●November 2003

November 30, 2003

YOKO ONO@水戸

水戸芸術館では、来年の初めまで 『「YES オノ・ヨーコ」展』 が開かれている。

入り口では「参加できる作品」と書かれた紙を渡される。
その中の一つ「願かけの木」。願い事を書いた紙をオリーブの木に吊るすインスタレーションだが、驚いたのはその願いたち。「LOVE&PEACE」「世界中の人の幸せ」「笑顔」etc・・。この展覧会を訪れる人たちの性格なのか、たくさんの展示による瞬間洗脳なのか、この作品にかける言葉はこうあるべきという暗黙の了解なのか。
そもそも願いなんて自己チューなものと決めてかかっていて、神社の絵馬の願い事を読むのが大好きな私としては、少々面食らった。やっと一つ、「加藤茶」という願いを見つけて少しホッとした。

ところで、人の名前を何度も何度も見続けると、だんだんそれが一まとまりの記号のように見えてくる。
YOKO ONO・・・輪っかがたくさんのこの和み系なローマ字表記(今日はこればっか見た)と、
オノ・ヨーコ・・・斜線が二つの苗字に、垂直線と水平線だけの名前のシャープなカタカナ表記。
ご本人はどちらをお好みなんだろうか。

       

***
芸術館のすぐそばにある、「山翠」であんこう尽くし
あんこうに対する味覚のチャネルを持っていない自分がちょっと悲しかった。
プルンプルンの皮やチュワ〜な肝やピロピロな卵巣が「美味い」につながるには少々の時間を要した。

ヤナギ(ほほ)焼き:あんこうのかぶと焼き。表情を作るほっぺが大抵一番美味しいのは美しい事実だ。
細かいトゲトゲ歯と向き合いながら、表から裏から失礼する。あんこうと言えばゼラチン質、ブニョブニョだねほんとにと食したのは、目玉だった・・っ。目がこんなに澄んでるなんてステキ。自分の目もいろんな思いで潤む。

一緒にいただいた鰯納豆:鰯切身と納豆と玉葱と高菜漬けを混ぜ混ぜ。これはかなりなモン。家でもやりたい。

Posted by asummer at 11:47 PM | Comments (0) | TrackBack

November 29, 2003

fire@大洗

火って、好き。
一体何者なのか未だによく分からないが、好き。
火があると、その周りは普通じゃなくなる。静寂か興奮のどちらかが訪れる。

パチパチと音を立てて薪が燃える暖炉を構える、茨城県は大洗のペンション参仁館
雨に濡れた後の火が、また、いい。
外の興奮は、夜の海の音。

    

Posted by asummer at 11:42 PM | Comments (0) | TrackBack

November 25, 2003

OCT11・01 Saigon 4 - VietNam

よその国にいると、しばしば「?」や「笑」な現地人の行動に遭遇するが、ことベトナミーズに関してはこれらの話題に尽きない。

例えば3人に1人は、自転車のサドルではなくその後ろの荷台に座って漕いでいる。サドルが壊れているのかと思って見ればそうでもなさそうだが、決して乗り心地を追求した結果にも見えない。

さばき終わった魚の内臓や、食べ終わった屋台食のゴミ袋などは、「終わった」その場所が「捨てる」場所になる。道で、川で。そういえばメコンでも、舟上で食べた残骸をそのまま川に投げ捨てるもんだから、手漕ぎ舟はいいがスクリュー付きのボートは、しばしばスクリューにビニル袋を絡ませて止まっていた。

子供から大人までとにかくバトミントンが好きなようで、そこかしこで楽しんでいる。道行く人がネット代わりだ。

夜になると、歩行者や自転車に乗っている人がいろんな音を立てる。
ピーラーに五連の鉄輪を通したような形のものをジャカジャカ振りながら。大抵は女性。
空の丼を・・・と思えば、丼の陰に持った瓦をスプーンでカンカン叩きながら。大抵は子供。
昼間は聞かないこと、しかも一人の女性や子供であることから、夜歩きの不安を和らげる音だと思っていた。
が、クーロンのヒュイに宛てたお礼のハガキで聞いたところ、前者はマッサージ師、後者はラーメンの出前とのこと。
なるほど。まあ大抵はこのように割と納得の理由がある。

Posted by asummer at 12:38 AM | Comments (0) | TrackBack

November 15, 2003

OCT10・01 Can Tho 2 - VietNam

水上マーケット:何を売ってるか?見てください。看板は不要。
        

人の家に世話になる癖。今夜は、朝の水上マーケットへボートを漕いでくれたオッチャンのお家に泊めてもらう。
「明るい内にシャワーしておき」と奥さん。行くと大きなレンガ囲いの中に茶色い雨水だかメコンの水だかが溜まっていて、それを片手鍋形のバケツで掬って大きなバケツに一回分の水を用意するのだが、、、
水が少ないので、囲いの縁にまたがって思いっきり腕を伸ばして掬わなければいけない。やっとバケツ一杯分の水を確保した時には、水浴びしがいがあるなあと嬉しくなるほど、レンガの土で体中が汚れる具合だ。

      

ベトナム人は陽気だ。晩御飯の後小さなグラスでお酒を飲むのだが、「ヨォー!(乾杯)」とやってクィッ、自分が一口飲んだ残りを誰かに渡すと、渡された相手はそのグラスを飲み干さなければならない。
相手によって初めの一口の量を変えたり、最初につぐ量を加減したりはするが、まあそんな単純なやりとりを延々続ける、ヨォー!ヨォー!な夜。

オッチャンが、夜のメコンへボートを出してくれた。
夜の川は恐ろしく、そして美しい。そこには完全なる暗闇と静寂がある。
幼い頃、夜布団にすっぽり包まると、真っ暗な中自分は目を開けているのか閉じているのか分からなくて怖くなった記憶がある。東京で暮らしていると、外の世界も、夜はそんな風に暗いことを忘れがちだ。
遠くにもう一つ、ボートを漕ぐ音がする。真っ暗闇の中で音の方向感覚はあまりに頼りなく、愕然とする。
しかし更に愕然としたことには・・・オッチャンは、それがどこにいるのかどころか、その乗員が近所の夫婦であることまで見分けて、声を上げて彼らとしゃべり出した。

夜中、トイレに行きたくなったが、電気がどこにあるのか、そもそもあるのか?分からない。手探りで昼間水浴びしたその向こうにあったトイレ(地面に埋め込まれた便器の両横に、足乗せタイルがある)の辺りへ行って、大体この辺と思う所で用を足してまた手探りで戻ると、奥さんが玄関の戸を開けて待ってくれていた。
思わず「シン・ローイ(ごめんなさい)」。

Posted by asummer at 10:02 PM | Comments (0) | TrackBack

November 11, 2003

センサー

(注:ちょっとシモの話があります)

手をかざせば水が出るし、便座から立ち上がれば自動洗浄される。
あー私、感知されとるなあと思う。

こうした自動化に慣れすぎてか、自分で捻った蛇口を閉めるのを忘れる輩もいるようだ。
近所のモスの洗面台には「水の出し放しにご注意ください」の張り紙がある。

会社のトイレにも、数ヶ月前に自動洗浄装置が導入された。
最初の頃は、まだ用が済んだだけなのに、拭こうと立ち上がると勝手に水が流れてしまい、
結局手動洗浄用のボタンで再度流す羽目になるシロウトもいた。
戻って「まーた失敗してまった」とこぼせば、「私今んとこ100%クリア」 「てか、何で拭く時に立ち上がるの?」
「え・・じゃあどうやって拭くん」 「ちょっとだけ腰浮かして、こう、こんな感じ」
なんて具合に、思わぬ実演付き「拭き方」トークに花が咲いたり。

あのセンサーが、お尻拭きポーズの自由度をかなり奪ったことは間違いない。

ところでトイレの文明と言えば、自動洗浄より前に、外国人が目を丸くする「流水音」装置があった。
大和撫子の音消しのための所謂「二度流し」に対する、節水対策だ。一世を風靡した「音姫」さんが代表例。
センサーに手を流すと、25秒間流水音が流れる。
25秒を決めるのに、女性社員が何度もトイレで計ったのかなあ、アンケートもしたのかなあ、なんて思ったなあ。
でも誰もが25秒もかかるわけではない。
25秒じゃ足らない状況だってある。(延長機能で助かるが)

そんな個人差を、今度はセンサーが助けた。
座ってる間だけ、流水音が流れる。
もう、終了間際の赤ランプ点滅にドキドキする必要も無くなります、と。
会社の自動洗浄装置には、もちろん自動流水機能も付いていて。

otohime.jpgしかしあれは時として、、とってもいただけない。
駅のトイレなら、デパートのトイレなら、大歓迎。でも会社じゃダメだ。
会社のトイレと言えば、「ちょっと一眠り」しに行く安らぎの場だったのに。
便座に腰掛けると、「ジョーーゴロゴロ」音消し目的なんだから、そりゃデカイ。
・・・寝れやしない。
感知しないでぇと体を大きくずらせば音は止むが、
眠気と引き換えに全身の痛みをもらってはたまらない。

あのセンサーが、数名のダメ社員の安らぎを強引に奪ったことも間違いない。

先日訪問した会社は、まだ(?)「音姫」さんだった。
ああ、うちの会社もこの人だった頃は、、なんて懐かしく見つめれば
・・・この人。
蓋した便器に腰掛けて本読んで流水音流して、一体何やってんでしょう。
そりゃ、用足し姿をイラストにするわけにもいかんでしょうが。。

Posted by asummer at 02:38 AM | Comments (0) | TrackBack

November 09, 2003

OCT09・01 Can Tho 1 - VietNam

ヒュイの両親は、毎朝3時に起きる。5時に起きた私は寝坊スケらしい。
最後までお母さんは、私のことを心配して泣いてくれた。優しさは人から人へ溶け込んで行く気がする。優しさが溶け込みすぎて満タンになった私の心から、そうでない部分が溢れ出てどこかへ行ってしまった(・・と感じた)。

やっとカントーに着いた。
ヒュイとメコン大学で別れた後、揺りカゴみたいな四人掛けでバイクに引き摺られ、内二人が途中でバスに乗り換えると欠員の穴を埋めようと乗客探しに行ったドライバにさんざん待たされ、結局は別のバイクタクシーに乗せ替えさせられ、船でまた別のドライバに奪われ(しかしこの間お金のやりとりはほぼドライバからドライバ。恐ろしく安くついた)、日本からの取材頻繁と豪語するチェット氏に会わされ、延々自慢を聞かされ、その二時間ずっと待っていたドライバにやっと安宿へ連れて行ってもらい、クーロンからの道のりの泥はねを全身で受けた服とバックパックと靴とを全部洗い、昨日の半乾きの洗濯物と一緒に部屋中に干し、カントーの町を歩き、大量のドロ付きニンジン籠が次々到着する船着き場のパイプ椅子に腰掛け、やっと落ち着いた。

心は満タンだから、まあいい。ちょっと疲れたけど。

Posted by asummer at 04:18 AM | Comments (0) | TrackBack

November 07, 2003

OCT08・01 Cuu Long - VietNam

石橋を叩いて渡るよりも、石橋だと勝手に信じて、違ってたら慌てて叩いてみる。
大体、痛い目に遭う時ってこんな感じ。
「自分だけは大丈夫」「私ってつくづくラッキーだから」という理由なき自信に、嘲笑われる。

メコンデルタにあるカントーという町へ、水上マーケットを見に行きたかった。でも乗ったバスは、車とバイク以外何も見えない大きな国道のド真ん中で止まった。途方に暮れる私のバッグを、待ち構えていた数人のバイクタクシードライバーたちが奪い合う。敗者たちに囲まれながら、勝利した一人と筆談している私を"Can I help you?"と紳士な「POLICE」が助けてくれた。彼のバイクに飛び乗った。彼はヒュイ、「POLICE」と書かれたサングラスをかけた、メコン大学の英語の先生だった。彼はクーロンという村に家族と住んでいると言った。多く(九つ?)の支流(龍の頭?)に分かれるメコンはこの地域で「クーロン(九龍)」と呼ばれていると言った。そんな名前を持つ村に行きたいと思った。来るかと聞かれ頷いた。

彼の住む村へ、日本の援助で出来たという大きなクーロン橋を渡り、船で支流を超え、更なる支流をいくつもの石橋を渡って超え、垂れ下がるリュウガン(龍眼。ここでは「ライサー」と呼んでいた)の実を掻き分け、向かった。子沢山の犬と安達祐実に似た妹が驚きながらも喜んで迎えてくれた。お母さんは、「女の子がこんな所に一人で・・・」と不安のあまり涙を流した。村に一つというゲストハウスの様子を見に行ってくれたヒュイが「外人は泊めたことが無いと断られた」と戻って来た。彼の家に泊めてもらうことになった。お父さんが帰ってきて心底驚いた顔をした後しかめ面になり、ヒュイから訳を聞くと、満面の笑みで歓迎してくれた。食卓には優しく舌に馴染む味が並び、魚フライを骨ごと食べる私を見てすかさず、お母さんが骨を取り除いたものを皿の上に積み上げてくれた。朝が早いからと20時には板のベッドに彼の従弟と妹と一緒に横になった。暫くして誰かがやって来た。ヒュイが「authorityにdeclareしなきゃ」と言うのでパスポートを預けた。板のベッドは硬かったけれど、昼間の暑さと不安で疲労困憊だったのですぐ眠りについた。

      

これはほんとに石橋だった。彼らは優しさでできていた。
家族の存在は究極の安心剤だ。疑ってみればアブナイ状況も想像し得たことに、かなり後になって気付いた。
でもそう気付いた自分を心が歪んでいると反省する始末だった。

「自分だけは大丈夫」「私ってつくづくラッキーだから」という理由なき自信に、嘲笑われることもある。
と、心得ておかなきゃなと思った。
ハプニングに期待する心も、ケセラセラもいいけど、やっぱ女の子やし。日本人旅行者やし。

でもやっぱり、そんなこと気にする旅に、何の面白味があるのかと思う。
それでもやっぱり、自分を心配して待ってくれている人がある限り、払うことの出来ない義務があると思う。
うーんじゃあお金だけならいいか。命まで失うのはかなわんな。暫く堂々巡り。

Posted by asummer at 02:04 AM | Comments (0) | TrackBack

November 03, 2003

トウガラシ2.

       人生感じる。                      ・・・色っぽいねえ。

            

Posted by asummer at 12:13 AM | Comments (0) | TrackBack