●March 2003

March 11, 2003

momo

3月3日、有楽町で桃の花をもらった。
「日本一桃の里」山梨県一宮町が観光事業の一環として、街行く人に配っていたもの。
小さなつぼみをいっぱい付けた束を暖房の効いた会社のフロアに持ち帰ると、目で見ても分かるくらいのスピードで枝先のつぼみが膨らんで花開き、皆の目を楽しませた。

あれから一週間。
私の部屋の隅でこの桃は、持ち帰ったままの姿で佇んでいる。一度開いた花は、冬に戻ってしまった現実に戸惑いを隠せず、ポカンと開いた口のようだ。

・・・私の部屋は、まだまだ寒い。
4月になったら、桃源郷の一宮町へ行ってみたい。

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March 06, 2003

SEP26・01 Ayutthaya 3 - Thailand

宿にいつもいるトゥクトゥクドライバーの、これまたいつもいる息子チャームくん。こやつは毎晩、ナイトマーケットへ行く誰かにくっついてきて、一口しか飲まない甘いジュースや、その他指差せる限りの食べ物をねだる。日本人の女の子は大抵彼の餌食になり、「チャーム、もぉチャームひっぱったらダメ〜」なんて言いながらニコニコして母性をばらまいている。旅をしていると、こうして上手に旅行者にかわいがられる術を心得た子供にしばしば出会う。

私はチャームに対して全く母性を見せていなかったので、ナイトマーケットで出会っても賢い彼は私の方へは一瞥をくれるだけだ。しかし、今日は私の持っている水筆ペンに興味を示し、「こりゃ何でも言う事聞いてしまうわな」と納得の満面の笑みを浮かべて寄ってきた。私は暇な時間を有効に使うべく、小さな18色セットの固形水彩絵の具(Winsor & Newton社製)を、墨の代わりに水の入った水筆ペンで溶いて、四つ切サイズを適当に切った画用紙に絵を描いたりする。A5サイズのプラスチックケースに数枚の画用紙を入れておいて、描く時はケースを画板代わりに使うと、道具全部でも小さなポシェットに入るくらいに収まり、とても気に入っている。

彼は水筆ペンを持ち、18色を順にグリグリ触っていく。水を出さずに全色触るもんだから、筆先はボサボサだし、固形絵の具は白も黄色も茶色っぽく汚れていく。でも、人はこんなに嬉しそうな表情が出来るのだ。さすがの私も微笑んで遊ばせていた。しかしチャームはやっぱりチャームだった。「くれ」。そう言っている。目で。「これ、面白い。くれ。」結局は駄々をこねる彼を父親がなだめて連れ去った。後味が悪かった。

Posted by asummer at 10:50 PM | Comments (0)

March 04, 2003

SEP25・01 Ayutthaya 2 - Thailand

自転車を借りて遺跡の町へ出る。何が悪いのか、方向転換の極めて困難な自転車を操るのに苦労し、観光客を乗せて歩く象にぶつかりそうになる。そんな自転車で、チャオプラヤ川にかかる大きな橋を渡る。車道の端の方をよろよろ行く私を、物珍しそうに大量のバイクが振り返っていく。

遠出をする時に限って、雨が降るものだ。さっきぶつかりそうになった象と同じ布を背中に垂らしたたくさんの象と、同じくらいの数の人が共に休む小屋の近くで雨宿りをする。しかし私の目は、その象たちよりも、一緒に雨宿りしていた雄犬のすごいモノに釘付けになった。犬って・・・足で頭を掻く時、ブツの先から、ほら、リップクリームをクリクリッと出すように・・・出てくるのだ。知らなかった。初めて見た。その犬は頭を掻くのを止めなかった。興奮冷めやらぬ様子で日記帳に描かれた絵はだいぶ恥ずかしい。

  

Posted by asummer at 11:13 PM | Comments (0)