(ネシャブーの街なか)
1月31日、首都テヘランに着きました。電車を降りたら、その暖かさにびっくり!
コートも2つとも脱いでフリースのみで町を歩けて、おお~ついに冬は終わり!?と大感激。これまでずっと寒さとの戦いのような日々だったので……。でも多分テヘランが今回の旅で最も緯度の低いところだと思うので、まだまだ油断はできませんが(イラン南部は行く予定ないため)。
(泊めてもらったタクシー運転手一家。彼らに加えて、娘の旦那とかいろいろ現れてさらに大人数に)
さて、聖地マシュハドからは予定通り、2時間ほど列車に乗って、マシュハド駅のお姉さんに教えてもらったネシャブー(Neyshabur)駅で下車。その親切なお姉さんに書いてもらった「この二人の日本人はイランの村の生活を見てみたいので、誰か一泊させてあげてください」というペルシア語の紙を持ってタクシーに乗ると、結局そのタクシーの運転手が「うちに泊まってけよ!」って誘ってくれて、ネシャブーから5キロほどのアブサディ(Abu Saadi)という村の彼のうちにそのままなだれ込み一泊させてもらうことに。土壁の家が並ぶ村って感じで、人の雰囲気も生活もそれっぽくて、なかなかラッキーな展開でした。
(一泊したアブサディ村。北側には山が見え、あの向こうがトルクメニスタン。東に行くとアフガニスタン)
運転手の子どもたち夫婦が充実している大家族で、友人らも、突然日本人が現れたことを聞きつけたのか、いろんな人がやってきて賑やかな一日。わずかに、ほんとーにわずかに英語を話す少年と、ぼくらのボキャブラリー10ぐらいのペルシア語で、地味に、しかしお互い想像力を駆使しつつ、誤解しまくりの強引な「会話」。でもやっぱりこういうのが旅をしてて一番楽しいひとときだなあと改めて実感。女の子の多い家で、素子は女の子たちとご飯を作りを手伝ったりして、ぼくは男衆と、やれ水タバコだ、やれナントカだ、さあメシだ食え食え、あとは座ってろ、ガハハハーみたいな、男中心社会にどっぷり。正直そういうのは落ち着かないのですが(いや、ほんとに!)、開けっぴろげで仲良さそうな家族の中で、ぼくもうかうかするとそういうキャラになりかけそうでした(笑)。
(夕食。イランでは絨毯の上にテーブルクロスみたいなのを敷いて、それをテーブル代わりにして食べる。この日はトマトソースのスパゲティとナン、それにトマト味の漬物。酒は一切ないので飲み物はコーラなどの炭酸飲料が主流)
(すっかり家族と仲良くなり、素子も姉妹の一人のよう。もちろん言葉は全く通じてないのですが)
(翌朝、小学校を訪問。女の子たちの服装がとてもかわいかった)
言葉が通じないし習慣も違うせいでちょっとしたゴタゴタもあったけれど、でもとてもよくしてもらって、やっぱり田舎に来てよかったなと実感。
(アブサディの村人)
しかし翌日、その家を出てからまた思わぬトラブルに巻き込まれて(?)しまいました。テヘラン行きの電車が夜11時半発だったため、とりあえず荷物を駅に置いて、町を散策。入ったちょっと落ち着く飯屋では、金額が予想以上に高くて、これはボッタクリカフェだろうと主人と交渉。薄笑いで明らかに「ボリました」って顔してるのに、うまく話せないので、同じメニューを頼んだ客が出るまで待つからね、ってことにして見学。みると、確かにぼくらが言われた値段と同じ料金を払っていたのだけど、その客が外で待ってたり、そのお金だけレジにしまわなかったりと怪しい状況証拠たっぷりだったんだけど、どうしてもシッポがつかめず。「な?おれ嘘ついてないだろう?」って顔のオーナーが、何気に愛すべき人物に見えてきたりして、しょうがないや、と思って言われた金額を払うと、なんだか満面の笑みを浮かべて札を数えだし、「はははーおれの勝ち」って表情。最後はなんか笑えて来ちゃいました。
(イラン人はお茶(紅茶)を飲むとき、角砂糖を一つ丸ごと口に入れて、それを口の中で溶かしながら飲む。一杯で2,3個食べるとか。ケーキ屋も多く、イラン人はとても甘党の印象)
(水タバコ)
で、トラブルっていうのはもちろんこのことではありません。
そのあと、適当にバスに乗って田舎の村まで行ってみようと思って町をうろついていると、突然パトカーが、「西部警察」ばりのドリフトで「キキキーッ」とぼくらの前に急停車。そしてパパイヤ鈴木の弟かスーパーマリオの従兄弟みたいな警官が出てきて、ぼくが手に持っていた一眼レフを指して「ノーフォト、ノーフィルム、カム・トゥー・ポリス!」というちょっとまずそうな展開に。イランではカメラ持って歩いてはいけないなんて聞いたこともなかったし、そこでは全く写真も撮ってなかったので、わけがわからず「なんで?」となり、この旅一番の大モメ開始。イランには、警官と称してパスポートや金品を奪って逃げるやつがいると聞いていたので、パスポートの提示を求められたとき最初コピーを見せました。そしたら本物を出せといわれ、周りには早くも50人ぐらいの人だかりができていたので、まあ大丈夫だろうとしぶしぶパスポートを出すと、それを「人質」に警察まで来い!という展開になりそうだったので、ぼくもパスポートから手を離さずにいると、なんとパスポートをグニャリと握りつぶされてしまったのです!
ここでぼくはほとんどマジギレしそうになってしまいました(イラン来てからこういうこととても増えた気がします……)。で、二つ折りになりながらもなんとかパスポートを奪い返し、「日本大使館に電話させろ!」と電話しようと思うも、「とにかく署まで来い!」の繰り返しでらちがあかず。ちなみにこの頃には群集の中から英語を話せる高校生が出てきて、彼が通訳をしてくれてました。
その後、公衆電話から電話はさせてもらえたものの、なぜか通じず(なんでだろう??)。署まで来いといわれ続けたものの「絶対にいやだ」と言い張り、そしたらハイランクな様子の私服警官が現れ、「彼が外国人担当だ」というのに、一言も英語が話せないのもなんか怪しく感じ、パスポートも渡したら返してもらえなそうだったし、握りつぶされたのがほんとにありえなかったで、パスポートを渡すのを拒否していたりしたら、そのまま押し問答2時間ぐらい……。最終的にはぼくもパスポートを見せ、その一方、英語のうまい新たなおっさんが登場し、ぼくらをなだめるように"welcome to iran! where have you been in iran? no problem, no problem, hahaha--" と超友好的手もみ状態で急接近……。
(ネシャブーのバザール)
そんなわけでした。それで完全に疲労困憊して、バスに乗って田舎にいくというのももうやめ、店でお茶飲んで、メシ食って、さっさと駅に戻って、11時半発の列車を待ちました。駅に戻る途中で、昨日泊めてくれたタクシーの運転手とばったり再会し、全く言葉が分からずとも笑いあえたら少し気持ちが回復し、さらに駅で、パソコン開いて、マクドナルドのハンバーガーを朝昼晩30日連続で食べ続けたらどうなるか、という実験的ドキュメンタリー"Super Size Me"(予想以上に怖い結果にびっくり!)を見ていたら、先ほど警察との間を通訳してくれた高校生の少年がやってきて「二人に会いに来たんだよ」と。そしてプレゼントに、イスラム教徒がお祈りのときに使うという数珠のようなものをくれました。「昨日会えて、うちに泊まってくれたらよかったのに。お母さんも二人をうちに招待しなさいって言ってたよ」その予想外のやさしい気遣いはとてもうれしいものでした。
その後駅では警察もいろいろと親切にしてくれ、少年とは2時間ぐらいお互いの生活について話しあってから別れ、ぼくらは11時半発の列車に乗車。なかなか密度の濃い、2日間が過ごせました。
列車は快適な寝台で、翌朝起きると、そばのベッドだったジョージ・クルニーとショーン・コネリーの間のような、超渋く誠実そうな大学の先生と話しているうちに、彼が「今日まだホテルが決まってないんだったらうちに泊まりにこないかい?」と誘ってくれたので、喜んでそうさせてもらうことに。
テヘランに着いてから、その暖かさに「やっと冬が終わった!」と感激し(と言っても、多分気温は一桁ですが)、彼、マクスッドとともにテヘラン郊外の彼の家へ。奥さんと9歳の息子と生後15日の娘、そして甥のエリート大学生フセインに温かく迎え入れられ、とても楽しい一日を過ごせました。帝王切開で子どもを産んだばかりなのにてきぱきと家事をこなしている奥さんを素子が心配すると、フセインに「ぼくの家族の女性は、病気でもよく働くから心配しなくても大丈夫なんだ」と言われ、「ああ、そうですか」とは頷けない気持ちながらもイランの女性のあり方を見たり、イランではトイレ(和式)は男も小便を必ず座ってすると聞いて驚くと、「立ったら周りに飛び散らないのか?」と突っ込まれ、「いや、うん、……ぼくもここでは座ってするよ」と苦笑い。息子レザーは、素子から習った日本語の単語をたくさん書き取り、「チューリップ」の歌も覚え、おもちゃのピアノで「咲いたー、咲いたー♪」と間違いなく弾けるようにもなってしまいました。
(マクスッド一家の家での昼食。肉、イモ、野菜など混ぜてペースト状にしたイラン料理を振舞ってくれました。名前は忘れましたが。あとヨーグルトにほうれん草を入れて食べるのですが、これが意外にいい組み合わせでとてもおいしかった!)
(夕食。イラン風ピザ。お好み焼きと似た味で、これもおいしかった)
ちなみに、ジョージ・クルニー似のお父さんマクスッドは、50歳ぐらいに見えるのに39歳だと聞いてびっくり。イラン・イラク戦争で3年ほど戦って苦労したせいで、白髪になってしまったとか。イランでは25年働くと定年で年金をもらえるらしく、15歳から働きだしたマクスッドは来年40歳でもう定年!!あとは死ぬまで年金がもらえるらしいです。すごいですよね。マクスッド家族の写真も載せたかったものの、マクスッドに「ぼくと妻の写真は、ブログには載せないでくれ」といわれたので、残念ながら。何か宗教的な問題のような感じでした。
で、翌日2月1日にテヘラン市内の安宿に。
テヘランは、人口1000万ほどの大都会。さすがに都会だけあって、女性の服装もマシュハドや田舎に比べてかなり自由度が高いです。頭に布をかぶらないといけないのは同じなのですが、多くの若い女性が頭を半分ほど出していて、髪を染めている子もいたり、布もグッチやヴィトンのスカーフだったり。髪を隠すきまりも半ば形骸化していそうな雰囲気を感じ、彼女たちも本当に早朝日の出前に起きてアッラーに祈りを捧げているのだろうか、という疑問が沸いてきます。
テヘランで、ちょっとしたビザの問題が発覚して、その解決のためもあってもう数日滞在することになりそうです。
(テヘラン・マシュハド間が1000キロほど。東京-広島ぐらい?Neyshaburはマシュハドから2時間ほど。テヘランの次は、おそらくまた少し小さめな村・Masulehへ向かいます)
ご無沙汰です。
ブログは拝見させていただいてましたが、もうイランですか!
少し暖かくなったようで安心しました。
東京は昨夜から続く大雪で5センチ位(屋根の上は10センチ)と今年最高の冬景色になりました。案の定、首都圏の交通機関は大乱れで相変わらず東京の弱さを感じました。
お陰で2月2日の夫婦の日・・・結婚記念日は家で静かに過ごしましたよ・・・。
いつになるか分からないのですが、新しいHPできたらお知らせします。
もっちゃんにもよろしく!
i am so happy you leave neyshabour healthly
i wrote a mail to your wife email
if you have a problem in iran you
can comeback to neyshaboor and i will
welcome you
and i will show/i and you can go to see/ you other very nice places
and history places and mueseum and wooden mosque
that is very very funny my correct phone number is :09363467099
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i check(see) my email every day .if you want to come here please
tell me by 09363467099
this is my mail to your wife that may be
she cannot read it so i put my last mail here
for you
hello and hello i hopeful always be SUCCESSFUL for you and your husband i am hamidreza from neyshabour/iran/
that i see you in street when you speaking with a police
i hope full for you to leave neyshabour healthly.so i pray for you after i seid good bye to you in train station
i am very very happyfull for FAMILIARITY with you and found you as friends.next day i was very RESTLESS and GAZING so i went to train station for CERTAINTY and i ask from soldier then i certained.
i never forgot you in my life.
i went to invite you in our house but you INTEND to go to tehran.
you are very good friends for me
when i left the train station i was very UNCOMFORTABLE and upset and DISTURBE.
so i couldnot LONGANIMIT so i TEARDROP very.and FEVER for 2 days.
you are very IMMACULAT and SINLESS and very good COMPORTMENT and so beatifull
and good-tempered\AFFABLE\ .and NOBLE and very kindly.
excuse me i forgot your name please send me your name
goodluck and be successful.
i keep your tickets and taht coin forever as MEMENTO THANK YOU VERY MUCH.
GOODBYE. HAMIDREZA555@GMAIL.COM
my phone number in iran is 09363467099
i bringed(brang)some money for you but i really forgot in train station and when
i arrived in my home i remembered please excuse me.then i cannot eat normally now
if you are health please say by email.if you have a problem in iran
please comeback to neyshabour if take bus you can come to mashhad then
come to neyshabour and in my house.you shouldnot CREDENCE to a body if you
dont know who is he/she.my correct phone number: 09363467099
いやあ、ワイルドなトラブルにまきこまれてるなあ・・・。パスポートが無事でよかったです(笑)。いつもながら二人とも逞しくてすごいね~。引き続き万事気をつけて。
Posted by: naoki at February 4, 2008 3:01 AM読みながらひやひや!
同じ国の中でも、ほんとうに
いろんな人がいますね。
イヤな思いをした後の
親切って、身にしみますね。
でも、たくさんステキな人との出会いもあって
羨ましいです!
パスポートをグニャリとはひどすぎる!ぼくなら失神していたでしょう。
ちなみにもしグルジアやアルメニアへ行かれる際は日本大使館が無いから気を付けて!万一パスポートを紛失すると、グルジアはアゼルバイジャンの、アルメニアはモスクワの大使館から誰かに来てもらわなきゃならないそうです。
>一郎夫妻
どうも!イランに入って、やっと先に進んだって実感がわきました。いよいよ中国は遠くなったなって感じです。東京での雪の話をこのところよく聞く気がしますが、なかなかハードな冬になってそうですね、日本も。夫婦の日&結婚記念日、おめでとうございます!ぼくらも来月で5周年!早いです。6周年は日本で祝うことになりそうな……。また!
>hamid
Surprised and happy to see your comment on our blog! thank you for everything you did for us in Neyshabur! it was very nice of you to come to the station to see us off(pity that we couldn't visit your place!), and we safely arrived at Tehran on the next day. As motoko has written to you, we are still in Tehran, planning to leave tomorrow to Masuleh(near Rasht). since I had some work to do(to write some articles), we had to spend today staying at hotel all day long!
But we are having nice time anyway. almost all the people we meet here are very nice and kind to us, and that makes our stay very happy here.
hope you also stay happy and enjoy your study.
let us know your recent some time in a while!
best regards,
yuki & motoko
>naokiさん
イランに入ってからアジア旅行っぽいちょっとしたトラブル続出だよ。でも、イラン人、ほとんど人が本当に親切でフレンドリーだし、テヘランの人々もとても洗練されていて、英語話せる人もとても多くて、イランのイメージ大きく変わったかも。多分明日(7日)テヘランでます。
>ちえちゃん
イランの人は本当に親切でフレンドリーで、なかなか感激です。イランの国に対するイメージ、こっち来てかなり変わったかも。全然危険ではないし、この辺は。これからまた村にいくので、新たな出会いが楽しみ!
>牛山さん
ぼくも、グニャリにはかなりびっくりでしたよ。あれ、新しいパスポートだったらICカードのところ折れてたね(笑)。そしたらどうなっただろう。。。グルジア・アルメニア、それは面倒ですね!キルギスのスリと、今回の警官の経験をフルに活かして、死守しないと。明日いよいよテヘランでます!