェルである。
ここで、邦画名「レオン」を編集する。
それは友人の課題で、あるひとつの映画を編集して新しいストーリーを作るというもの。
そのひとつの映画っていうのを「レオン」したらしい。
で、初めて知ったのだけれど、「レオン」って本名は「The Profesional」。
驚く。
動画の編集なんて建築学科にはない。ということだ。
生きている領域が違う。
ギリシア系の学生が建築学科にいたんだけれど、やっぱりギリシアっていう古代の顔してんだよね。
そいつはとてもわがままで。うるさく。
何度もこれでどうよみたいな感じで話し掛けてくるわけ。
対応が大変たらありゃしない。
MITには、本当に有名建築家が設計した建築が多いと思う。
またべつのけんちくをみにゆく。
simmons hallの裏手に東西に走る線路があるが、これと平行なvassar stを東側にゆき、
10分ほど歩いたところにあるのがこのMIT stata centerだ。
去年の10月にはまだ建設中で躯体とすこしのカーテンウオl-ルが見えている状態だった。
それだけでも、だれのせっけいかがわかる。
形態の特徴のおかげだ。
彼の名はフランク・O・ゲーリー。
あいかわらずのひねくれた彼の形の操作はどこまでか。
何を基準にあの形になるのか。
グリッドに添わない形の決め方とランダムの決定は悩ましい。
彼の作品のひとつビルバオを褒める人は多いが、
リチャードセラなんかの作品があるあのとても長い空間をもてる敷地条件もとてもよかったのだと思う。
それを生かせているというのが正解か。
しかし中身よりも外見という気もする。
とにかくこんな非効率なものを実際に設計し、図面に出し、施工し、完成していることがすごい。
さて、次の建築はサイモンズホール。
用途は学部生の住居。
最近(訪れた当時)、できたばかりの建築だった。
基本的にはプレキャストコンクリートのカーテンウォールが正方形格子になっていて、
建築全体としては直方体の一部をそれより小さな直方体で貫いた形状をしている。
そのほかには曲面状の立体がこれに挿入されていて、
それが光をいれたり、階段を入れたりと建築要素のポイントとなっている。
ポーラス状と言うのはなかなかありがちなタイプではあって、それ自体にたいした驚きはなかったが、
それの使い方によっては、かなり多様な表情を空間に作れるかもしれない。
細長く。詳細はこのリンクへ
以前友達がこの上海タワーのTシャツをつくっていたな。
それ以来、行ってみたかった場所であった。
超高層ビルが庶民の観光の目玉として登場して以来、
それとともにエレヴェーターというのも常に注目される。
記憶では池袋サンシャイン60が私の初めて体験した超高層で、
あっという間に着いた印象がある。
でも、あの時は耳がキーンとしたような。
ここではしなかったけれど、エレヴェーターの様子を少しごらんあれ。
・エレヴェーターの中
それにしても曇り空。
スモッグはひどい。
曇りの日が多い。
でも、団地がならんでいるのは分かる。
地上を歩いているとなかなか感じなかった。
超高層ビルがいくつもぼんぼんと建っているというイメージ、
それが覆される。
金茂大廈(jin mao tower)は現在、中国一、世界三番目の高層ビルだ。
ビジネス、ホテル、娯楽、観光ショッピングの一体化された複合施設ビルである。
総建築面積は29万平方メートル、総高420.5メートル、地上88階、地下3階である。
設計はシカゴのシアーズ・タワーを手がけたSkidmore,Owings and Merrill建築事務所(SOM)が担当。
ちなみに、クアラルンプールのPetronas Towerが現在世界一高く、452m。
デザインはシザー・ぺり。
第2位は前述のSOMデザインのアメリカはシカゴのSears Tower、443m。
ずどどーん。脇の背を向け歩く人物はJT。
浦東の超高層ビルディングのひとつをいく。
名前は上海信息大楼。設計は日建設計と上海建築設計研究院(上海現代建築設計集団)。
新建築2001年12月号をチェックしてみ。
ココは低層部の吹き抜けが特徴。
写真をとっていたら怒られた。
セキュリティー問題らしい。
それはそうだ。
そんな吹き抜けくらい!ともおもう。
とってもおもしろくない町。
施設がすべてビルの中。
とても遊べたもんじゃない。
公共スペースもビルの中。
でも、日が思い切り入る、透明な大空間で、柔らかなジュ―タンとその上の低いソファに座ると気分はいい。