movabletype-Stylesheet 001
過度なブラウザ開発競争によって、html は本来の役割である文書とその構造をメタ情報(タグ)によって記述するという役割を越えて、レイアウト、文字の色、大きさ、などアピアランスに関するメタ情報の記述を含めるようになってしまった。
実際の制作現場においては、表示に関する指定をスタイルシートだけに頼ると、現状では、レイアウトの自由度がかなり限られてしまう。ブラウザとバージョンによって、場合によって解釈結果が大きく異なることも問題。業務用途でコンテンツを作成する場合、主に上記の理由によってレイアウトのためにテーブル、レイヤーを使わざるを得ないため、スタイルシートの使用は、フォントの種類、フォントの大きさ、行間、マージンやパディングの指定の役割目的にとどまっているサイトが多い。
movabletype はデフォルトの状態では一切テーブル、レイヤー、fontタグが用いられておらず、文書構造とアピアランスに関する記述が完全に分離されている。また、生成されるhtmlは、XHTML 1.0 の規格に忠実にそったものとなっている。理想を追求した結果として、Netscape Communicator 4.7 には対応していない記述となってしまい、レイアウトがばらばらに解釈されてしまうし、ひどい場合にはクライアントのプロセスが落ちる。また、Internet Explorerにおいても、表示が一部欠けたり、罫線が突然消えたりと、スタイルシートに関する動作の不完全さが目立つ。Operaも程度は同じ。
レイアウトに関しても、解決したいポイントがある。自分のように写真を多用する場合、写真と文字の自由なレイアウトの為には現状ではテーブルを使わざるを得ない。マージンの処理等は簡単に解決できるが、複数枚の写真にたいする文字の回り込みがうまくいかない。
ブラウザにおける表示の不完全さはそのうちに改善されるであろうし、最終的に目指す方向性としては movabletype の方針が一つの解とはなりうるだろう。movabletype のようなシステムが、本来の html の役目に忠実にタグ付けを行ってくれることで、webでの有用なアーカイブの可能性が一歩開けるのではないかと期待している。