夜のカオサンには、そこここに溢れる男女の交流の間で、アートも溢れる。一番人気は、こちらで圧倒的存在のBob Marleyの油彩似顔絵やTシャツだったりするが、他にも目を引く色彩の抽象画や仏の顔画、手作りのポーチやアクセサリー、器用に針金をくねらせたオブジェなどが、路上や閉じたシャッターの上に並ぶ。
私のお気に入りは、「Bird」の英語名を使う、落書きみたいな動物のペン画に一瞬で水彩を施す絵葉書売り。私は、どんな芸術にもそれを極めた者が持つ独特のリズムがあると思っている。書道家が筆を操る様子、ピアニストの指が鍵盤の上を動物のように踊る様子、そしてBirdが画用紙にペンで瞬く間に線と色を落としていく様子にも。そのリズムを観賞する。隣で高級な油絵を売る、半分出来上がったオッチャンがSINGHAを勧めてくる。皆、陽気である。
今、Birdに譲ってもらった数枚の絵葉書が見当たらない。日記帳には「こんな絵だった」と私が描いた彼の絵がある。・・・ほんとにこんなんだっけ
Posted by asummer