こないだ告知した通り、先週金曜16日、ジュンク堂書店大阪本店にて、写真家の青山裕企さんとのトークイベントを行ないました。ともにミシマ社から新刊(青山さん『透明人間⇔再出発』、ぼくは『中国でお尻を手術。』)を出したばかり、そしてともに「ユウキ」、さらに旅、写真という接点があるということで、
「旅に出よう! 写真を撮ろう! ダブル・ユウキ対談」
と題されたイベントになりました。(司会はミシマ社代表・三島邦弘さん)
今回は、我ながらとっても面白いイベントになったように思いました。話しながらやたらと楽しくなり、おそらく青山さんも同じ気持ちで、そしてお客さんにもそんな空気を共有してもらえたように感じました。
青山さんは、空飛ぶサラリーマンを撮った『ソラリーマン』や、誰もに自らの甘酸っぱい思春期を思い出させる、女子高生のきわどい姿を撮った『SCHOOLGIRL COMPLEX』などで知られ、いま大活躍中の人気写真家です(吉高由里子『UWAKI』なども彼の作品)。
http://yukiao.jp/
この青山さん、同じ「ユウキ」だけであるだけでなく、本当に自分といろんな共通点があって、話しながらお互い驚くほどだったのです。ストーカー的に女性を追った遍歴、コンプレックスに悩み、それを克服するのを一つの目的として旅に出て(ぼくは吃音、青山さんは人見知り&大失恋?)、そして旅の途中で大きな転機が訪れ、それが現在の仕事へとつながり、いまに至ること。また「ストーカー時代」はともに1997年だったし、その時代にはともに、互いの相手に大量の手紙を出していたり(=その数々の長い手紙の執筆が文章修行になったようだ、という認識も(笑))。。また互いに長い旅をしているものの、ともに根っからのハードな旅人キャラではないことも。
(青山さんのこの大失恋ネタについては、ミシマガジン連載「<彼女>の撮り方」の第1回~第3回をチェック!)
二人が話したのは、互いに当時としてはかなり恥ずかしかったり情けなかったりイタかったりする過去です。でもいまはそれを笑いに転化できるぐらいの時間が経っています。話しながら、青山さんが当時考えていただろうこと、感じていただろうことが、そっくり自分にも当てはまり、手に取るように分かる気がして、本当にびっくりでした。
さらに、トークを進めるうちに、二人ともその時代が、そしてコンプレックスと格闘したことが、大きくいまの創作活動につながっていることに気付かされました。
ぼくにとっては、明らかに、吃音があったことがいまの自分の道を決めたし、また物書きとして生きていくための原動力になっています(吃音は『中国でお尻を手術。』の大きなテーマのひとつです)。また、青山さんも、女性に振られた(と思ってしまった)ことが、旅に出るエネルギーの源泉であり、そこである日突然写真家になると決めて、旅をやめて日本に戻ってきました。そして、どうして『ソラリーマン』のように、人が空を飛ぶような写真を撮り始めたかといえば、人見知りのために正面から相手と向き合って撮ることができなかったから、といいます。
コンプレックスが原動力。そして自分は普通の人だから、とにかく自分の核となってるものに正直に向き合い、それをむき出しさらけ出して表現しなければ勝負にならない、という意識。青山さんの体験、そして自分の過去を思い出して、いかにコンプレックスというのは、自分を鼓舞する武器になりうるか、ということを改めて実感しました。
『SCHOOLGIRL COMPLEX』を読んだときは、青山さん自身が本当に裸一貫になって自分自身をさらけ出して勝負してるという迫力が伝わってきました。きっとそれが青山さんの作品の作り方だし、それは自分にとってもかなり感覚的に近いものがありました。
いずれにしても、ダブル・ユウキは今回かなり意気投合し、いいイベントになったという実感を得ました。是非また近いうちに、今回の続編となるイベントをやりたいと青山さんとともに考えています!
今回のイベントに来ていただいた方、関係者のみなさま、本当にありがとうございました!
ダブル・ユウキの近藤さんの方、あけましておめでとー!
↓こんな風に書かれたら是非読みたくなりますね!?
http://honz.jp/7452
>牛山さん
正月はどうしてましたか?今年もよろしく!
是非、読んでもらえたらうれしいです。うちに来たときに一冊プレゼントしますよー。元気で!