movabletypeしよう 003
「movabletypeしよう」前回は、サーバの環境設定と、MovableType の設定ファイルを編集するところまでを行いました。。今回は、システムをサーバから利用できるようにして、いよいよ最初のblogを作成してみたいと思います。
「movabletypeしよう」前回は、サーバの環境設定と、MovableType の設定ファイルを編集するところまでを行いました。。今回は、システムをサーバから利用できるようにして、いよいよ最初のblogを作成してみたいと思います。
早朝、湿原に潜入。今までに見たことの無い、スカーンと雲一つない青空を見てしまった。そして、一面花の絨毯。デパートの展示会場で高値をつけるペルシャ絨毯も、これにはかなわないだろう。花に朝露が降りて、きらきらと光っている。むこうの山の袂にパオが一棟あって、朝食の準備なのだろうか、煙が立ち昇っている。夏の間、こうして草原地帯に家畜と共にやってきて、花の絨毯に囲まれて暮らすのだ。
午後のバスでゾルゲ [若尔盖(若爾蓋 ruoergai)]へ。そそる地名だ。ここ最近、移動を重ねるたびに、バスがおんぼろになってゆく。道が悪いのと、バスがおんぼろなのとで、車内には常に砂埃が充満していて、のどがぴりぴりする。時々、「オマエ何でこんなところを一人で歩いているんだよ」と尋ねたくなるようなところで、チベタンがバスに乗ってくる。ゾルゲの少し手前で道が崩れていて、乗客達はみなバスを降りて歩いて先回り。その後ろを、バスが左右に大きく傾きながらやってくる。
ゾルゲは極めて人工的で、埃っぽい月面基地のようだ。近年になって,交通の要所として中国政府が作った町なのだそうだ。
早朝起床。6時すぎのバスで郎木寺(langmusi)へ。乗客はみなチベタン。地平線まで花畑の大草原を、おんぼろバスでぶっ飛ばすのがこんなにも気持ち良いなんて。
しばらくして、ちょっとした峠に差しかかったのだけれど、峠の手前で皆が小さな声で歌を唄いだした。お経のような、呪文のような。ちょうど峠を越えるとき、皆が一斉に窓を開き、小さな紙切れの束を空へ向かって手放す。ぱぁーっと色とりどりの紙片がバスの周りをひらひらと包んで、このままみんなでどこか知らない所へ行ってしまいそうな、不思議な一体感。自分が自分でないような、浮遊感。
郎木寺は、四川省と甘粛省の丁度境目にあって、村の真ん中を省境が走っている。村には、セーティ・ゴンパとキルティ・ゴンパの2つのゲルク派の大僧院があって、省境を挟んで向かい合うかたちになっている。どちらの僧院も、文化大革命によって壊滅的な被害を受けたが、80年代以降復興が進められている。この2つのゴンパは、案の定というか、とっても仲が悪いそうだ。
ドミトリーの部屋に入ると、エルビーと名乗る、インドゴア出身という怪しい系中年白人がいて、既にガンジャでキマっている模様。そのあと、延々とこれはいらんか、あれはいらんかと、バックの中からおもちゃやら置物やらを引っぱり出してきて、セールストークを受けることになる。まことに迷惑な話だけれど、こういう人は結構好きだ。
郎木寺の家屋はいたって質素なつくりで、屋根は木板を石で押さえてあるだけ。村の真ん中に、宿と食堂が数件あるだけの静かで小さな村だ。
集落のある周囲の高台を歩いていると、2人のチベタンの若者がいて、西瓜をごちそうになる。彼らは10日後に遙々インドにむけて旅立つそうだ。つまり亡命するということでしょうな。それで、今日から英語の勉強を始めたのだそうだ。ずいぶんと、計画性の無い亡命だなと思ったが、この人達の亡命はそんなものなのかもしれない。きっと僕たちには想像のつかない旅をこの人達はするのだろうな。こうして毎年インドのダラムサラに向けて亡命するチベット人は多い。
英語を教えてくれと彼らに言われて、とっさに「面倒臭っ」と思ったが、彼らの熱心さは本物のようなので、拙い僕の英語を、彼らにすりこんでしまった。
この村の坊主は、村人に対して威張っているふうがある。坊さんとはそのようなものだろうか?
セーティ・ゴンパの、とある坊さんが、僧坊に案内してくれるというのでついていった。彼の僧坊は、見た目新しく、おそらく築1,2 年といったところ。ちょっとした庭までついていて、一人で住むのには申し分の無い住環境だ。きっと、セーティ・ゴンパのなかでも、位の高い僧なのだろう。いろんなものを見せてくれたが、ダライラマの写真よりも、「彼がコーラ持参で仲間の僧と一緒に草原にピクニックへ行ったときの写真」のほうが面白かった。
そろそろ布施をして帰ろうと思いたって、20元ほど懐から取り出して手渡そうとしたが、怪訝な顔をしていらないと言う。そして、僕の親父の職業をしきりに問いただしてくるのだ。彼は10万元を要求してきた。ざっと150万円ほどでしょうか。何に必要なのかと尋ねると、本堂の改築費用が全く足りない状況なのだそうだ。きっと彼は、本堂改築プロジェクトの予算調達係などになってしまったばかりに、日々予算の調達に頭を悩めているのだなあと思い、気の毒に思ったが、無論10万元なんていう大金持っていないので、丁重にお断りした。