March 20, 2006

サリン事件から11年

今日で地下鉄サリン事件から11年ですが、ちょうどそんなこの時期、村上春樹の「アンダーグラウンド」を読みました。サリン事件の被害者やその家族など62人にインタビューし、まとめたものです。被害者それぞれのバックグラウンド、人となり、当日の経験、その後、などが、ほぼ本人の語り口調で詳細に書かれています。これを読んで、改めてあの事件がどれだけ多くの人の人生を変えることになったのかを感じることができました。1997年に出た本で、もう随分古いのですが、いつになっても読んでみる価値のある本だなと思いました。
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また、ある集団に属する人を、ただたとえば、「サリンの被害者の一人」と見るのではなく、具体的なひとりひとりの人物としてその背景まで知ることの意味の大きさを、この本から知ることができ、それをヒントにぼくも一つ新しい企画を考え、今日から取材を始めました。

それで今日、街を歩き回り、地下鉄で二胡を引いてお金を稼いで生きている人や、道端で物乞いをする両足のない人などに話を聞きました。ちょっと言葉的に分からないところもあったりしたものの、こうして実際に立ち止まってひとりひとりの話を聞くことの重要さを実感できました。彼らを「物乞い」としてひとくくりに見てしまいがちですが、当然のことながら、それぞれ何十年と生き抜いてきた人生がその後ろには広がっていて、ひとりひとり、現在にいたるまでの全く違った生き様があります。そんなそれぞれの生き様をできるだけ具体的に聞いていく作業をこれから続けるつもりです。なんらかの形にしようと思っていますが、とりあえずこうして話を聞くだけでも、自分にとってとても貴重な体験であることは間違いないです。

素子は明日から二日間の出張で武漢まで行くことに。今はその準備中。
「旅立ちの前日を思い出すけど、目的違うしな~」

雄生

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Posted by ykon at March 20, 2006 7:53 PM | トラックバック
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