June 7, 2008

なんでもありのアムスから再びドイツへ<Osnabruck, Germany>

アムステルダムを出て、再びドイツに戻ってきました。いまはオスナブルック(Osnabruck)という、全く縁もゆかりもない街にいます。大学時代の友達が暮らすブレーメン(Bremen)が次なる目的地なのですが、アムステルダムからブレーメンへダイレクトに行くと列車代がかなり高かったため、ベターな方法を模索した結果、オスナブルック経由ということになり、ついで安宿もこっちの方がぐっと安かったためにここに宿泊まですることに。

ヨーロッパの電車は、買い方によって値段がずいぶん違ってきます。特別ディスカウントプライスとか、1日乗り放題チケットとか、早めに予約すると安いやつとか、ナントカ格安チケットみたいなのが、実はかなり充実してます。それらを有効に使うと、たいていは正規の半額ぐらいではいける場合が多いようなので、工夫にも精が出ます。ちなみに、いままで行った欧州諸国ではドイツが一番オプションが多い印象。
www.bahn.de
がとても使えます。1ヶ月ほど前、ドイツで泊めてもらった近藤さんに教えてもらったのですが、ここで3日前に購入すれば大抵かなり得!

さて、アムステルダム。

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(運河と自転車がアムステルダムのシンボル)

いままで来た首都の中で、ここが最も首都っぽくないのどかな雰囲気を持っているように感じました。超メジャーな都市の割りに規模が小さいというか、中心となる中央駅から10分も歩くとすでに閑静な住宅街のようになっているのは新鮮でした。

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(アムステルダム中心部。古くてかわいらしい家屋の前で、人々がのんびりと時を過ごす)

市の最も中心部から同心円状に運河がいくつものの円を描くように流れていて、その川沿いに昔ながらのオランダ建築の住宅が立ち並び、人が自転車でチャリチャリ往来、っていう風景は、古くから変わらぬアムステルダムを代表する光景。しかも使われているチャリがほとんど、昭和の自転車みたいなレトロなやつ。そして、アンティーク雑貨を売る雰囲気のいい雑貨屋がいくつも並び、素子は大喜び。代官山か、こぎれいに整頓したシモキタってところでしょうか。「アンネの日記」のアンネ・フランクの隠れ家となった家も、そんな界隈に建っています(とてもいいミュージアムになっています)。

その一方で、観光の中心となる地域は、噂にたがわぬインパクトの強いものでした。乱立する「コーヒーショップ」は、田舎に比べると、その数と、通りに充満するマリファナのにおいこそ、思っていた以上の盛況ぶりでしたが、やはりびっくりだったのは、Red Light District、いわゆる合法の売春街です。日本でも風俗街はもちろん珍しくはないけれど、アムステルダムのすごいのは、人がいっぱいの通り沿いにガラス扉の小さな部屋がいくつもあり、そこに過激な格好の娼婦たちが一部屋に一人ずつ立って客を誘っていること。その露骨さと開けっぴろげさは、はじめて見たときは唖然としてしまいました。観光客も多いため、ほとんどの人はその様子を見て素通りするだけで、女性がただガラス扉の向こうで微笑みかけてくる様子は、言い方が悪いかもしれないけれど、ちょっと「人間動物園」と言える雰囲気だった気も。しかしあまりにもオープンなため、怪しげな雰囲気すらしないともいえます。

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(明記されてないけど、このBULLDOGもコーヒーショップのはず。そしてその横の小道に見える赤い蛍光灯のガラス扉の中で娼婦が客を誘う)

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(Red Light Districtは決して危ない雰囲気ではなく、ぞろぞろと観光グループも歩いているような場所。そのアンバランスさが面白い。娼婦の写真撮影は厳禁)

ソフトドラッグにしても売春にしても、オランダの考え方は「規制してもどうせやる人がいるんだから、それだったらいっそのこと合法にして表に出して、ちゃんと管理しよう」ということのよう。だから娼婦にも労働組合があって、売春も堂々とした一つの職業でありビジネスであり、地下組織が入る隙も小さいのだとか。その実に現実的な発想はうまく機能しているようでもあるし、なかなか見事だなと思います。でも、いまキリスト教系の保守政権となっているオランダでは、このRed Light Districtもコーヒーショップもちょっとした危機にあるとか。いろいろと理由をつけられて閉鎖に追い込まれている店が多いらしく、このままいくと近いうちにこういうオランダらしい文化も影を潜めてしまうかもしれません。ま、確かにあのRed Light Districtは、敬虔なキリスト教徒にとっては忌々しい以外の何物でもないというのも分からないでもありません(笑)。

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(「コーヒーショップ」はカフェよりもレストランよりも多いんじゃないかというぐらい、乱立している。そして各種セックスショップもすごい数。レインボーの旗が目印となるゲイ関係のショップやバーも大充実)

ソフトドラッグに関してはEUからの圧力も強いのかもしれません。オランダが合法にすると、みな隣国にも簡単に持ち込めるようになってしまうので。

前にも書いたけれど、EUになって、このようにヨーロッパ全体の均一化が進んでしまうのはやはりどこか残念です。やはりそれぞれ歴史や文化を持っているのでその個性が死んでしまわない範囲での統合化が望ましいように思います。フランス、スイス、ドイツ、オランダ、イタリア、ギリシャ、どの二カ国をとっても、人の考え方や文化、ライフスタイルなど、、大きく違っているように感じます。やっぱりその方が面白いな、って思います。

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(夕暮れ時、ワインを飲みながら商談のような雰囲気。オランダ人はたいてい、こっちが英語で声をかけると、頭の切り替え時間ほとんどゼロでネイティブばりの英語に切り替わるのがすごいです)

ちなみに、最近よく思うのは、IKEAやH&M(H&Mは日本上陸まだだったり?スウェーデン発のユニクロのような服ブランドです)などによって、本当に世界中の家具や服装までが均一化されているということ。どこの国の誰の家にいってもいつも、自分たちが上海で使っていたのと同じ洗濯カゴやコップ、皿があったり、どこの国にいっても、同じTシャツや下着を見つけたりして、この状況ってどうなのかな、って思ってしまいます。あと数十年もしたら、みな同じ服を着て、同じ家具のある同じ家に住んで、みたいになってしまうんじゃないかな、、ってことはないにしても、旅をしたらそれぞれの国の違いを十分感じられるぐらいの差異があることはやはり大切なことなんじゃないかなって思います。とはいえ、自分こそがまさにIKEAやH&Mのヘビーユーザーなので、全く持ってそんなことを言えた立場にはないのですが。。。

それから最近もう一つ感じているのは、ゲストハウスもかなり大手化が進んでビジネスビジネスしてしまっているところが多い、ということ。もちろんこれだけ旅行者が増えればビジネスとなるのは当然だし悪いことではないんだけれど、自分にとっては、ゲストハウスはそれぞれのオーナーの個性や人柄、旅行者への理解や共感がにじみ出てこそ魅力的になるのだけれど、最近ヨーロッパで泊まっているゲストハウスは、超大規模のものが多く、全く持ってゲストハウスらしいよさがなくなっているように思います。確かに、きれいで快適なことが多いのだけど、あまりにシステマティックで融通がきかず、スタッフは旅行者が何を欲していて、どういうサービスがうれしいのか、ということが分かっていないバイトの人ばかり。しかも基本的には、たとえばキッチンをつくることによって旅行者がお金を無駄に使わなくてもいいようにする、みたいなのが旅行者にとっては重宝されるゲストハウスの姿勢なのに、大手のところはむしろレストランで食事をさせるためにキッチンは一切なしだったり、ドミトリーではとても助かるロッカーも有料にしたり、とにかく、ビジネス優先の戦法に出ているような気が。。。ま、細かなところを有料化することでコストダウンして宿代を安くしているのかも、と解釈できるけれど、でも、かなり本質的なところを削っているから、これじゃ本末転倒だよな、って思います。

彼ら的には、「そんな文句言うやつは泊まらなくても結構だよ!」というところだろうけれど、情けないのは、それでもそういうところがネットでも見つけやすいために、ぶつぶつ文句を言いながらもそこに流れ着いてしまうことです。不甲斐ないです。でも、オスナブルックで泊まってる宿は久々に、個人経営のゲストハウスらしい宿で、うれしいです。バンバリーでぼくらが働いていた宿に雰囲気が似ていて懐かしい……。

明日(8日)はブレーメン。友達と一緒に一日過ごして、翌日ドレスデンの友達のうちへと向かいます。これまたバンバリーのボランティア仲間で、ドイツ人・イギリス人のカップル。


Posted by ykon at June 7, 2008 6:31 PM | トラックバック
コメント

hi.
germany is nice

from europe tourists just iran
host many german people.

because they like iran

goodbYe..

Posted by: hamid at June 8, 2008 6:34 PM

>Hamid
Hi! We didn't know there were many tourists from Germany in Iran. Germans are kind of close to Japanese in some aspects, such as punctuality, preciseness, etc. Nice country, anyway...

Tomorrow, we are crossing another border to Czech Republic, though there aren't any practical border anymore...

Posted by: yuki & motoko at June 16, 2008 10:59 PM

アムステルダムでキノコは食べませんでしたか? キノコ・グッズのおみやげは買いませんでしたか?
 やはりヨーロッパの没個性化は進んでいたか!末恐ろしいですな。 そしてグローバリゼーションはぼくも今回の旅で感じてました!世界の距離が近まるのはいいことだけど、不自然に同じになってしまうのは気持ち悪いね。
 

Posted by: 牛山すすむ at June 25, 2008 4:47 PM

>牛山さん

キノコは食べなかったなあ。結局コーヒーショップは、アムスではいかずでした。ずっと滞在してた小さな町のそばにあったのが、オランダで一番大きいとか聞いてたこともあって、そこ行っただけで。キノコは、オランダ人の若者でも、数人で行ったらドライバーだけは食べないようにするとかって聞いたけどどうなんだろう。それだけ効くのかな。

いまは全世界同じランプカバーを使ってそうな。和風な紙製っぽい丸いランプカバーみたら注意!多分IKEAだよ。

Posted by: ゆうき・もとこ at July 1, 2008 6:15 PM
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