先ほど、上海から京都に戻ってきました。
一週間だけの滞在だったけれど、京都に着いて、電車に乗って家に帰るまでに、見える風景が、一週間前と全く異なっていることに気がつきました。旅をするって、こうして自分の文化・社会を見つめ直すってことなんだろうなって改めて思いました。
上海はかつて住んだこともある、とても身近な街です。7、8年ぶりだったために、すごく変わっているだろうと思っていたら、雰囲気は案外そうでもなく、人々の感じなどは概ね自分が記憶していた通りでした。
その一方で、現地在住の人に飲みに連れていってもらったりすると、店の数が凄まじく増えていたりして、ディテールが大きく変わっていることに気が付きました。そして、地下鉄の乗降時に人が並んでいることを見てびっくり!笑。また、上海のランドマークである外灘に行って、夜景を見て、改めて圧倒されました。
今回は、5年以上の旅の中で一度もなかった完全な詐欺(騙し)に引っかかるという驚くべき不覚の出来事があったり((笑)、詳細はまた書きます)、『中国でお尻を手術。』の中に書いたある老夫婦と感動の再会を果たしたりと、印象的なことが多かったですが、一番思ったのは、中国人の奔放さや自由さの魅力を改めて痛感したことでした。
道端や公園で、誰もが自由に歌を歌ったり、踊ったりし、嫌なら嫌な顔をはっきりと見せ、興味があれば躊躇なく声をかけて、遠慮なく聞いてくる。やりたいことに素直に、どんどん行動しているような雰囲気です。なんというか、中国人のそういう側面は、一見、日本の感覚だと、厚かましく見えたり、アグレッシブに見えたりもするけれど、でも、思うのは、中国の人は、自分がそうやって自由にやる分、他人の好き勝手な行動にもとても寛容なことです。
人が生きていたら、他人に迷惑をかけるのは仕方がない。でも、その代わり、他人から迷惑をか
けられても寛容でいる。
人々を見ていると、そんな考え方が底に貫いているような気がしてきます。日本とは全く逆ともいえるそういう側面が、すごく新鮮で、とてもいいなあと思いました。中国にはいろんな難しい問題があるけれど、そうした互いの寛容さが、中国独特の陽気さとエネルギーを社会の中に生み出しているような気がしました。
この辺りの感慨を軸にして、次回の原稿を書いていこうと思っています。
今回の上海滞在は、ソウル紀行文に続く、KIX-ITM MAGAZINEの第2回のためのものです。
ウェブ公開は8月1日を予定しています。
ソウルに続き、読んでいただければうれしいです!