April 2, 2010

本の話、いろいろ。エンブリオロジストって?<Kyoto, Japan>

今週の初めにやっとジュニア新書が校了(全作業終了)しました。

いやあ、疲れました。最後の最後で、細かいところが気になって気になって。。しかも、いくら考えても解決しない問題があったり、また、あまりに何度も読みすぎてるために余計なことまでいろいろと考えはじめてしまったりして、全く本を完成させる大変さを今回の作業で実感しました。と、ともに、やっと完成にこぎつけた充実感はなかなかのものがあります。4月21日ごろ書店に並ぶ予定です!

そして、それが終わっていまは、『遊牧夫婦』の最後の仕上げ作業中。こちらは5月末ごろの発売を目指して最後の詰めに取り組んでいて、まだまだ作業は続きそうです。

さて、今回は本の話が続きますが、ひとつ紹介を。

ちょっと時間が経ってしまいましたが、上海時代の知人であるライターの須藤みかさんが、1月に『エンブリオロジスト 受精卵を育む人たち』(小学館)という本を出されました。「小学館ノンフィクション大賞」の大賞受賞作です。

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ちょうど、そよが生まれた後だったので、自分たちも出産にかかわるテーマというのはとても身近で、二人でとても興味深く読みました。

「エンブリオロジスト」

って聞いて何のことか分かるひとって、とても少ないのではないかと思います。ぼくもこの本のタイトルによって初めて知りました。それは、不妊治療において精子と卵子が受精したあとの「胚」を扱う医療専門職のこと。正確な書き方ではないかもしれないけど、1個の精子を卵子に注入する顕微受精などをまさに行なう専門の技術者です。

その世界は全く知らなかったものの、イメージ的には、これって医者がやるのでは?と気がしていたけれど、そうではないのです。じつは専門の技術者がいるんです。
しかも、エンブリオロジストは、「医療者としての国家資格を必要としない職業」であるというのはなかなか意外なことではないでしょうか。

体外受精成功のカギを握る重要な存在でありながら、関係者以外にはほとんど知られていないこの職業について、「彼らはいったいどういう人たちなのだろう」という思いをもって書かれたのが本書。須藤さんがそのような強い思いをもってこの取材を始めたのは、まさに須藤さんご自身が不妊治療を受け、直接エンブリオロジストたちと向き合っていたからです。

そんな著者の、他人事ではない真剣な思いが伝わってくる内容です。エンブリオロジストとは、どういう人が、どうやってなっていくのか?その仕事はどういうものなのか?彼らがどんなことを考えながら、日々「いのちの素」を育むという作業を行なっているのか? とても興味深くも知られざる世界が、ぱっと目の前に広がります。

興味ある人は是非読んでみてください!

ちなみに、この須藤さん編著で、『上海路地裏散歩(仮) 』(双葉社)という上海に関するエッセイ集のようなものが4月20日ごろに刊行されますが、ぼくもこの中で7ページほどの小文を寄稿しています。詩人金子光晴の上海ライフと、自分たちの上海生活を重ねたエッセイです。よかったらこちらもご覧下さい。

<親ばか最新そよ情報!>

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(寝返りの練習(?)のあとに突然大泣き。※これは予防接種後ではありません)

昨日また、そよの予防接種に。こんな小さな身体に針を刺され、「うえーん」と泣き出すのを見ているのはなんともしのびないですが、でも、どうも乳児は、なんと10秒ぐらいしか直近の記憶を保存できないとか聞きました。その通り、確かに辛そうに泣いていた数十秒後には、何事もなかったかのように、うはうは笑っていました。記憶の保存期間が短いって、ある意味すごい幸せなことだなあ、とそよを見ながら感じました。






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(上の10秒ほど後)


Posted by ykon at April 2, 2010 11:34 PM | トラックバック
コメント

おもしろそうな本ですね~!私も是非読んでみよう~!
そよちゃん、ゆうきくん似やね☆
だいぶ顔の表情もしっかりしてきて、ますますかわいくて
しかたないですね!
そういえば、昨日京都にコンテンポラリーダンスとやらを
観に行ってたのだけど、連絡すればよかったな~。
5月の「遊牧夫婦」も楽しみにしています!

Posted by: cookie at April 4, 2010 11:31 PM

>cookieさん

どうも!ありがとう~。また今度ブログに書きますが、そよは予防接種のあとに異変を起こし、1泊の検査入院で脳波、MRIまでやることになってしまいました。。でも、何事もなく無事に退院し、ほっとしました。
また、京都に来ることあれば連絡ください!

Posted by: ゆうき at April 8, 2010 9:43 AM

おひさしぶりです。木村です。
実は結構前から、ブログを読ませていただいていました。

どの木村かと言うと、近藤さんが大学院にいたときにお世話になった、氷とか衛星とかをやっている木村です。
昨年の秋から、近藤さんが以前いた研究室にいます。(場所は変わりましたが)
機会があったら、遊びにいらしてください。

うちも昨年女の子(3人目)が生まれたので、親ばかになる気持ちがわかります。
これからもっとかわいくなりますよ。

Posted by: きむら at April 8, 2010 6:25 PM

>きむらさん

コメントありがとうございます!
まさか、あの木村さんがブログを見ていてくださったとは!とてもびっくり&うれしいです!流体研(とはもう言わないのかもしれませんが)にいらっしゃったとは全く知らずでした。で、いまサイトを拝見しました!

いやあ、もうあれから10年近く経ちますよね~。木村さんもお元気そうで何よりです。自分は柏キャンパスにすら行ったことがないのですが、是非いつか機会を見つけてご挨拶にお伺いしたいです。すっかり自分は流氷の世界からはかけ離れてしまいましたが、いまもあのころに得た理系的な素養が仕事に役立っていることは多いです。

お子さん3人目ですか!賑やかそうでいいですね~。確か当時、木村さんはお子さんがお生まれになったとかならないとか、というころだったような。。記憶違いかもしれませんが・・・。

またお会いできるのを楽しみにしてます!
山口先生にもどうぞよろしくお伝えください!

Posted by: ゆうき at April 8, 2010 9:52 PM

近藤さん:
木村です。憶えておいてもらえてもらえてよかったです。
放浪しておられるころ、ブログの更新を楽しみにしていました。(もちろん今も)

ご記憶の通り、長女が生まれたのは近藤さんが修士を終えた直後です。
私はその後、北海道、四国と国内を移り住んで、あまり来たくなかった関東に来ました。
住んでいるのは茨城の田園なので、わりと気に入っていますが。

これからもあっと驚くような活躍を期待しています!
柏にもぜひお越し下さい。

Posted by: きむら at April 9, 2010 5:20 PM
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