at インド アルチ (Alchi) on 25/Sep/1999
若い僧の案内つきで,アルチ・チョスコル ゴンパ(Alchi Choskhor Gompa)を拝観する.仏教美術の研究者や予備知識が豊富な訪問者であれば,ラダックの最大の見所の一つといって良いと思われる場所だが,もともと目をつけていたわけでもなく,訪問時にはさして期待もしていなかった.平らな土地に広がる境内に配置された堂は木々によって所々覆われており,どこにいても境内の動線が見渡せないので,敷地内に入っても全体が把握できず,寺の敷地内にいるという実感が湧かない.ところが,しばらく僧の案内について詳細を見ていくと,素人目にも今まで見たことないとはっきりとわかる堂,仏像,壁画が次々に現れる.一見地味ではあるが,ディテールに凝ったものばかりである.最も目をひかれたのは,三層堂という意味のSumtsek(左写真).内部には,入り口の面を除く三方の壁面を背にして,高さ4,5mはあろうかと思われる彩色された大仏像が立っており,また,壁という壁が足下から頭上まで千仏画で覆い尽くされているのは圧巻.