早朝に目を覚ますと,昨晩の酔払いオヤジはどこかへ行っている.辺りを探して歩いてみたけれど影も見えない.そうこうしているうちに,日に一本のバスが目の前にやってきたので,置手紙と心付けを残してバスに飛び乗った.1,2時間走ると,急峻な崖山をぐるぐると登りだし,緑の全く無い月面世界のような光景が続くようになる.昼前にラマユル付近に到着したのでバスを降りる.
カシミールへと続く幹線道路から5分ほど崖を下って,勾配が少し緩やかになる谷の部分にラマユル (Lamayuru)の村がある.今晩のために当たりをつけた宿は,村の谷側にあるDragon Hotel.来客シーズンはほぼ終わりに差し掛かっていて,他のお客の気配はなくひっそりとしており,少々寂しいと思ったが,紹介してくれた2階の角部屋がこの上なく素晴らしくて感激.空と緑と土が,煤けた窓から飛び込んでくる.