January 14, 2008

雪に包まれたシルクロードの都から<Samarkand, Uzbekistan>

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(雪に包まれた中のイスラム建築はとてもきれい!)

タシュケントでなんとかトルクメニスタンビザを11日に取得でき、12日、サマルカンドに移動しました。

しかしトルクメニスタンのビザ、本当に骨が折れました……。聞いていた以上のトルクメン大使館の理不尽さ、領事のウザさにかなり頭にきました。

受取日に向こうが指定した10日午後5時に大使館に行くと、「今日は領事が働いていないから明日また来てくれ」とガードマン。ビザ発行は完全に領事一人の判断にゆだねられているようで、彼がいないと何も進まず。マイナス10度とか15度の中、結構な距離を大使館まで行かないといけないのですが、彼の気まぐれに振り回され、タシュケント滞在を一日延ばして、翌日また行くことに。ちなみに領事、ぼくらが申請に行ったときも、大勢が寒い中待ってるのに、窓口の向こうのあったかそうな室内で友人らしき相手と電話で談笑しながらタラタラ仕事。

で、翌日金曜日の午後5時に行くと、またガードマンが「月曜日だ。今日も領事はいないから」と。。。

これにはさすがに二人とも頭にきて「何言ってんだ!」とボルテージを上げて言うと、同じくビザ待ちで大使館前にいた英語を話せる現地人が通訳をしてくれました。この怒りを伝えてもらうと、「もしかしたらこのあと領事が来るかもしれないからちょっと待ってみてもいいかもしれない。おれにもわからない」とガードマン。で、待つこと15分ぐらいで、領事現れた!

ビザ待ちの人たち(ぼくら以外はみな多分ウズベキ人)がにわかに盛り上がりみなで近づくと、領事は大使館の中に逃げ込んでしまい、ガードマンがよってきて、なんと「彼は来たけど、今日はもう働かないらしい。だからやはり月曜だ」と。

それを聞いて、マジでふざけんじゃねーって激しく抗議して、なんとか仏頂面領事を門まで引き出すことには成功。

しかし依然として「月曜にこい、今日は他の仕事があるから」と拒否する領事に、「(トルクメニスタンのあとに入る)イランのビザの有効期限があって、今日どうしてもらわないといけない!あんたが昨日来いっていったんだろう!」というと、さすがに彼も仕方ないなって顔になりましたが、最後はこんなセリフ。

「分かった、じゃ、この寒さの中、外で待てるんだったら待ってろ。1時間以内にはやってやるから。でも風邪引くぞ、帰って月曜にきた方がいいぞ」

行く前からトルクメニスタンの印象は最悪になり、5日間のトランジットだけど、3日ぐらいでさっと通過するだけでいいや、って気にさえなってきてしまいました。この場所になかったら絶対ここまでして行きたくないかも。なんかとーせんぼされてる気分です。

それから1時間ぐらい極寒の中で体の随所を動かしながら待って、なんとかビザゲット。本当に骨の折れる、しかも、ただふざけた領事の気まぐれに付き合うという不毛感いっぱいの作業でした。

これでやっと、中央アジアのビザ地獄最終関門クリア!イランまでの道が開けました。しかしいまのところまだこのルートを通過した人には出会ってないので、全然情報もなく、これからどんな世界が待っているのか不明です。聞くところによると、ぼくらが通過予定のトルクメニスタンのある街はいま、マイナス30度とのこと!うーーん、まだまだ超ハードな冬は終わらなそうです。

さて、ビザ作業を全て終えた翌日、タシュケントを出発。大きなバスに5時間ほど乗って、シルクロードのたぶん主役中の主役とも言えるサマルカンド到着。宿には、ビシュケクでしばらくにいて仲良くなったアメリカ人あり。彼も、トルクメニスタン大使館に一週間以上かけて4,5回通い、その結果分かったことは彼に必要なビザは取れない、ということのみ。で、あきらめてビザ作業から解放されてやっとサマルカンドに。

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(預言者マホメットの従兄弟の墓とされる場所。ここはサマルカンドでも聖地的な場所で、ここを3回訪れると、メッカに行ったのと同じことになるとか。右の人は巡礼者)

ちなみにいま、さすがにシーズンがあまりに悪いせいか、旅行者にはほとんど会わず(ウズベキの主要な観光地でも大部分の宿が閉まってるとのこと)。で、会う場合はほぼ確実にすでにどっかで会っている知った顔。多分いま、中央アジアのこのルートを東から西へ横断している人は、10人ぐらいしかいないじゃないか、と昨日そのアメリカ人と話してました(中でも日本人が一番多そう)。もう大体お互いメンツを全部知ってるっていうような雰囲気で、その分、旅行者同士結構仲良くなってます。東京で、友達にばったりなんてことはあまりないけど、サマルカンドやビシュケクでばったりってことは度々。それだけ旅先だとみな行く場所やすることが限られてくるっていうことでしょう。

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(サマルカンドから一時間ほど行った先のマーケットで。ウズベキ人のフレンドリーな印象は増すばかり)

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(そのマーケットで素子に必死に営業するおばちゃんたち。顔の雰囲気がアジア的な人が少なくなってきた)

サマルカンドも極寒。でも昨日、今日は晴れて、ここの目玉スポット「レギスタン」(15~17世紀に造られたイスラム教の学校群)などは綺麗に見られました。この辺からだんだん、イスラム色が強くなり、アジアからアラブの世界へと向かっていくことが感じられます。人の顔もだんだんアジア色がやってきて、その変化を感じられるのが面白いです。

サマルカンドは聞いていたとおり綺麗な町です。その一方、観光地という雰囲気が強く、見学料も高いし、土産物屋もいっぱいで、少し興ざめ。自分がこの辺の歴史をかなり表面的にしか知らないということもあるけど、やっぱり自分的には、それほどメジャーなスポットがなくとも、現地の人が生々しく活動しているのを感じられる場所の方が面白いなあと感じます。

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(レギスタンの一つの中。イスラム建築に描かれる模様は細かくてとてもきれい)

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(こっちのお墓は一人ひとりの顔が描かれていて、ほんとにこの人がここに眠ってるんだなあというのがリアルに感じられる)

観光地を楽しむには、背景の物語や歴史などの知識や興味など、こちらの力量が試されます。見るだけで「すごい!」と感じられるものというのは実はそれほど多くないし、観光地を十分に楽しむにはこちらの努力が必要ですね。スポーツを見るときに、その試合の意味合いや対戦者同士の因縁などを知ることが、試合を楽しむ上で非常に重要なのと同じように。


(明日Bukharaへ行ったあと、数日後にヒバ(Khiva)へ移動し、その付近から国境を越えてトルクメニスタンへ。トルクメはビザが5日しかないので、さっと通過するというだけになりそう)

明日15日、列車でブハラ(Bukhara)に移動します(3時間ほど。近いです)。トルクメニスタンのビザが22日から26日、イランは27日までに入らないとビザが切れるので、この辺はちょっと急ぎ足で進んでいきます。旅するためにビザを取るというより、ビザを取るために旅をするというような感じになってしまってます。


Posted by ykon at January 14, 2008 8:19 PM | トラックバック
コメント

くじけず、めげず,体に気をつけて頑張ってください! 

Posted by: kenken at January 15, 2008 3:03 AM

くじけず、めげず、健康に気をつけて頑張ってくださ!!
異国の地で応援しています!!

Posted by: kenken at January 15, 2008 3:05 AM

ひゃあ~ もうそういうのに
振り回されるの、本当に心身ともに
疲れちゃいますね・・・。
どこの国にもそういうひと、
おるんやなぁ。
でもその分、いい人に出会えたときの
喜びが大きいのかも。
ゆうきさんの記事読みながら
地図帳開いています。
地理専攻やったのに全然分からない!

Posted by: Chie at January 15, 2008 9:44 AM

ついにイラン行きゲットですね!私は旅行者としてイランに行きましたがすべてお任せで、観光地を観光客としてみただけ。サマルカンドは綺麗なモスクがありますね。イランもめちゃ綺麗で洗練されていますよ。西洋と東洋の文明がここから世界に伝播したと思えます。イランというよりペルシャ。イラン人は育ちが良いお坊ちゃんと言う印象。アーリア人の子孫であることを誇りにしていた。水が綺麗で飲めるし小麦も取れるので豊かな国だった。結婚式に入れてもらったら女性ばっかり100以上に男性は新郎1人で、女性は髪や体の線を見せてはいけない、未婚の男女は家族以外口を利かないという、知っている中東イスラム圏トルコ、シリア、ヨルダン、ドバイ、エジプト、モロッコなどのどの国よりではもっともイスラム色が濃かった。
さてどんなことが待っているやら楽しみですが、この寒さ、十分ご自愛下さい。北九州から応援しています。

Posted by: omoko at January 16, 2008 8:16 PM

わーそりゃまた最悪な領事でしたねえ。でもだからって国そのものとは関係ないです! ビザゲットしただけでも良かったですよ、なかなか行けない国だし。ネットとかでバシュについて予習したりして、5日間満喫して下さい。バシュのグッズのおみやげほしいです、買取るから!?
ちなみに日本人宿で言えばキルギスからグルジアまで同じ顔ぶれでしたよ、何カ月も。
しかしモスクやマザール内部の写真撮影禁止じゃないですか? 貴重なショット、ありがたいでーす。
こちらアルメニアの肖像画入り墓石も素晴らしいですよ、早くいらっしゃーい?

Posted by: ushiyama at January 20, 2008 7:11 AM

おお、今はどこにいるのかな?こっちも最近はマイナス15度の日とかあるけど、マイナス30度ってすごいね。真冬のアラスカのど真ん中と同じくらいだな。。それにしても建築物が美しいね~。引き続き気をつけて。

Posted by: naoki at January 21, 2008 4:02 PM

>kenkenさん

どうも、ご無沙汰してます!もうちょっとで冬も終わりと思うと希望が見えてきます。。。上海も寒いと思うので、kenkenさんもお元気で!

>Chieちゃん

もうオーストラリアに戻ったのかな~。シドニーは陽気な日々が続いてそうだねー。大使館ってどこの国でも基本的に感じのいいものではないけど、ここまで来るとあきれちゃうよ(笑)。他の大使館がどこもすごい親切なように思えてきちゃう。この辺の地理って、正直全然分からないよね。おれたちも来てみて初めて、ナントカ「スタン」の一つひとつの違いが分かってきたって感じなので。。。元気でね~。

>omokoさん

こんにちは!やっとこの辺まで来て、アジアから離れてきたということを実感できるようになりました。イランは行った人がみなとてもいいというので、楽しみにしてます。そんなに長くいる予定はないのですが。ウズベキではまだ女性に対してそんなに厳しくはないので、イランがどんなだか、ちょっとどきどきです。ビザの写真や大使館の中でも、妻は頭を隠すように言われ、いよいよって感じもしてきました。しかし、水が飲めるっていうのはすごいですね!omokoさんもお元気で!

>ushiyamaさん

確かに国と領事は関係ないですが……、でも国もいやになるぐらい嫌なやつでした。全然まだ予習してなくて、バシュってのが何かも分からないんですが、牛山さんのいうグッズらしきものがあれば買っときますよー。モスク内部は写真だめなんですかね?撮ってる場所は、大体写真+1000ソムとかお金払ってる場所なので、大丈夫なような。明日からトルクメ、26日からイラン。やっと中央アジア脱出!

あと、フェラガナの方へのコメントもどうも~。
ところで、あの門の警備室に泊まったんですか?なんでまた(笑)?
Yodgorlik工房は僕らが行ったのは日曜日で中が見られなかったので、また月曜日に来ようと思ったのですが、まあいいやってことになっちゃって。
何気にフェラガナが僕らにとってウズベキのハイライトだった気がします。

>naokiさん

ミシガンもこっちと同じく寒そうだよねー。明日からのトルクメニスタンが寒さのピークになるかもだけど、いずれにしても来週はイラン、ぐっと暖かくなるはずなので楽しみ。そっちも体に気をつけて、後半の勉強がんばってくれ~。

Posted by: ゆうき・もとこ at January 21, 2008 8:22 PM
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