(チューリッヒ駅にあったEURO2008の巨大オブジェ(下の人のサイズに注目)。つくりは大味だったけれど、この大きさは迫力ありました。今回EURO2008は可能な限り試合を見られたので大満喫)
アウシュビッツのあとでポーランドもすぐに抜けてしまい、その次に泊まったドイツ・ミュンヘンもまさに中継地点としてしか機能せず、早速スイスに戻ってきました。
ポーランド(クラクフ)からミュンヘンまでのバスは16時間で、朝8時にミュンヘンに着いたのだけれど、夜行バスに疲れてぐったりした状態で一泊しただけでミュンヘンはおしまい。しかも宿がまた大型ビジネス系ゲストハウス。荷物も預けられず、その代わりにあるロッカーはカギがついてなくて、カギは5ユーロ……。その上、ドミトリーはなんと一部屋40ベッド!!旅行者のことは全く考えず、とにかくいかに金のないバックパッカーを詰め込んで、あらゆるところで搾り取るかが勝負、という感じ。それでもヨーロッパは高いから、どうしてもそういう安い宿に人が流れ、ぼくらも流れてしまう、というのは実に悲しいところです。。。
(17時間かかっただけあって、クラクフからミュンヘンは地図で見てもかなり距離ありそう)
それはさておき、ミュンヘンから7時間ほど(乗り換え込み)の列車に乗って、素子の元同僚が暮らすスイス北部のウェーデンスヴィル(Wadenswil)へ。チューリッヒ(Zurich)のそばで、しかも目の前にきれいで静かな湖が広がる別荘地みたいな環境の街。元同僚の純子ちゃんとスイス人の旦那さんパトリックの家も、湖、駅ともに徒歩3~5分ぐらいの抜群の立地。ちなみに家は、築400年ほどで内装はシモキタのカフェをイメージさせるようなかわいい雰囲気(純子ちゃんはシモキタ出身)。
(パトリックと純子ちゃん。泳いで、飲んでの休日……。ぼくもこの11ヶ月で一番健康的かつさわやかな日々を送れてるような気がします)
ぼくらが着いたらすぐに荷物を置いて、湖に泳ぎに行くところからスタートしました。湖はほぼどこでも泳いでよくて、しかも、湖水浴のために軽く整備された芝生地帯は、ちゃんとエントランスがあって係員もいるのに、無料、というのがヨーロッパっぽいなあって思いました。船も近くを通ったり、すべるところも多いのに、注意書きなどが全くないのも、やはりヨーロッパっぽい気がします。
前も書いたかもしれないけれど、自分の知る限り、ヨーロッパは電車の駅にも駅員などほとんどいなくて、勝手に乗って勝手に降りるって感じだし、基本的に「ここは危ないから気をつけよう」的な注意書きのようなものがとても少ないイメージ。それに対して、日本はとにかくなんでも注意書きがついていて、それがないところで事故が起きたら、「なんでここに注意書きがないんだ?!」っていう風に行政が非難されることが多いけれど、最近思うのは、日本では注意書きがたくさんありすぎて自分で注意するくせがなくなり、子どもも何が危険なのかっていうことを自分で学ぶ機会を失ってしまってるんじゃないかな、って気がします。その点、ヨーロッパは各自、何が危険なのかを自分で考えて行動しているはずで、それは大切なことだなって思います。アメリカは逆に日本に近いのかな、っていうイメージですが。珍妙な裁判の話を聞く限り……。
(湖はどこでもこのように自由に泳いでOK。すばらしい環境です)
それはさておき、そのようにちょっとシャワー浴びようか、っていう気楽な気分で湖に飛び込める環境なので、ここに来てから毎日泳いでいます。やはり泳いだら毎日体調もよく気力も充実って感じで、やはりスポーツは必要だな、と自らの生活を省みてます。天候もよく、毎日暑くて、まさに水泳日和なので、かなりうれしいです。そして、その後は純子ちゃんたちの家の裏庭で魚を焼いたり、肉を焼いたりして外で夕食という、かなり優雅な生活を送っています。
そして昨日はパトリックの紹介で、隣町での肉体労働を手伝いに。湖沿いのビーチで行なわれた大きなパーティの後片付けで、日本でも学生バイト定番のガテン系の仕事で、豪華な昼飯もついて、謝礼を2万円ももらってしまいました(時給2500円(25スイスフラン)換算)。学生時代に日本で何度かやった肉体労働は、安くでこき使われるって印象があったから(一日やって交通費とか引くと5000円とか6000円になっちゃうイメージだったけれど、いまはどうなんだろう?)、スイスの物価・賃金の高さを肌で感じました(しかも、これは特にいい金額というわけではないらしいです)。そんなわけなので、外国からスイスに働きに来る人も多く、今日現場にいたごつい男たちの中にも4,5人東欧や旧ソ連圏の人たちがいました。たまたま彼らはぼくと一緒に作業してたのですが、そしたらそこでの共通語がやはりロシア語だったので、お!と思い、懐かしい単語を拾って話しかけてみたりしました(って、もちろん、全然たいしたことはいえないんですが)。ウクライナ人、ウズベキ人、スロベニア人、ともう1、2名出身不明なロシア語ユーザーがいて、このように旧共産圏からの労働者が西側諸国に多いとすれば、実はロシア語はそういう世界の共通語になってるのかな、と想像が膨らみました。当たり前なようで意外な発見でした。
現場では、彼らとぼく以外は多分みなスイス人だったので、すべてドイツ語(スイスジャーマン)。でもスイス人はかなりの率で英語を話すから(といっても、オランダ人やスウェーデン人ほどではなさそうだけれど)ぼくもほとんど困ることなく一日作業ができました。
ちなみに、仕事中でもちょっと時間があいたら適当に湖に飛び込んで汗を流してクールダウンし(ぼくも3回泳ぎました)、後ろではジャックジョンソンとかが軽快に流れ、大きな構造物の解体作業でそれなりに危険はありそうなのに、みな服装は裸か短パン、もちろんヘルメットなんてなし、休憩になれば途中の作業をすぐに放り出して休憩に(ぼくは、一つのネジを抜くまでやってしまおうと思って、2,3分長くやっていたら「まだやってるのか、休憩しろよ」と、リーダーに)、という軽い雰囲気で、これも実にヨーロッパらしいのかな、と思ったり。日本の肉体労働の現場って体育会系な厳しく理不尽なイメージがあるので……。
純子・パトリック邸滞在中は、ぼくはスイスのチベタンの取材をすすめ、素子は興味のある犬関係の施設の見学などをしたりと、現地生活っぽくて充実してます。そしてその合間に毎日水泳……。今日はやはりハードな筋肉痛。。。
この巨大オブジェ!すごい!!このBLOGに通じて、いろんなことを知ることができたので、ありがとう!
Posted by: buye at July 4, 2008 2:19 PM>buyeさん
このオブジェは本当に大きいよね~。ブログ、また見てくれるとうれしいです。こちらこそありがとう!
Posted by: ゆうき・もとこ at July 6, 2008 6:41 AM注意書きなどが全くないのも、やはりヨーロッパっぽい気がします。⇒北京5輪の選手達が直前合宿として日韓を利用しているのですが、福岡にスウェーデンの水泳選手団来る話で、日本の白いパンはたべられないから、普段食べているものを用意してくれ、と。これを日本人に変換し、日本で食べている米でないと食べないから代用品ではだめ、と言うだろうかと思ってしまいました。上海で部屋を借りる場合、注文をそこまで出すかという点は、適当に妥協する日本人より・・・ヨーロッパっぽい。ヒマラヤのゴミで多いのは日韓中。逆に一番持ち帰るのは伊隊、仏もスペインもまあまあ無いほうだとか。(野口さんによる)。(私が行ったときに聞いた→)ノルウェイの森個人のものでも入ってよくてそこでひらう実は持ち帰り可だった。このあたりは、その「ヨーロッパっぽいところですかね。
Posted by: omoko at July 8, 2008 12:02 PM>omokoさん
いろんな意味でヨーロッパは、各自の判断や自主性、自分の責任というのに重きを置いているなという気がします。スイスの湖や川では船がいるところでもどこでも、基本的に自分の責任で泳ぐのであれば勝手、という感じのようで、そういう社会だとやっぱり自分で考えて行動するようになるんだろうな、と想像できます。その点、日本はあまりにもきめ細かすぎるような。あまりに過保護に守られすぎていると、何かおきたときにすぐに人のせいにする社会というのにもつながっていってしまうのではないかなと……。
Posted by: ゆうき at July 14, 2008 6:47 AM