今日の宿泊地に到着したのは、21時をまわった頃。サルチュの少し先にあるキャンプ地には、百頭程の羊が放牧されているのと、20畳程度の広さのテントが4~5棟あるのみで、周囲の大地は、ほんの僅かの草と岩石に覆われている。ダル(豆のカレー)をいただいた後、テントの外へ散歩に出ると、上弦の月が眩しいほどに輝いていて、すぐ近くの山肌に積もった雪が、くっきりと目に映る。
寝袋に包まって布団に入ったが、テントの隙間から冷たい風が入ってくるのと、なぜか布団が濡れていて冷たいのとで、なかなか寝付けない。目をつぶっていると、風と羊の気配のみがテントの布越しに伝わってくる。