September 17, 2013

旭山動物園はなぜすごいのか

9月11日から16日まで、家族で北海道に行っていました。

一番の目的は開院50周年を迎える北見市の「みやけ医院」の講演会に登壇させていただくこと。みやけ医院は、親戚の三宅毅先生が院長を勤める病院です。三宅先生は、胃腸内科・肛門外科・外科の専門医で、実は自分が雲南省・昆明で内視鏡検査をしたときに、どうするべきかを相談した先生です(『中国でお尻を手術。』の冒頭部分にそのくだりがあります)。そして、昆明でのポリープ切除のあと、三宅先生にも内視鏡検査をしていただきました。そういうつながりもあり、今回、その記念の講演会のスピーカーの一人として呼んでいただき、『北見と中国でお尻を手術。』というタイトルでお話をさせていただくことになりました。

で、せっかくの機会なので、ということで、家族で北海道旅行をすることにして、旭川イン、女満別(北見の最寄空港)アウトということにして、4人で5泊で行ってきました。

旭川では、近くの東川町で宿泊して、かの有名な旭山動物園へ。

何がそんなに違うのだろうかと思っていったところ、設備が新しいわけではなく、むしろ古めかしいぐらいで、しかも特別変わった動物がいるわけでもないし、行きやすいわけでもない。しかし、何がすごいかって、動物の魅力、動物の抱えている問題、動物園が内包するジレンマといったことを、お客さんに伝えようとする強い意志をひしひしと感じることです。

手作り感あふれる手描きの看板には、あ、それ知りたかった!と思っていることがちょうどいい具合に書いてあります。

餌付けの様子などを小さな子どもがちゃんと見られるように、子ども用の場所が前方に確保されていて、スタッフがしっかりと子供たちを前へと誘導してくれます。餌付けを見るために待っている客たちへの、スタッフのちょっとした言葉による心遣いもかんじられました。

なんというか、動物への愛情、お客さんへの思いが溢れる動物園でした。ああ、場所も、施設も、メインの動物も、決して恵まれているわけではないのに、情熱をもって工夫と努力をすればこれだけ魅力的な場が作れるんだということを実感しました。

これは、あらゆる業界に通じることだと思います。

カフェでも、書店でも、出版社でも、服屋でも、いいなと思うところはいつも同じ要素を持っている気がします。自分たちが提供する商品やサービスへの愛情とこだわりを持っていること、そしてしっかりとお客さんの方を向いていること。

いろんな意味で学びの多い動物園でした。

と、動物園のことだけで長くなってしまったのでひとまずここで。



Posted by ykon at September 17, 2013 12:41 AM | トラックバック
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