サイゴンで買った通しのバスチケット最後。
AM7:30 HoiAn → PM13:30 Hue フエ
フエは、この騒々しさの塊ベトナムにあって、澄んだフエの音が(・・)聞き取れるような、静かでしっとりゆったりまったりな古都。ベトナム最後の王朝グエン朝の都があり、ベトナム戦争の激戦地だった。王宮の敷地内にポッカリと、昔はそこに何かがあり今はもう無い、という色をした草原が広がっている。
京都のような位置づけなんだろう、初めてベトナム人観光客に会った。
新と旧のフエを分断するフォン川の支流が大活躍のこの街。王宮を囲む天然のお堀となったり、市場への野菜を運ぶボートの発着所になったり、水上生活者たちの居場所になったり。適当に川岸を歩くのが楽しい。でもたまに「ノー(行っちゃダメ)!」、次々にオバチャンたちがやってきてズボン下ろして・・・、まあ排泄所になったりも、する。
そんな支流の一つ、同じ角度に揃って並ぶ舟に飾られた、ドンバ川。
うち一隻に、ほんとにほんとに愛くるしい女の子がチョコンといた。男の子みたいに短く刈った頭に、ピンクのフリフリワンピース。そして吸い込まれそうな目。全く笑わない目。川岸の私と目が合っていると思うのに、ずっと遠くの何かを見ながら、ただフエのまったり空気を吸っているだけのよう。
その子のおうち舟で、晩ご飯をごちそうになった。お母さんとおばあちゃん、その子とそのお姉ちゃんと、私と同じくテキトーに入って来たらしい近所の子供たちとで、「マーディン アン クヮム ヤーデン ソーイ」(多分、”皆で食べましょう”とか)。
ところでこちらで一番通じないのが、「これは何?」だ。どこでも何でも、”What is this?”のつもりでジェスチャーすると必ず、「これちょーだい」と受け取られる。今日も、おかずを指して「これ何?」と聞くと、まだお皿に残ってるのにお代わりを盛ってくれる。で「もういいの」と手を振ると、「超おいし〜」とでも受け取られて、皆めちゃめちゃ嬉しそうな顔してくれちゃうのだ。もう、食べるしかない。そんな私をキョトンと見る、あの子の笑わない目。
くるしい。
玄関の戸を開けたら、何やらゴソゴソ音がする。
これかなりコワイ。
二ヶ月に一回くらいは鍵かけるのを忘れて外出するので、帰って開いてるのに気付いてドキドキしながらそーっと中を覗く、、というのにはまあ慣れているけれども。
でも音がするのは、かなりコワイ。
しかも人のいる気配はしない。実際姿も見えない。
・・あ窓に。
窓と簾の間に。
はと。
うち網戸が無いので。かなりオープンなんです、いつも。
そういえば去年はセミが。
いやハト度胸ある。賢い。
キミと私の間には簾がある。パッと飛び掛ることは出来ない。
だから安全だと思ってジッと私を見つめてる。
(んでしょきっと。歩行者からはババッと逃げるけど、自転車乗ってる私に対しては平然としてて、
踏んづけないかヒヤヒヤする、あの賢さと一緒だ。)
動かない。動かない。
「うーん、でもそっからどうすんのさ。侵入歓迎やけど、フンしたら、ちょっと怒るよ。」
と暫く睨めっこ。
見れば外の手すりにはもう一羽。首かしげて覗いてる。
やっぱハト賢い。
携帯カメラ取り出したら、アカラサマにびびって、あたふた。
飛び道具じゃないってば。
でもすぐ落ち着き取り戻して、「じゃね」て感じで出て行った。
ばばいまたね。
ちょっと「幸福の鳩」なんて言葉を思い浮かべてしまった。ふふ。
6月4日。
咲いた咲いた。
何てかわゆいの
あ、花びらの端っこうぶ毛生えてやんの
筆でつついて受粉させてあげようか・・・
と思ったけどあれ、れれ
花が終わればそこに種が出来るでしょ
この種が子孫を残すモトでしょ
でもこの子っておいもから伸びた芽が大きくなったやつでしょ
んん
このおいもって土の中でしょ
おお
じゃがいもは、
”地下茎が枝分かれし伸びた先が肥大化してでんぷんが蓄積したもの”
土の中のはクローンで、
地上の種は(他株と交配してれば)別の遺伝子の子孫なわけだ。
ちょっとじゃがいも
かなり確実路線でかーなり賢いね
ヒトもさ
万が一、共同作業で子孫残す相手が見つからなくても
自分の遺伝子を後世に残せる体なら安心なのに
・・・てコワ