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- Drifting into Eurasia 99/06 Archives -

at Hong Kong (香港) on 02/Jun/1999

Posted by snotch at October 22, 2002 4:24 AM

 今日から試しに、1238 日前の日記をつけてみたいと思う.最後まで続けば最低10ヶ月以上続くことになります.

1238 days ago >>> 02/June/1999

 13:25 赤鯔角機塲 ( Chek Lap Kok Airport ) に到着。ノーマン・フォスターの新空港を後にし、できたての高速道路を走ること約30分.九龍半島のモンコック辺りまで来たところで,商店の前に出した丸イスに座るランニング姿のオヤジが目に入り,香港は2年前と変わらぬ様子.
 九龍城なき後、香港らしい場所といえば重慶大厦 ( チョンキンマンション )である。香港にいる人種の多様さを、一番肌で感じる場所かもしれない.東南アジア、インド、中東、アフリカ、ヨーロッパ,とにかくあらゆる人種がひしめいていて,エレベータの中で五大陸制覇もおそらく可能である.一階では、本場のチャイ、中東のお菓子を味わうこともできてしまう.入って右側3件目のアラブ人経営の両替所は、香港で一番レートがよいというもっぱらの噂.
 九龍と香港島を結ぶスターフェリーには何度も乗った.100年もの歴史を持つこのフェリーは、サラリーマンからお年寄りにいたるまで,今でも市民の日常の足として活躍する.海中を通る地下鉄、高速道路もあるのだけれど,フェリーがダントツに安い(HK$2.2 約35円).日常の交通手段の選択肢に,船があることがうらやましい.

at 香港, 中国 on 02/Jun/1999 at 香港, 中国 on 02/Jun/1999

at Hong Kong (香港) on 03/Jun/1999

Posted by snotch at October 23, 2002 9:25 AM

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 香港は亞熱帯気候である。5月から9月にかけてが、いわゆる夏にあたり、非常に蒸し暑い季節。この季節の平均湿度は 86% にも達する。宿のファンが壊れたので部屋は蒸し風呂状態で、朝起きると衣服がべっとりと肌にまとわりつく。
 香港島を海から少し内側にはいるとすぐにガジュマルなどが生い茂る亜熱帯の森が広がり、植物の力強さを強く感じる。繁華街を歩いていても、植物が生い茂る比較的大きな公園が点在していて、散歩にもちょうど良い。香港島の東西に伸びる繁華街のほぼ中心付近に、香港公園という公園がある。周囲には中国的な凝った意匠のビルが建ち並ぶ。ここにいると、不思議な非現実感におそわれる。ロボットのようなビルは、ポール・ルドルフの力寶中心(Lippo Center) 1988。

at Hong Kong (香港) on 04/Jun/1999

Posted by snotch at October 24, 2002 10:14 AM
 香港島の海抜は554mで、その頂上が太平山頂(ビクトリアピーク)である。通常は、トラムで展望台まで行くが、歩いて行くこともでき、時間があればこちらの方がお勧めだ。
 山腹の原生林並みに植生豊かに生い茂る亜熱帯植物は、1870年代にはじまる香港政府の植林政策によって蘇ったもので、それ以前は岩だらけの斜面が広がるだけの「不毛の島」と呼ばれていたというのだから驚きだ。圧巻は、山の裾から中腹にかけて林立する超高層マンション群。下から見上げながら上ってゆくと、途中からくらくらとめまいがする。

at 香港, 中国 on 04/Jun/1999at 香港, 中国 on 04/Jun/1999

 いわゆる「100 万ドルの夜景」を見ることができる九龍方面とは反対側にあたる、ピークから島の南側に広がる眺めは、つい 150年前には、ここが人口7,000人の小さな漁村にすぎなかったということを納得させてくれる。かつて、島の南西部にある港から香木の積み出しが盛んに行われていて、周囲に香木の香りが漂っていたというのが「香港」という名称の由来らしい。

at 香港, 中国 on 04/Jun/1999

at Hong Kong (香港) on 05/Jun/1999

Posted by snotch at October 25, 2002 1:03 PM
 重慶大厦 ( チョンキンマンション )の16階に宿をとって3日が過ぎたが、ひとつだけ気になることがある。この宿の空間に流れる無気力感と、倦怠感は尋常ではない。何でだろうと考えてみると、年齢、国籍、滞在理由が全く不明の西洋人が何人か滞在しており、彼らがこの雰囲気を作りだしているようであった。観察していて明らかなのは、彼らの滞在期間が半端なく長いということだ。彼らは、よほどの理由がなければ地上に降りていかない。降りていくのは、自炊のための野菜と卵、たばこ、トイレットペーパーを買うときくらいである。そして、自炊の時以外は何をするでもなく薄暗いロビーに居座っている。今日宿に戻ってくると、彼らの中の一人、ジョンが、僕のベッドがある部屋の壊れたファンを直してくれていた。礼を言うついでに、おそるおそる聞いてみた。「ここにはもう長いの?」 、 ・・・「12 years」。

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 香港最後の夜。九龍の先端から香港島をのぞむ。とってもとってもキレイ、しかし、アローンなんですね、これが。香港の最後に、お勧めの本をご紹介。

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