「そこら食」とでも言おうか、ここサイゴン(ホーチミン)ではそこらで誰かが何かを食べている。簡易調理セットで器用にこしらえられたものを、アジア独特の小さくてカラフルなプラスチック椅子に座った面々が熱心にいただいている。傍から見ると、子沢山のお母ちゃんが、ぐるり囲んだ子供たちにご飯を食べさせているみたいで、とても微笑ましい。
包丁ではなく大きなハサミで何でもチョンチョン切る。小さなお皿は、お玉にも、フライ返しにも、タレ入れにもなる。ベコベコの食器は、タライの水でサッと一洗い。
少し歩くとすぐ新しいネタに出会うので、その度にちょっと様子を見て、やっぱり座って、皆と同じものをもらって、食して、立ち上がってまた見つけて、の繰り返し。一回の量は少ないが、常時お腹が満たされている。