FB内外で、非常に話題になっているらしい「KONY 2012」という映像をみた。
http://www.youtube.com/watch?v=Y4MnpzG5Sqc
(英語)
おそらく、ほんのわずかな間に、youtubeでは4000万人以上が見ているもよう。Joseph Kony という男がウガンダにいて、彼が子どもたちを誘拐、殺害、レイプなど、やりたい放題20年以上している。この超超極悪人をなんとか始末しようと、アメリカ人が大きなムーブメントを起こしている、みな支援を、というストーリー。
ぞっとする映像だった。Joseph Konyの極悪非道ぶりではない。Joseph Konyはおそらく悪いやつなんだろうとは推測できるけれど、彼の極悪非道ぶりは、20年以上も悪事を働いていたというわりに、よく考えると具体的にはあまりわからない。
その上、彼がどうして、そんなことをし続けているのか、どういう背景を持つのか、ウガンダがどういう国なのか、といった説明が全くないまま、ただ、Joseph Konyという極悪人を始末しろ、というメッセージが、ひたすら続く。それを多数のアメリカ人が支持して、Joseph Konyをつかまえるために、昨年アメリカ兵が現地に派遣されたという。
アメリカ人の友人から、この映像を見てくれ、彼は本当の悪魔だ、というメッセージ付きで映像のリンクが送られてきた。アメリカで多くの人がこれを真正面から受け止めて怒りに震えているように見えるけど(それすらも映像から得た単なるイメージかもしれない)、まるで、「ザ・コーブ」を軸とした、欧米の反捕鯨の流れを思い出す。映像の雰囲気も、「ザ・コーブ」によく似ている。
イラクのときでも、こういう一方的な情報の怖さは散々アメリカ人は体感しているのではないかと思うのだけれど。。
最近、「戦争広告代理店」という本で、いかにボスニア紛争のとき、宣伝効果がセルビア=悪という世論をうんでいったかという過程を読んだだけに、それがそのままだぶってしまった。
今後の動きが非常に気になるところ。