(今日は、戦時中のユダヤ難民居住地区を歩きました。写真はユダヤ難民収容所があった場所にいまある住居。これが収容所の一部だったのかは不明。ちなみにこのブログ本文とは無関係)
新聞によれば、最近広州で、物乞いを免許制にしようか、という議論がおきているとのこと。
「最近の調査によれば、広州では、本当に困っている物乞いは5%ぐらい。あとはみな職業物乞いで、お金を稼ぐためにやっているだけだ。体に障害などがあって本当に物乞いするしか生きる方法がない人のみに政府が免許をあげて物乞いすることを認め、他はみな排除するべきだ。職業物乞いのせいで、本当に困っている物乞いにも、通行人が見向きしなくなる」
という声が上がっているとのことなのです。そして、大学教員などがそれについて賛否両論を述べていました。「そうした方が街のイメージ作りによい」「いや、結局ニセ免許が出回ってしまうから、そんなのは意味がない」などといった、意見のやりとり。
さすがにこれには唖然。。。
物乞いがお金を稼ぐためにやっているのは当然のこと。体に障害があったりするわけではなくとも、みな本当に貧しくて、物乞いでなんとか一日10元程度を得て暮らしているというのが、自分が上海で取材などを通じて見てきたことです。実際に物乞いをしてすごい儲けている人がいるというのはおそらく都市伝説でしょう(子どもを貸し出したりすることを仕事にしている裏の組織は中国にもあるかもしれません。石井光太さんが書いた「物乞う仏陀」(文藝春秋)にインドでのその例が載ってます。石井さんは、手足がスパッと切れている物乞いは、誰かに切られて、その姿で物乞いをさせられている可能性が高い、と確か書いていましたが、上海にも一人、以前よく見た物乞いでそういう人がいました。昆明では複数いました。その場合、彼らはもちろん被害者)。
それに、ある物乞いに対して「彼は物乞いするしか生きていけない」と政府が認めるのであれば、やるべきことは、物乞い免許をあげることではなくて、彼らが最低限の生活ができるだけの支援をすることなのは明らかでしょう。そこが最もおかしいと思ったのですが、紙面の意見の中に、そういうことが全く出てこないことに唖然としました。
基本的に中国のほとんどの報道は、政府の発表をそのまま伝えるのみ(一部雑誌などでちゃんと批判を書いているものもありますが、やりすぎると発行停止などになってしまう)。だから、結構こういうはちゃめちゃな提案がそのまままかり通ってしまうんだろうなと思います。
ところで、上海では来月からか、クラクションが禁止になるとか(市内の一部?)。確かにクラクションはうるさいのですが、だからといって、禁止にしてしまっていいものか。。。それもただ、「『禁止になるよ』」と政府が発表した」という記事が載っていた程度。
ちなみに毎日読んでいるのは、CHINA DAILYという英字新聞のみなので、中国語の新聞の中にはもうちょっと違うのがあるのかもしれませんが。。。うーーん、これでいいのだろうか中国、と日々感じてます。
(ユダヤ人地区から2時間ほど歩いて、親しみのある界隈へ戻る。奥に見えるのがテレビ塔。左右が歴史あるホテル・和平飯店)
(その和平飯店の下では、暑さに疲れたのか、ぐったりとした中国人観光客が大勢座り込んでいた。ずらりと並んでいてなかなか壮観)
懐かしいなぁ…和平賓館。
15年ぐらい前に泊まりました。
ジャズ聞いてチャールストン踊ったりしたなぁ。
もうあの頃の面影はないんでしょうね。
お久しぶりです。記事を興味深く読ませてもらいました。「本当に困っている物乞いは5%ぐらい」ってのは以外に少ないなあと思いました。
たまたま昨日、日本の物乞い(ホームレス)と韓国・アメリカの物乞いとの違いを話し合う機会がありました。日本の物乞い(ホームレス)が他の国々のそれと決定的に異なる点は金銭・物をねだらないことだそうです。そして自分達以外に全く無関心であるとのことです。まあ自分達に以外に無関心というのは都市部や若者の間でそんな状態にある気もしますが。
近藤さんはかなり写真に精通しているようなのでこんなサイトをご紹介いたします。僕も「ライシャン」という名前で頻繁にしようしています。
http://www.zorg.com/
私も唖然としました。。。
でも、ゆうきさんがこういうの書いてくれんかったら
知ることなかったんかなと思うと
もっといろんなことに興味持っていかないかんなーと
改めて感じました。
免許って・・・すごい発想だなぁ・・・。
>イシヅカ先生
和平飯店に泊まられたことあるんですね!15年前、どんなだったか分からないのでなんともいえませんが、和平飯店自体は多分それほど変わってないのでは?ジャズは、いまはおじいさんたちが演奏しているような(有名な一方で、なぜか「上手くない」という評判をよく聞きますが)。建物はおそらく出来た当時から変わってませんが、いまは改装中とかで閉鎖してました。
>ライシャン
おお~、久しぶり!コメント、なぜか非公開になっていたのを気付かずにそのままになっていてごめん。
「本当に困っている物乞い」というのをどこで判断しているんだ?っていう話だよね。多分、体に障害とかがなければ「困っていない」とする、とかそういうレベルの調査でしかないと思うよ。日本のホームレスが「物を乞わない」というのはまさに自分もそういう印象です。それは確かに日本らしいところだよね。
そのサイト確か聞いたことあったような。写真をアップするサイトって最近結構あるね。ライシャンで検索したら、逆さまになってる写真が見つかったよー。
>ちえちゃん
免許っていう発想は、なんか中国ならではって気がするね(笑)。こっちの新聞読んでるとほんとにそういうびっくり&面白ニュースが多いよ。また何かあったら載せるね。
Posted by: こん at May 27, 2007 9:33 AM