先日メルともが死んだ...
らしい。
「らしい」というのは実際に死んだかどうか、その現場を見ていないからである。だがメールの件名は「訃報」であった。その文面によるとどうやら死後、家族の人がケータイのアドレスを見て残っていた人に送信したらしい。
ハッキリいってそれ程仲は良くなかった。良くて三日に一回メールするくらいの仲である。しない特は一週間以上しなかった。だから別にメールが来なくても変には思わなかったのだが...まさかこんな結末になるとは思いもしなかった。
まぁメルともも人間だからいつかは死ぬだろう。だが実感が全くといっていいほど伴わない。今後一生使うことない不要なメモリーが一つ増えただけである。悲しさのかけらもない。というか、そもそも何を話したのか覚えていない。あまりにも何の感情がわかないので、何となくすまないような気がしてきた。仮にも今までケータイの一部分を占めていた「人間」である。「もう少しこの感情、なんとかならんのか」と考えてもみた。
とはいえ、一向に埒が明かなかったのでメモリーを消すことにした。残していても一生使うことはないだろう。
「登録名」 → 「アドレス」
にケータイでの表示が変わったとき、何となく「死」を実感し、とりあえずその冥福を祈った。