February 27, 2008

「スターリンに乾杯!」&半年ぶりの海!<Batumi-Black Sea, Georgia>


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(昨日、バトゥミでバスを降りると目の前は黒海!)

ついに黒海沿岸に到着!でもまだグルジアです。

昨日、首都トビリシから一気に黒海沿岸のバトゥミ(Batumi)までミニバスでやってきました。黒海が見え始めたときは、「うお~~!」とかなり興奮しました。海を見たのはいつ以来かなと思ったら、多分半年前の上海以来。後ろに雪山を望みながら見る海はやはりひと味違って、ほんとに黒海なんだなあという感じです。


(バトゥミはほんとにグルジアの端っこ。数キロ行ったらもうトルコのはず?)

バトゥミは港町で、ここからロシアやウクライナへ船が出ています。まさにここから船に乗ったらもう本当にヨーロッパ側に入ると思うと、とても感慨深いです(ぼくらは船には乗りませんが)。

街並は、いかにも港町という陽気さが漂い、なんだかマレーシアとかオーストラリアの海辺の町を思い出しました。気温もぐっとあったかくなり、かなりテンションが上がります。人の雰囲気も他のグルジアとは違って(詳しくは後述)、なんだか明るくいい感じです。

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(バトゥミはこんなトロピカルな町。ヤシの木なんていつ振りだろう......という感じです。オーストラリアみたい!)

グルジアに来てから今回が最初のブログアップになるのですが、すでにもうグルジアも終盤。本当はもっと見たいところがあったのですが、雪で道が閉ざされていたりしたために、首都トビリシの近くの数箇所のみ見てさっさと先に進んでしまいました。小さな国なの、一日の移動で端から端までいけてしまいます。

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(首都トビリシを丘の上から見た風景。街並みはとてもきれいなのですが、それからは想像のつかない、気の抜けない街です......)

さっと通りぬけてしまったもう一つの理由は、実はグルジアが思っていた以上に雰囲気が悪かったということ。もともと、首都トビリシは治安が悪くて旅行者を狙った強盗とか(しかも暴力が伴うことが多いというのが、ブルーです)が頻繁にあるという噂をよく耳にしていたので、なんとなくいやだなあと思いつつ入国したのですが、実際首都トビリシに降り立つと、じーっとにらみつけてくる柄の悪い若者が多く、なんだかヤンキー高校の校内に紛れ込んでしまったような印象を受けました。「ガン飛ばしてんじゃねーぞ!」とか聞こえてきそうな、ちょっと懐かしい雰囲気だったりもしましたが(笑)、町中がそんな感じなので、やはり落ち着きません(こちらの先入観もあったかもしれませんが)。夜、街を歩いてて、殴られて荷物を取られたという話もかなりの数あるようでした。

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(トビリシから30分ほど行った先のムツヘタ(Mtskheta)の教会で)

その上、アジア人蔑視が強いのか「ジャッキー・チェン!」とか「チン・チョン・チャン!」「メイド・イン・チャイナ!」とかそういった類いの掛け声が次々に懸かり、いやな感じ。イランとか他の国でも言われたことは多々あったのですが、グルジアではよく笑い声が伴ったり、なんとなくバカにしたような雰囲気満点なのが伝わってきました。しかも、トビリシのあるレストランに入ると、まだ客がいるのに「もう店はやってない、7時までだ」といわれ、そのときは、ああそうか残念、と思って出たのですが、翌日再びいくと、また客がいるのに「もう終わった、8時で注文は終わりだ」と......。これはいわゆる人種差別ってやつか?と思い、久々にかなり頭にきて、そのあと他の店で食事を終えたあと、戻って確かめに行ってしまいました。「まだみんな食べてるのに、終わりってどういうこと?おれが日本人だからですか?」と。そしたら、どうもほんとに終わりらしいような雰囲気もあって誤解だったのかもしれないのですが、なんとなーく、そうでないような気も......。ロシア語の会話だったためちゃんと分からなかったので勝手なことは言えませんが、トビリシ全般で、そんな風なあまり心地よくない経験が続いてしまいました。

自分がアジア人っていうこと、そして蔑視される対象になるということを久々に実感させられ、なかなか重苦しいものを感じました。

ちなみに「ジャッキー・チェン!アチョー!」といわれるとなんか心地よくないけど、「ナカタ、ナカタ!」って言われると、そう感じないのは、ぼくのジャッキーとナカタに対する気持ちの違いなのかな......?とか思ったり。

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(ゴリの中心に立つ巨大なスターリン像。やはり偉大すぎたせいか、台座はやたらと高いのに、その台座にはスターリンとも何も一言もかかれていなく、妙に孤独な印象を受けました)

一昨日、トビリシから1時間半ほどのゴリ(Gori)という町に行きました。ここはあのスターリンの故郷として有名な町で、おそらくいまは世界で唯一の、大きなスターリン像が立ち、スターリン博物館もあります。

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(スターリンのデスマスク)

スターリンが岡田真澄にソックリということには異論は少ないかと思いますが、若い頃の写真もやはりなかなかのイケメンでした。博物館はロシア語とグルジア語の説明しかないため、そんなことを考えながら写真を楽しむしかないわけですが、でも世界中で悪名をほしいままにしてしまっているスターリンが、こうして偉人として大事にされている町があることを知るのはとても新鮮でした。

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(やはり俳優のような若きスターリン)

そして驚いたのは、ゴリから12キロほどの小さな田舎の村で、その辺のおじさんに誘われて、10人ぐらいの男衆が酒盛りしているところに参加したときのこと。その小さな小屋の中に古いスターリンの写真が飾られていて、乾杯するとき、「スターリンに乾杯!」という感じで、スターリンに向かって杯を掲げていたのです。聞いてみると「もちろんスターリンはいい男だ!」とかそういう話になり、世間がなんと言おうがここではスターリンは英雄として語り継がれているようでした。

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(酒盛りの現場。奥の壁の中央に架かるのがしみがついて破れかかったスターリンの写真。これに向かってみんなで乾杯!大きなビンに入った黄色い液体はワイン。グルジアはワインが有名で、このあたりじゃみな自家製。2杯も一気飲みさせられて、少々きつかったです...)

村では、ウシ作戦を決行して民家宿泊を試みたものの、あえなく失敗。泊めてくれそうになったおじさんが一人いたのですが、彼の家に伺おうとすると、中で息子が「だめだーー!!」というような、猛反対の雄叫びを上げていて、申し訳なくなって退散。別のおばさんは「明日うちに泊まりにきなさい」と言ってくれたものの、明日っていうわけにもいかずで......。やはりこちらから泊めてくれ、というのはなかなかハードルが高いです。

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(ゴリから訪れた村、アテニ(Ateni)。こういう集落が集まって一つの村になっている)

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(村の教会。7世紀の建築らしい。修理中とかで閉鎖していたところもわざわざあけてもらいました。中の壁画も1000年以上前のものと思うと、さすがに歴史の重さを感じます)
ゴリもやはり町の若者は感じが悪く、柄の悪い連中に笑われたり、叫ばれたり。こんな中でアジア人が生きていくのはつらいなあ、と思っていたら、中国人がやっている小さな商店を発見してびっくり。入ってみると、なんと上海人が二人で店を切り盛りしていました。こんな環境のせいか、いつも以上に中国人が懐かしく、親近感が沸いて、久々に中国語を使って話しかけました。「ここでの生活はどう?」と聞くと、「中国に比べてグルジアは発展してないから、中国の方が暮らしはいいよ」とのこと。彼らもきっと、よく馬鹿にされたりしているのだろうと思いますが、本当に中国人はどこにでもいてたくましいなあと思わされます。

いずれにしても、そんなこんなで、あまりいいイメージをもてないままグルジアは終盤になってしまったのですが、昨日黒海が見えたときは、グルジア入って一番の興奮が押し寄せました。やっぱり海はいいなあと実感。リゾート地っぽい雰囲気で、ホテルも久々にちょっとお金を出して快適なところにし、夜も海辺のレストランで優雅なディナー。たまにこういうのが入るとやはり大きなリフレッシュになります。

あと、黒海にもイルカがいるらしいということで、素子がかなり意欲的になってます。果たしてここから見られるのか、どうか?

おそらく明日、トルコへと国境を越えます。


Posted by ykon at February 27, 2008 7:18 PM | トラックバック
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