July 19, 2012

大谷大学の旅の講義が今日で終了<Kyoto, Japan>

今日で、大谷大学の講義15回が終了しました。

旅についての講義というつもりで始めたものが、講義をするなかで徐々に変わり、結果としては、「旅を切り口した生き方に関する講義」というような内容になった気がします。
各回のテーマは、たとえば以下のようなもの。

「人はなぜ旅をするのか」
「冒険とは何か」
「現地に行くということの意味」
「人生の選択・決断と旅」
「文化の相対性」
「『国』とは何か」
「異国に住むということ」
「働くこと、働き方」
「旅の終わり方」

今日の最終回では、「『生きる力』をどう身につけるか」という話から始めて、写真家・星野道夫さんの生き様を映像とともに振り返り、自分なりのメッセージを学生たちに伝え、締めくくりました。

終わってみたところ予想以上に多くの学生が、少なからぬ影響を受けたことを表明してくれて、とてもうれしく思いました。この講義をきっかけに、休学して長旅に出ることを決めたという学生もいて、力強く送り出したいと思うとともに、教えるということの責任も感じ、身が引き締まりました。

旅などに興味はなかった、という学生の多くが、「よし、ちょっと旅に出てみようか」と思ってくれたようでした。いま、旅をする若者が確かに減っているけれど、それは決して、彼らが外に興味がないわけではなく、ただ、きっかけがないだけなんだろうな、ということを感じました。自分の知らない未知の世界への興味というのは、きっと人間の本能的なものなのだろうと思います。何か刺激があれば、外に出ようと思う人は、時代を問わずきっと少なくないだろうと実感してます。

また、こうして、90分×15回というまとまった量の講義内容を考える中で、旅や生き方への自分自身の考え方が、ぐっとクリアになった気がします。文章を書くときもそうですけれど、他の人に伝えるために言語化することは、もやもやと漠然とした思考に、くっきりと形を与えます。話しているうちに、そうか、自分はそういうことを考えていたのか、こんな風に表現できるのか、ということを何度も感じました。そういう意味で、自分自身の旅がなんだったのかを考え直すとてもいい機会にもなりました。

講義をする中で、『遊牧夫婦』シリーズ最終巻のテーマも見えてきました。

自分自身またこの経験を、書くもののなかに落とし込んでいきたいです。


Posted by ykon at July 19, 2012 10:43 PM | トラックバック
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