March 14, 2006

ダカーポ&金子光晴

昨日、いきなり編集部から連絡をもらったのですが、どうも今発売中(579号)か、もしくは次号(580号、明日発売だと思います)の「ダカーポ」(マガジンハウス)にぼくが書いた小文が載っているようです。昆明でのある出来事についてのちょっとした感想文みたいなので、投稿的な扱いになっているかもしれないのですが(実物未確認)、もし機会があればごらんください。でも、ちょっとですが字数の割りには悪くない原稿料が入るのでうれしいです。

明日ぐらいに出さないといけない連載の原稿がどうしてもうまくまとまらず、昨日は思い切って、新たなネタを探すべく再取材に町へ。その甲斐あって、一応無事にある老夫婦に話を聞くことができ、これでなんとか一つ書けそうだとほっとしたところです(<私信>トウヒさん、ほんとにごめん!)。

さて、その取材で行ったのは、虹口(ホンコウ)という昔の日本人町のようなところ。そこにはいろんな日本人が住んでいたのですが、中でも、金子光晴という詩人(「どくろ杯」という上海についての紀行文がかなり面白かった)に興味があり、彼が住んでいたという家がまだそのまま残ってることを知って、それを探しにいってきました。話を聞かせてもらった老夫婦は、その同じ敷地に住んでいます。都会らしい大通りの真裏なのに、すぐにとてもいわゆる中国といった風景になるのが驚きでした。そういう建物が今もそのまま残って使われているところがいい感じです(魯迅の家というのも普通のアパートの中の一つで、隣は普通に人が住んでました)。

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(四川北路の裏道の裏道。手前にほしてあるのは、子供用の股の割れたズボン。昆明ではこれをはいて、路で用を足してる子どもをよく見かけたが、上海でみたのは、まだ一度か二度)

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(説明によれば、1920年に出来た洋館で、日中戦争中は日本海軍武官府駐地だったとのこと。そんな歴史的建物の窓から、いま普通に洗濯物とかがほしてあって、生活感が出まくってるのがすごい)

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(金子光晴が住んでいたという「余慶坊」という居住地区の雰囲気。ここも大通りである四川北路のすぐ裏。聞いたところによれば、この建物は1919年ごろに出来たものだとか)

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(余慶坊内の掲示板。「吸毒危害社会」「吸毒破壊家庭幸福」などなど)

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(余慶坊の中に住む人々の様子。通りの上には洗濯物。話を聞かせてもらった老夫婦は、二人でなんと8.5㎡の部屋に住んでいて、家賃は月に200円程度!都会の人という感じがしないとても気軽に話せる雰囲気で、1時間以上立ち話して、仲良くなれました)

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(金子光晴が住んでいた部屋。123号。いまもそのまま。ここに今住んでいる人にも話を聞こうとしたものの、出てきてすぐに断られてしまった)

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(ここも重々しい洋館から洗濯物が。余慶坊の裏の建物)

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(ここも四川北路を曲がったところ。古そうな長屋)

素子の仕事も少しずつ本格化しているようです。結構楽しそうにやってます。もちろん彼女は、平日の昼間は自由の時間がないため、ブログはぼくがアップする機会が増えてしまいそうですが。。。

ぼくは今日は一日家にこもって原稿書きになりそうです。

雄生


Posted by ykon at March 14, 2006 10:16 AM | トラックバック
コメント

とてもいい味でてる写真たちですね。私もどこかへ取材にいきたくなりました。

ところで、http://gogo.chips.jp/kakibito/asia.htm#top
この海外ライター広場にひょっとしたら・・・と思ったらやっぱりちゃんといらっしゃいましたね。

素子さんもお仕事順調なスタートのようで何より!

Posted by: akubichan at March 14, 2006 11:44 PM

>akubichan

今日、ブログ見たら、なんかあったみたいだったけど、大丈夫??元気になってくれることを願ってます!

この「ライター広場」ってのと、「書き人クラブ」ってのがあって(実はもともとは一つだったんだけど)、両方に登録してます。すると結構仕事のチャンスが増えて助かってます。実はこの「ダカーポ」の仕事も「ライター広場」経由なんです。

素子も元気に働いてますよ。
akubichanも元気出して仕事がんばって!

Posted by: こん at March 15, 2006 1:03 AM

昔の上海が暮らしの中に残っている感じ。金子さんの感じたものも残っている雰囲気ですね。記事を楽しみにしています。どこに出す予定ですか?

Posted by: よっしー at March 17, 2006 9:53 AM

>よっしーさん

まさに、金子光晴の見ただろう世界で今もそのまま暮らしている老夫婦のことを書きました。これは、連載している「自然と人間」の次号に載る予定です。今度、機会があるときにお持ちできると思います。ちなみに、hu-ism(次号にエッセイが載ることになりました)にも、ちょっと関係のある企画を出したりしてます。

Posted by: こん at March 17, 2006 10:42 AM

奥様の素子さんと同じ関大商(私は93ですが)出身ですので、今日関大会の定期メールで素子さんの紹介を拝見しました。(私は凸版の現地採用として現在上海に住んでいますが、主人(上海人)と4歳になる息子の3人家族です)
いろいろな国を”放浪”してきましたね。本当に羨ましいです。機会があれば、ぜひ聞かせてください。
お時間が有りましたら、メール等で連絡を下さいね。
                     謝謝

Posted by: 丸山 えみ at April 3, 2006 5:56 PM

丸山さん
初めまして、こんにちは。関大会からさっそく見にきて頂いて、うれしいです。しかも1年違いとは!もしかして共通の知り合いとかいそうですね。
今度是非お会いできればいいですね。またメールさせてもらいます。それでは。

Posted by: も at April 4, 2006 11:27 PM
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