July 24, 2011

寺子屋プロジェクトTERACO&南三陸町報告<Minamisanriku-cho, Japan>

いま、宮城県南三陸町のホテル観洋のロビーからこれを書いています。
目の前の大きな窓の向こうには、太平洋へとつながる広大な海。そしてその隣を見ると、3.11の当日から少しずつ姿を変え、静まり返った街があります。

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二ヵ月半ぶりにこの街にやってきて、まず驚いたのは、以前散乱していた大量の瓦礫が、大きく片付いたこと。そして、すべてを破壊され、押し流された土地には、緑の草が力強くその姿を現していました。

少し高い場所から街全体を望んだとき、以前は、全体が白、グレー、黒のモノトーンだったものの、いまは、全体が緑色に見えたのがとても印象的でした。そして、車を走らせると、道路の脇には、ピンと立ったひまわりがたくさん、とてもきれいに咲いていました。

いま、ぼくは、「南三陸町寺子屋プロジェクト『TERACO』」の現場に、来ています。
監修となっていることもあって、1日も早く参加したかったのですが、開始から一ヶ月を過ぎてやっと参加することができました。(とはいえ明後日には帰らないといけないのですが。。。)

TERACOは、いろんな方々の支援を受けて、とても素晴らしい環境に育ってきています。

ボランティアの学生がたくさん駆けつけてくれ、複数の方が教材その他を送ってくださいました。そして何よりも、そうして少しずつ整っていった部屋に来てくれる大勢の子どもたちの、一生懸命学ぶ姿、元気に笑う姿に力を得ながら、素敵な場所になってきています。
ご支援いただいているみなさまに本当に感謝いたします。

いま毎日、20人前後の子どもたちが、思い思いに勉強をしに部屋にやってきてくれます。

大学受験を前にして家をなくし、浪人は不可、私立も不可な状態で、国公立に向けて背水の陣でがんばる高3の子、2時間かけて通学し、ハードな部活をこなしながら、遅くまで数学の問題を解き続ける高2の子、毎日通ってコツコツと自分のやるべき問題と格闘する中学生、部屋を元気なエネルギーで満たしてくれる小学生たち・・・。

ぼくなんかは、本当の意味では想像すらできない大変な状況を抱えつつ、明るく懸命に勉強に取り組む子どもたちの姿には、本当に刺激をもらい、がんばってほしい!と心から応援したくなってきます。

子どもたちというのは本当に、どの町にとってもどの国にとっても、未来に向けての宝であり、希望なんだなということを強く感じます。

10年後、20年後、南三陸町がどうなっているかは、本当にいまの子どもたちにかかっているんだろうなと、子どもたちにとっては本当にそれは大変なことだけれど、そう感じます。

話し、聞くほどに、これからのこの町での教育についても、いろいろと考えなければならない問題があることを実感するけれど、少なくとも、必死に学ぼうとしている子どもたちが、震災によって未来への希望を断たれてしまうことがなければと思います。

でも、子どもたちを見ていると、むしろこの震災を力にしている子も少なくないのではないかと感じます。なんとか、彼らがみな、それぞれの道を思い切って進んでくれることを願わずにはいられません。

これからこのプロジェクトがどのように進んでいくかは、まだいろいろと未定なものの、今後とも、ご支援どうぞよろしくお願い致します。

ご報告まで。

Posted by ykon at July 24, 2011 5:20 PM | パーマリンク | コメント (2) | トラックバック (0)