(家の近くの城跡でBBQ)
純子&パトリック邸でのスイス湖畔ライフも2週間経ち、明日で終わり。先週は予定通り、スイスにいるチベタンの取材に大部分の時間を割き、あとは他の友だちに会ったり、夕方は湖で泳いだり、締め切りの近い原稿を書いたり、読書をしたり、と普通にここで暮らしているような気分で過ごせました。二人の家はとても居心地がよくて、すでに自分のうちのごとく激しく落ち着いてしまってます。居間を占領してしまって恐縮なのだけれど……。
居間には「ジュンコ文庫」とも呼べそうな日本語書籍群が。いろいろ読みたいなあと思いつつも、これまでああだこうだで読む機会を逸していた古典「竜馬がゆく」を読み始めるも、読み終えることはできずにウェーデンスヴィル出発の日を迎えてしまいます。「竜馬がゆく」、最初は全6巻かなと思っていたら、実は8巻まであることが発覚し、なかなかまとまった時間もとれずで4巻で終わりそう……。他のも一切手をつけられず、残念。
純子ちゃんとパトリックはとても仲良しでこちらも見ていて楽しくなるほどですが、特に純子ちゃんは苦労も少なくないようです。純子ちゃんはラテン系の陽気なノリでどんな世界にでも入っていけそうな人だけれど、ここはスイス独特の言葉の問題が。スイスで最も多く話されているのはスイスジャーマンといって、スイス系のドイツ語。ドイツ語とは言葉も異なるようで、ドイツ語が分かったとしてもスイスジャーマンが分かるというわけではないので、スイス人社会に溶け込んでいくためにはスイスジャーマンを理解することが必要なのですが、スイスジャーマンは書くとドイツ語と同じなため、外国人が習うとすればまずドイツ語ということになります。純子ちゃんも2年のスイス生活でドイツ語はすでにかなりのレベルに達しているのですが、パトリックがスイス人の友達や家族とスイスジャーマンで話し出すと全く理解できないとのことで、なかなか入っていくのが難しいのです。これはおそらくスイスにいる外国人がみな抱える問題のようです。言葉の壁というのは、越えられるようでなかなか本当の意味では越えられない、というのはぼくも常日頃感じてます。とりあえず5年すれば、というのが通説みたいなので、純子ちゃんには日々楽しみつつがんばってもらいたいところ!
最後だった今週末は、車で数時間の湖のところへキャンプに行く予定だったのだけど、天気が悪くて中止に。やはりスイスは国全体が山みたいだからか、天気も変わりやすいようでした。でもその代わりに今日は近くの山へ散策に。さわやかな日曜日。びっくりしたのは、ぽつぽつと草を食みのんびり過ごしているウシたちが散策路へと出てこないようにと通りの端に張ってあるワイヤーに、電気が通っていること。触ってみたら軽く感電し、マジで?って感じでしたが、スイス人にとっては当たり前だとのこと。
霧のかかった森と、散策路と、集められた木材。
そんな山の国だからこそ、チベット人も故郷に通じるものを感じるのか、スイスで心地よく過ごしている様子でした。チベタンの取材は、純子ちゃんらの協力もあって思ってた以上に充実。いきなりの取材だったにもかかわらず、とりあえず6,7人からゆっくりと話をきけました。たまたまそれぞれ事情の違う人で、政府で働いていたスイスチベタンコミュニティの重役から、レストラン経営者、そして亡命者を装ってなんとか入国して働いている若者まで。それぞれ異なるストーリーがあり、とりあえずこの一週間で、スイスの亡命チベット人について、自分なりのぼんやりした像が出来上がってきました。明日からはスイス南部の友達のうちへ移るものの、今月いっぱいスイスにはいるので、ジュネーブあたりでもさらに取材を続けられればと思っています。これをどのような形にするかはまだ未定。
(ダライ・ラマの73歳の誕生日を祝う集まり("Tibet-Institute" in Rikon))
パトリックはプロのシェフで、昨日は彼がスペイン料理を作ってくれました(実は二人はスペインで出会っていて、最初のころ二人の会話はスペイン語。スペインには縁が深い人たちです)豪快にタコを丸ごと茹で、エビの塩焼きとトルティージャ(スペイン風オムレツ)。さっぱりとした味付けで素材の味を活かすプロっぽい料理を堪能しました。タコは1.2キロもあったのですが、4人でさっと食べてしまいました(水分が多いってことかな?)。ちなみに今日はイワシ。
(中央がタコ、左がトルティージャ、右がエビ)
明日は昼の電車でローザンヌ(Lausanne)へ行き、また別のオーストラリアのボランティア仲間(夫婦)の家に転がり込みます。そこに5月を丸々お世話になった傷心のオランダ人クリステルも合流し、彼らの2週間(26日まで)の休暇を5人で過ごす予定。
(スイスは小さいから地図も込み入ってきてしまいました。ウェーデンスヴィル(Wadenswil)からローザンヌ(Lausanne))まで行くと、スイスの北東部から南西部へって感じだけれど、それでも電車で2時間。日帰りで国の端から端まで往復できちゃいそうな感じです)
どうも、初書き込みです。
あー、ニアミスですね。8月にはほぼ丸々シャモニーの近くにいるんですけど。
>もりたさん
そうですか~。ぼくらもこのあとスペイン方面に向かうかもしれないので、もし南仏でとまりそうであれば連絡します!
Posted by: ゆうき at July 22, 2008 7:11 PM