アンコール遺跡への拠点シエムリアップから、カンボジアの水瓶トンレサップ湖を渡る船に乗って首都プノンペンへ。
船の中では地元の男たち(女性は殆どいない)が、見事なまでに首の角度を揃えてザ・ベストテンのような歌番組に釘付けになっている。歌は生活の中から生まれてきたから、お国柄がよく出る。今でこそ洋楽を必死で聞く日本人だって、ふとした折に出る鼻歌は、日本のリズムが多いのではないだろうか。だから声質とかメロディーとか、その国で一般受けする歌は国によってかなり違うと感じる。
・・・要は、「音痴だな〜」と突っ込みたかったのだ。でもきっとこれがカンボジアの「ナウい」歌なんだろう。かな。
プノンペンの夜は早い。20時以降、それまでの通行人は昼間のプノンペンを演出するエキストラだったかのようにいなくなった。そこら中で半熟有精卵(※)をスプーンで突付いていた人々が、出番の終わりを察知して足早に去って行った。
※地元食なのか、通りの屋台は殆どこれ。黒い羽の生えた固まりを、ジャリジャリ言わせて食べている。