March 20, 2011

マリリン・モンロー、田中角栄、ブルース・ウィルス、小倉智昭・・・<Kyoto, Japan>

原発の様子が少し収まってきたようで、ほっとしてます。是非このまま収束に向かってほしいです。でもその一方、日がたつにつれて、被災者の方々のこと、津波の映像、東京の家族や友だち、京都に来ている友だち、何も揺れを感じていない自分、ネット上での情報、テレビの映像、いろんなことがますます頭を渦巻くようになっています・・・。遠く京都にいる自分でもそうなのだから、被災者の方のご苦労はどれほどのものかと、言葉になりません。

そして今日は、地下鉄サリン事件から、16年の日。ほんとに生きているといろんなことが起き、いろんな人がいろんな人生を送り、亡くなっていったんだなあ、ということを実感します。

そんなことを考えつつ、最近こんな本を読みました。

『ボクは吃音ドクターです。』(毎日新聞社、菊池良和著)

kitsuon

吃音(どもり)はぼくにとっても高校時代から10年間ほど悩み続けた問題だったため、この本を見つけたときは、すぐ興味を持ちました。そして著者の名前に若干聞き覚えがあって、どうしてだろう、あ、もしかして・・・と思い、8,9年前のメールを見てみると、やはり。著者は以前ぼくが吃音のルポを書いたときに会っていた人でした。自分が初めて書いたルポルタージュが吃音に関するもので、そのときに取材させてもらった方でした。それ以来だったので、びっくり、懐かしく、うれしい「再会」でした。

本書の著者の菊池良和さんは、幼いころから吃音で悩んできた方。でも吃音を扱ってくれる病院はないし、吃音は原因もよくわかってないため、彼は、「よし自分が吃音を研究しよう」と医者を目指し、医者になりました。

この本は、そんな菊池さん自身の吃音とともに生きてきたこれまでの人生を描きつつ、医師、そして第一線の研究者として、吃音について書いた本です。菊池さんのご苦労、熱い思いや優しさがとてもよく伝わってきます。

吃音は、原因もわからないし、周りの人からみるとどうってことないように見えたり、でも、本人にとってはときに非常に深刻な悩みであることがあります。何しろぼく自身にとっても、6年ぐらい前までは、とても大きな悩みで、旅に出る大きなきっかけの一つにもなっています(「遊牧夫婦」の続編にはそのことを詳しく書く予定です)。

菊池さんの吃音は、ぼくに比べるときっと重くて、簡単には比較できないけれど、書いてある悩みはかなりの部分共有できるもので、以前苦しかったときの気持ちを思い出しました。実際、どの集団にも100人に1人の割合でいると言われる吃音者が、どのように苦しんでいるかを知るのに、とてもいい本です。

ちなみに、有名人で吃音で悩んだ人は結構いて、たとえば以下のような人があがります。

キャスターの小倉智昭、作家の井上ひさし、重松清、大江健三郎、そして、田中角栄。また、マリリン・モンロー、ブルース・ウィルスも。あと、最近の映画『英国王のスピーチ』も吃音のある王の話。

これらの名を聞いただけでも、吃音がいかに一見わからないものか、不可思議なものかが、想像できるかと思います。興味のある方は是非菊池さんの本、読んでみてください。

菊池さんは、あとがきで書いていますが、この本を書いている途中で脳出血を起こしました。後遺症が残ったものの、奇跡的に回復し、いまも吃音の研究を続けています。菊池さんのされてきたご苦労は、ただならぬものがあると思います。心から応援したいです。そして、自分もがんばろう、という気持ちを強く沸かせてくれる本です。

ぼくも、いつか吃音についてはまとまったものを書きたいと思っています。是非、広く知ってもらいたい問題です。


Posted by ykon at March 20, 2011 11:57 PM | トラックバック
コメント

やっぱ10億円くらいは寄付したよね??

Posted by: なななな at March 21, 2011 1:04 AM

>なななな

笑い事にするなよ。マジで。

Posted by: ゆうき at March 21, 2011 1:44 AM

Hi My dearest friends Yuki And Motoko,

How are you?

i hope u are all alright and in a fine situation.

sorry for horrible disaster that took place in your country...

we all are shocked becuz of that happening and im also so worry about you and ur relatives...

our people couldnot help your country very much

but all of us express our empathy.

hope ur people defeat the ongoing disaster.

wish you healthy and patient heart...see u miss u :(

Posted by: hamid at March 21, 2011 7:17 AM

> Hamid

Thanks for your warm comment.
We are fine as Kyoto, where we live, wasn't affected either by the quake or tsunami. However, the scale of the disaster was just unbelievable and i still can't confront the fact our country is facing.

It's quite a hard time for us all, but we are trying our best to get over this tragedy. It gives us power to know that people around the world are worrying about our country. Thanks Hamid, your words help us.

Hope you have figured out the best answer about the future with your girlfriend.
Take care! Yuki and Motoko

Posted by: Yuki at March 25, 2011 1:10 AM

春期講習に来る日を教えて

Posted by: son of a bitch野郎 at March 25, 2011 2:56 AM

>son of a bitch野郎

27日、28日の夕方にいるよー。
今日はいけなくて残念だ。。。

Posted by: ゆうき at March 25, 2011 10:00 AM
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