12月に北京に行ったとき、毛沢東の遺体を見にいきました。この話、書こうと思いつつ忘れてました。
他の社会主義国と同様に、毛沢東の体も、一応死んだときのまま、ということで真空保存だかなんかにされてて、今も北京で見ることができます。最近、「マオ」など近年の中国に関する本をいくつか読んで中国の近代史にとても興味を持つようになったので、是非見たいと思って、今回の北京で唯一の観光のような感じで行ってきました。
「毛沢東の私生活」という本があります。ずっと毛沢東の身近にいた主治医が、毛沢東の私生活を赤裸々に書いたもの(作者は本が出た一ヵ月後ぐらいにアメリカの自宅で死体で発見されました。FBIも病死と認定したとのことですが、かなり怪しい雰囲気です……)なのですが、実は、その作者が、毛沢東の遺体の保存の責任者だったとか。で、この本は、毛沢東が死んで、その直後に保存ミッションを与えられ、「ちゃんと保存しないと、マジでまずいぞ……!」ってところから始まるのですが、この主治医がいろいろと試しているうちに、毛沢東のボディが膨張しちゃったりして、彼は大慌てになるんです。で、結局それがどうやってうまくまとまったのかはよく覚えてないのですが、とにかく、その結果として保存されたものが、いま、北京にある毛沢東の遺体のはずなわけです。
さて、どんななのかな、、と興味津々で見に行きました。
この写真がその建物。毛主席紀念堂。まさに毛沢東の体を保存するためだけにこれだけ大きな建物を天安門広場に作ってあるということで、「おお、中国!」という興奮が走りました(ちなみに、ぼくは今回初北京)。
まず、荷物を預けて、敷地の外で4列縦隊に並んで待つ。「入っていいぞ」という合図とともに、観光客みんなで一斉に行進しながら敷地内へ。角を曲がるときもしっかり90度に曲がらないといけなく、さすが、、、という感じ。で、遠くから係員の諸注意の声(服装をきちっとしなさい、なんてのもあったような)が聞こえ、その声にしたがって途中で一斉に止まると、目の前には花屋さんが。。。「毛主席に敬意を表して献花した方がよい。だから、ここで花を買った方がいい。一本3元だ」みたいな感じで勧められ、買わないといけないのかなと思ったら、3分の1ぐらいの人だけが列から離れて花屋へ走っただけなので、そのまま見守る。で、まだ買ってる人がいるのに、「よし、そろそろ進みなさい」と号令がかかり、また行進開始。階段を上がって、1元で案内書を買って、中に入ると、まずは大きな毛主席の像。花を買った人はそこに花を捧げて、すぐに列に戻り、いよいよ、毛沢東と対面。(建物の中に入ってからは列はすでにばらばら)
その部屋に入ると、正面の壁に大きく、
「我々の偉大な指導者は永遠に朽ちずここに眠る」
のような言葉がかかれ、その下に二人の兵士。その空間とぼくら観光客とはガラスの壁で仕切られています。観光客は、緊張感のあるそのガラスの中を横目で眺めつつ、さっーーーと歩きぬけないといけないんです。がんばってゆっくり歩いても、ま、実際に毛沢東の顔を眺められるのは、1分もないぐらいでしょうか。
さて、問題の毛沢東。ガラスの壁の向こうで、しかもさらに毛沢東はガラスのケースの中に入っていて、
距離は、5メートル以上はあったかな。そんななので、細部は全然分からない。ただ確かに毛沢東の顔をしているということは分かるものの、思ったよりとてもこじんまりとしていました。写真で見ると大柄なイメージだったので、意外でした。でも、遺体だと考えると、小さい方がリアリティはあるような。
が、顔はどうもきれいに整いすぎている感じがして、もうこれは蝋人形でも全く見分けはつかないな、という印象。そして、あれが実物かどうかなど、恐れ多くて誰も突っ込むことはできないということを考えれば、本当に蝋人形であると考える方が合理的なんじゃないか、とも思いました。
しかしいずれにしても、あの部屋にいる間、歴史を体感した気分になれたのは確かです。毛沢東や中国の歴史に興味があれば、一見の価値はあります。あの空間に、社会主義のエッセンスが詰まっているような気がしました。
ちなみに、部屋探しは、いよいよ大詰めかな、、というところです。
すごいなー。
貴重な体験ですね。
蝋人形・・・確かにそんなこと
口に出したら
大事になりそう!!
興味あるけど、ちょっと実際見るの
コワイような・・・。
どうも、○南会のnです。
「毛沢東の私生活」読みましたよ!!確か中国では発禁でしたよね?遺体は蝋人形だと思います私も。
毛主席記念堂というところで見れるのですね~。今度機会があれば是非行ってみたいと思います。
うわあ…。なんかちょっと緊張して読みました。
やっぱり毛沢東って特別なんですねー。昔ちえの原付に毛沢東シールが貼ってあったけど…。
遺体は本物なんかなあ…。なんかビートルズの「レボリューション」思い出しました。「毛沢東の写真なんか持ってちゃ…」という歌詞に中学生ながら「おいおい、大丈夫なのか?」って思ったのを思い出してます。
今でも一部の中国人の間ではマオが崇拝され、神のように拝められています。私はその前を300回は通り過ぎたが、とっても入って見る気にはなれませんでした。
やがて人類社会から永遠に消え去るこの景観を皆さんにしっかりと見ていただき、その水晶の棺桶がマオのような「類神人」を二度と作り出さないないために役立てばと願います。
>chieちゃん
でも、実は密かに暗黙の了解になってたりするのかな~?
「毛沢東は永遠だ」ということを示したかったはずなのに、あれが蝋人形だとしたら、逆に、やはり永遠のものなんてありえないんだなって実感させてしまうような気もしたなー。
>nyさん
どうも!「毛沢東の私生活」確かそうでしたね。あれを読み、さらに「マオ」(「ワイルドスワン」の作者が書いた渾身の毛沢東伝。ちょっと感情的になりすぎてる感じがしましたが、かなりインパクトあり)を読んだら、理解が深まりました。是非、紀念堂も行ってみてください。閉まってる時間帯も結構あるようなので、ご確認の上で。。。
>ゆうきくん
ここまで個人を大切に祀るのってやっぱり社会主義国や王国だけだと思うから、ここに来てみて、中国が社会主義国なんだなって実感しました(日常的にはそれほど感じないので)。ちえちゃんの毛沢東のシールってアンディ・ウォーホルのカラフルな肖像画かな?よく見るよね、あれ。それに、ビートルズも歌ってたってのは、米中の国交正常化があったころの影響なのかな。。。
>Jonathanさん
コメントどうも!北京に住んでいらっしゃるんですよね?確かに毎日横を通ってたりすると、なかなか実際には入ってみないものかもしれませんね。自分は、初めての天安門広場で、真っ先に紀念堂へって感じでしたが(笑)。
紀念堂は、自分たち資本主義国の人間にとっては、社会主義とはなんなのかってことの一端を、感覚として分からせてくれる貴重な存在なのかもしれないって、いう気もしました。
Posted by: こん at January 19, 2007 10:59 AMこんな棺桶に入った「類神人」はマオで三人目(レーニン/スターリン/マオ)、前の二人は既に消えて行った。
三人目もそうなると思います。
ちょっと話が変わりますが、最近ちょっと妙なことを考えています。
北朝鮮をテーマパークにして、世界中のサディズム(Sadism)マゾヒズム(Masochism)信奉者が集まるじゃないかなと。
テーマパークの名前はSMCHL(Sadism Masochism Communism Happy Land)です。
そこを実体験して、世界中の人々は独裁体制から遠ざかっていくと思います。
最近はちょっと忙しいので、自分のブログを更新していません。
近いうちに、SHに行きます。
私も観光で母と2002年に行きました。
やっぱり母も同じことを確信持って言ってました。蝋人形だって。その根拠は早く行ってください、と止まらないで歩かされたってのが理由なんですけどね。だったら本物はどこに?うーこわっ!
>Jonathanさん
うーーん、なかなか斬新かつ奇抜なご提案ですね。。。独裁体制を理解するためのテーマパークとは。宇宙を疑似体験できるTDLのスターツアーズなんかよりも、シビアかつスリリングかもしれませんね。
ま、いずれにしても、中国の独裁体制というのは、毛沢東時代から少しずつ変遷を遂げて異なる体制に変化しているという意味で、世界でも独特ですよね、おそらく。
>おとちゃん
お久しぶりです。やはり蝋人形っぽいですよね~。本物はおそらくすでにないんじゃないかなって気がします。ああやって遺体をそのまま保存するっていう技術は、時代的にもかなり難しかったでしょうしね……。でも、いまならできるのかな?
Posted by: こん at January 22, 2007 4:08 PM 知らなかった。。。天安門広場は行ったのに全く知らなかったです。読ませてもらった感じは、ハノイのホーチミン廟と
酷似してますね。ホーチミンさんの遺体も3体あるって言いますけどね。一体は公開用、一体はその予備、そして本物。
>hiraくん
久しぶり~。今度オーストラリア行くんだよね?楽しそうだな~。やっぱ、前にホーチミンのこと聞いたのってひらくんからだったかな。なんかそんな気がしてました。毛沢東見て、俄然ホーチミン、レーニン(も見られるんだっけ)もみたくなりました。金日成もあるんだろうな。
Posted by: こん at January 24, 2007 11:07 PM