毎年、講義で紹介している『旅をする木』(星野道夫)を、今日の講義のためにみまた読み返してます。その中で、彼が16歳のとき(1960年代)単身でアメリカを旅した「十六歳のとき」というエッセイを紹介したいなと思いつつ、他のエッセイも読み直していたら改めてどれも本当に素晴らしい。優しく、情熱的。
彼は、アラスカを全身で愛し、その地で暮らし、そして大自然の中で死んでいった人。
16歳のとき、まだ外国が本当に遠かった時代に、単身でアメリカを旅し、
19歳のとき、アラスカの僻地の村の一枚の写真を見て、場所も住所も知らないその村の村長に手紙を出し、実際に村を訪れた。
その後、アラスカ大学を受験したときは、英語の点数が足りなくて落ちたものの、学長に直談判にいき、アラスカへの情熱を伝え、「英語の点数が足りないために一年を無駄にする時間はないんです」と言って、特別に入れてもらった。
文章からとても優しいだろう人柄が伝わってくるものの、自分がやりたいことにとことん素直に生き、そのためにはあらゆる行動をとっていくという情熱的な生き方もまた、この本から余すところなく伝わってくる。
星野道夫がこの本で伝えたい大きなメッセージの一つは、「人生は有限だ。だからとことん好きなことをして生きていこう」ということだと思います。そして彼はそれを全人生で体現した人。
読みながらいま本当にまた旅がしたくなってきて、今すぐ出発しないといけない気持ちになってしまってます。
その気持ちだけはいつも大切に持ち続けたい。
そして、そんな気持ちを学生たちと共有したいです。
本当に名著。
『旅をする木』
http://www.amazon.co.jp/dp/4167515024