ZDNN:ニュース速報 2003年2月15日 10:05 AM 更新
コンピュータネットワークはそれぞれが高速回線を利用してトラフィックを振り分けようとすると「自己中心的」になる傾向があり、回線を混雑させて速度を落としてしまう――。コーネル大学のコンピュータ科学者がこんな研究結果を発表し、インターネット高速化のためには他者を尊重することが大切だと結論付けている。
この研究は同大学のEva Tardos、Tim Roughgarden両氏が2月14日、デンバーで開催されたAmerican Association for the Advancement of Scienceの年次会合で発表した。
研究によると、データのパケットを振り分けるルータが他者を尊重するようプログラムすれば、情報が目標に到達する速度は若干速くなり、他のパケットの動きも迅速化するという。
データのパケットが目標に到達するには多数の方法があり、その方向指示はルタに依存している。現在のルータが情報送信先を決めるやり方には複数あり、テストパケットを送信して時間を計る場合もあれば、近くにあるネットワークの状況について情報を交換する場合もある。ルータが最も混雑の少ない経路を選んだ結果、ここでも混雑を引き起こしてしまうことも少なからず起こる。そうした場合、ルータはそれまで回避していた経路を選択する。
この結果、システムはNashフローと呼ばれる平衡状態へと流れ、通常、理想的なシステムよりも低速となる。Tardos氏らは、ルータがパケットを送信する方法の数学的な分析を実施し、伝送速度は理想的なシステムに比べて最大1.33倍向上することが判明した。
Posted by sunouchi at February 17, 2003 1:54 AM