February 13, 2003

サンがx86版Solarisで各社の支持を獲得、BEAも評価中

エンタープライズ 2003/02/10 更新

x86版Solarisをリリースしたサンに各社の支持が集まっている。BEAシステムズがSolaris版を評価中で、ベライゾンが採用し、AMDとサイベースが支持を表明しているという。またサンも、SPARC/Solaris用のSun ONEソフトウェアをx86版SolarisおよびLinuxに向けてリリースする計画を進めている。

 インテル互換プロセッサ搭載のサーバでSolarisオペレーティングシステムを売り込むサン・マイクロシステムズの戦略に一部から確約と支持が集まっている。

 インテル互換の「x86」サーバ上で動作するSolarisに対応するソフトウェアのリリースを確約した企業の中には、会話認識ソフトウェアメーカーのニュアンスや、コンピュータのパフォーマンスモニタリングツールを開発するクアンティバなどの名前が見られる。さらに、サンのオペレーティングシステムグループ担当マーケティング担当副社長に新たに任命されたアン・ウェッターステン氏によると、BEAシステムズがSolaris版を評価中で、ベライゾンが採用し、AMDとサイベースが支持を表明しているという。

 インテルプロセッサ版Solarisは、たびたび冷え込むことの多いサンとインテルの関係が要因となって停滞するなど、ここ数年間のサン社内で紆余曲折が見られた。2月6日の発表には、同製品を売り込むための取り組みが定着するのだということを示す意図があった。

 サンではIAサーバ版Solarisを数年前から販売しているが、より普及率の高いサン独自のUltraSPARCプロセッサ版の売り込みを優先した。そして昨年、サンはIAサーバ向けSolaris 9の「延期」を発表し、同製品の計画を保留にしてしまった。だが同社は2002後半、インテルCPUを搭載したLX50サーバ向け、そして将来的にはほかのシステム向けにもSolaris 9を出荷すると発表した。

 コンピュータメーカーが計算処理に利用するハードウェアを有用ものとするためにはソフトウェア企業の関心を引きつけなくてはならない。サンはUltraSPARC版のSolarisでは強力な提携関係を獲得したものの、x86版の支持獲得では課題に直面する。

 だが、動きを見せるのは同社だけではない。インテルとヒューレット・パッカード(HP)も、普及率の高いインテルのPentiumおよびXeonの両プロセッサとは完全に異なる動作をする新しいItaniumシステムへの支持をソフトウェアベンダーらに懸命に働き掛けている。

 Sun ONEサーバソフトウェアセットを擁するサンは、完全に社外のソフトウェアベンダーに依存しているわけではない。同社ではSPARC/Solaris用ソフトウェアをx86版SolarisおよびLinuxに向けてリリースする計画を進めている。

 x86版Solaris 9には、ファイアウォールソフトウェア、ディスクストレージシステム管理用の「Volume Manager」、そして処理能力などの各種コンピューティングリソースをサーバ上での各種計算処理に割り当てる「Resource Manager」などが含まれる。

 Solaris 9は同社のインテルCPU搭載サーバにバンドルされるか、99ドルからの価格で販売される。電話サポートはデスクトップシステムが年間75ドル、ローエンドサーバが年間1275ドルとなっている。

Posted by sunouchi at February 13, 2003 12:01 PM