January 10, 2008

ウズベキの田舎にある日本語学校<Tashkent No.2, Uzbekistan>

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("NORIKO学級"のみんな。左から2番目の赤と黒の服の子が先生のホジャホンさん)

昨日、再びタシュケントに戻ってきました。

昨日まで6日間いたフェラガナ地方は、タシュケントとの間を険しい山によって隔てられています。ここ何日か強い雪が降ったためにその道が閉鎖され、帰れるかどうかわからないという状態になりましたが、なんとか昨日また道が開かれて無事に予定通り帰ってこられました。

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(フェラガナからタシュケントへの帰り道。この山間を抜けていく。雪は40センチぐらい積もっていた感じ)

フェラガナ地方での最後の2日間は、この一週間で最も充実した楽しい時間になりました。フェラガナのリシタン(Rishton)という小さな町に"NORIKO学級"という小さな日本語学校があることを知り、訪ねてみたのですが、ここでの日々が本当によかったです。

"NORIKO学級"とは、技術者としてウズベキスタンに赴任していた大崎さんご夫妻が99年に開いた学校(奥さんのお名前が"NORIKO学級"の由来)。日本人のボランティアや教え子たちが教師となり、数多くの現地の子たちがここで日本語を学んできたとのこと。

大崎さんはすでに亡くなられ、いまは日本人の先生もいませんでした。でも、教え子たちの日本語がとても上手で、彼らのうちの何人かが先生となり、毎日授業をやっています。
まず月曜に、宿のそばから乗り合いバスに45分ほど乗って「NORIKO学級」を訪ねました。ぼくらが行ったときに教えていたのはホジャホンさんという17歳の女の子。そこに十数人の生徒が集まってみんなで楽しく日本語を勉強中。生徒の中心は10歳前後の小さい子たちで、ぼくらが授業に参加させてもらうと、みなで日本語の歌や踊りを披露。トトロのテーマソングの「さんぽ」とか、ポンキッキでやってる「とんがれーとんがれー」とかいう踊りとかだったりで、これが本当にかわいくてかわいくて……^^。子どもっていいなあ~と再確認。

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("NORIKO学級"の教室で。これはウズベキスタンの伝統的な踊りをやってくれているとき。ナーナナナナナーナー!)

さらに火曜日は、厚かましくも"NORIKO学級"で学んだ生徒さんのうちに泊めてもらうことに。4人兄弟の一番上の男の子は現在、筑波大学に留学中。次男ディヨルさん、三男ドストンさんともに日本語がとても上手で、三男はタシュケントでこれまた筑波大学の先生とかとともに働いてるという、まさに"NORIKO学級"の重鎮たち。そして、4番目の女の子オイデノイも、「とんがれー」の踊りメンバーの一人で、めちゃくちゃかわいらしい子でした。

晩御飯をご馳走になり、そのあとは近くの友達のうちをハシゴ。次から次に日本語の上手な人たちが現れてびっくり。"NORIKO学級"の半径100mぐらいだけ、突然日本語通がゴロゴロいるという不思議な事態が展開していました。

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(近くの友達の家。日本語キャラ複数あり。ウズベキ人の奥さんとタジク人のだんなさん。この辺はタジク人が多く、ウズベキ語、タジク語(タジキスタンの言葉)をみな話し、さらにロシア語も大体の人が話せる)

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(先生のホジャホンさんのうちで。右から2番目のホジャホンさんと、「とんがれー」少女たち)

というわけで、子どもたちと楽しい二日間を過ごせました。ウズベキスタンに行ったら、是非多くの人に尋ねてほしい学校です。ぼくらはただ楽しませてもらって終わってしまいましたが、すべてがボランティアということもあって経済的にもなかなか厳しかったりと先行きは決して明るいばかりではないようです。でも、これだけ日本語の上手な子を育て、それぞれに新たな生き方を提供してきたこの"NORIKO学級"を、是非とも応援して行きたいなあと心から思わせる学校でした。

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(彼らはどこでもずっーと「とんがれーとんがれー」って踊ってくれてました)

さて、今日は、トルクメニスタンビザの受け取り。友人が受取指定日に行って受け取れなかったりという話も聞いたので安心できませんが、とにかく受け取れることを願って、これから大使館に向かいます。で、無事取れれば、多分明日サマルカンドに向かって出発。21日前後にはウズベキからトルクメンに入り、26日にはイラン入り、という予定です(トルクメニスタンはトランジットビザで5日間しかいられない)。いよいよ中央アジアも終盤です。

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(フェラガナ。雪の中でリシタンまでの乗り合いバスを待っているとき。雪と寒さで激しく体力を消耗するので、移動はなかなか大変……)

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(リシタンでちょっとした都合でお世話になった別の家族。彼らは質素な感じで暮らしていて、"NORIKO学級"とは関係なく、もちろん日本語など話さない。片言のロシア語でのやり取りだったけれど(彼らはロシア語流暢)みなとても親切で、特におじいさんは、このあとさむーーい雪の中、暗くなる中、ぼくらをずっとずっと見送って立っててくれた……)

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(リシタンは陶芸で有名な町。土の質がとってもいいんだとか。で、"NORIKO学級"の一画も陶芸の工房になっていました。上に書いた日本語のうまいディヨルさんも陶芸家で、そのお父さんや親戚の多くが陶芸家。写真はディヨルさんの先生)
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(その陶芸家たちが作った、タシュケントに新しくできる日本料理屋に出荷する食器類とかわいい大きな人形)


Posted by ykon at January 10, 2008 7:19 PM | トラックバック
コメント

こんにちは。
ウズベキ日記、ずっと拝見しています。
ロシア圏は日本語を学ぶ子供達が
結構いるんですか?
私の知り合い(日本語教師)が、
今カザフスタンで教壇をとってます。

でも、日本語に親しんでもらえて
嬉しいですね。

Posted by: koma at January 10, 2008 10:48 PM

>komaさん

こんにちは!年賀メールもありがとうございました!
ロシア圏で日本語を学ぶ人ってあまり多くないような気がします。だから、ここは結構例外的なような。。。ま、でも首都タシケントには日本語勉強している人はそれなりにいるみたいでした。キルギスタンでも日本センターがあったり、日本語やってる人はそれなりにいるっぽいんですが、日系企業もほとんどないし、日本語勉強してもあまり使い道なさそうで。。。

だからか、やっぱりこんな田舎で子どもたちが日本語話しているととてもうれしくなってきますよね。

カザフスタンで日本語教師っていうのはJICAの協力隊の人とかですか?

Posted by: ゆうき at January 11, 2008 8:16 PM
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