at 新疆庫車 on 10/Aug/1999
Category : [China Xinjiang(新疆ウイグル自治区), Drifting into Eurasia 99/08]
Posted by snotch at June 23, 2003 5:28 PM
クチャの市中は、ポプラ並木の道を馬車が走り、ウイグルの民家が迷路のような路地に沿って並ぶというように、シルクロードの面影を色濃く残している。市中の只中にある、モラナエシディン・マザール(默拉纳额什丁麻扎 molana eshiding maza)は、中東からこの地にはじめてやって来た、イスラムの伝道師「エシディン」のお墓だ。お墓といっても、現在では礼拝堂、ミナレット、前庭をもち、モスクと同様に機能する施設となっている。
総木造のモスクを実際に目にするのはこれが始めてであるが、石造だったのを、ちょっぴり無理して木造にしてしまったような印象を受ける。ポプラ葺きの屋根を柱に乗っけている具合など、木造で頑張って組積造を真似ているように見える。新疆では、古くから存在したシャーマニズムや、後の仏教の時代の影響を受けて、純粋なイスラム教のものとは異なる、独自の文化が形成されてきた。そういう新疆の歴史の一端が、小さなモスクの造りにも表れているようだ。